ウルトラマンオメガ リアタイざっくり感想(第十一話~第十五話) | 怪獣玩具に魅せられて

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第十一話

「グライム再び」(古代怪獣リオド・熱線怪獣グライム・爆進細胞怪獣エルドギメラ 登場)

 いつになく勇み足のコウセイ。メテオカイジュウを持って自分にもできるのに! という思いが出てきたからか、積極的に怪獣退治に出番を張ろうとする。一方、オメガが世間から評価されず、苛立ちを募らせてもいる様子。怪獣被害が一地域にかぎられており、そこ以外の地域にとっては他人事で、オメガを良しとも悪しとも決め難いという、その温度差がリアル。今回のコウセイは空回ってばかりで、ちょっと痛々しい。元々コウセイって体育会系なようでいて線は細いし、表情も繊細さがあるから、気合入って叫んだり感情を露にし過ぎすると、おいおい血管切れますよって心配になってしまう。しかも今回のやらかし、相当デカい。NDFのグライム捕獲を邪魔し、エルドギメラをいつになく警戒するソラトを尻目にトライガロンを突っ込ませ、オメガ=ソラトを負傷させることになる。何をそんなに焦っているのか。下手にレキネスやトライガロンという「力」を持ったがゆえの慢心や功名心が災いしたんだとしたら、もう少しそこに言及があっても良かったかなと。冒頭でソラトがコウセイを置いていくのもちょっと謎ではあるが――理想のバディとしては、もう少し互いにコミュニケーション取ったら? と。エルドギメラはこれまでのオメガ怪獣の中では、分かり易く「邪悪」な感じが出ており、ウルトラマンレオ最恐のトラウマ宇宙人、アトラー星人のようでもある。こいつがグライムを吸収してオメガに引導を渡す。最後のグライムの熱線で打ち抜かれたオメガの画は、かなりショックだった。

 

 

第十二話

「俺のやりたいこと」(爆進細胞怪獣エルドギメラ 登場)

 グライムに続いてドグリドも吸収してしまったエルドギメラ。こいつはヤバい。エルドギメラに敗北を喫し、相当痛めつけられたソラト。それでも腹減ったと笑いながら起き上がる。ホッとしたのも束の間、重い空気の中で決別を告げるソラト。やっぱりこの二人、仲が良いようでいてコミュニケーション足りてない。これはソラトがウルトラマンだからなのかなあ。互いが互いに勝手に決めちゃって溝を深める――って展開、この前後編で多い気がする。結局コウセイが先にその場を去っちゃって、お前それもどうなんだと。前の話で自分がやらかしたこと、とりあえずは自分の真意も含めてソラトに打ち明けるべきじゃない? 立ち去った先で、ウタサユキ先生に出遭って、そこで何かを学んで少し成長して――って展開は、テリジラスが登場した第四話でも、大体同じ構造だった気がするんだが。ただし今回は、アユ姉とNDFとの共闘がアツかったので、モヤモヤはあれども楽しんで観れた。ここでちゃんと、コウセイが見つけた肉片の解析によって、ギメラ細胞の弱点をアユ姉が探究し、NDFに立案、作戦開始!! という展開が燃える。怪獣が出たことのなかった世界にしては、この世界の防衛隊、超優秀じゃね? 怪獣を前にして、全然たじろがないところも頼もしい。しかし作戦はうまくいかず、オメガの登場、続いてコウセイの覚悟。人間、オメガ、メテオカイジュウが総力を挙げて脅威に挑む。この展開こそ、ウルトラマンに求める要素の一つ。新しいエンディングテーマに乗せての大立ち回りは最高に見ごたえがあった。中ボス戦としては満足の高い一作となったけれど、ただ、この前後編をもっと効果的にするためには、7話ぐらいから、今回の「葛藤」に繋がる要素を掘り下げておけば、もっと気持ちが乗ったのにな、と思う。

 

 

第十三話

「アユ姉にバレちゃった!」(友好珍獣ピグモン 登場)

 一応本編に連なるドラマはあるけど、基本的には総集編な一作。前回の話で、怪獣使いであることがばれたコウセイ。さて、アユ姉にどう説明したもんだろうかとカンペを作るコウセイ。これこれ! こういうところが好きなんだよ。ようやっと、いつものコウセイが帰って来てくれた感じがして嬉しい。今までそれなりに一緒にやってきたアユ姉に、隠してきた秘密を明かすって、ソラトとコウセイにとっちゃ結構な大イベントだったはずが、ピグモンの闖入により中座。ここでの三者三様のリアクションが面白いし、ピグモンに対してのソラトとコウセイを対応を見たからこそ、アユ姉の最後の意思に至ったのかなと。ここでの怪獣セレクトがピグモンなのは、やっぱり分かってるな、って。ウルトラ銀河伝説やウルトラゼロファイトで、ゼロの嫁(おいおい)だった健気時期から少し図太くなって、第一話のソラトと同様の行動に走る。ブレーザーのガラモン同様に、初代に忠実な造形も、とっても良かった。アユ姉の最終的な決断としては、全部を打ち明けるではなく今の関係を続けていく――と。メビウスのタロウ客演回でクルーGUYSの面々が一斉にミライの正体を知るのとは真逆に、何となく勘づいてはいるけれど、あえて詮索しない。人間だろうが宇宙人だろうが、ソラトはソラトで変わりないじゃないの! といったわけじゃないけど、アユ姉らしい決着の付け方かなと。なおかつ、このようにアユ姉にもある程度の事情が分かっている状態にしておけば、今後ソラトとコウセイが動きやすくなるので、実は巧みに考えられている。総集編でありながら、今後の展開のためにはけっこう重要な一幕でした。

 

 

第十四話

「オメガ抹殺指令」(殲滅創世体ソヴァラス・メテオカイジュウヴァルジェネス 登場)

 相次ぐ強敵。今回の狙いはオメガ単体。何気に、宇宙からの侵略者はソヴァラスが初めて? これがね、フィギュアーツで出てほしいくらいにカッコいい!! 得物も使えるスタイリッシュなゼットンみたいな。上手い具合にブラッシュアップされたデザインだと思う。あと今回は、ソラト(人間形態)のアクションも楽しめる上、クールも折り返しを過ぎて重要なキャラとなるであろうウタ先生の登場、オメガが記憶を失った元凶の登場と、けっこう重要な回となっている。その上で、新たなメテオカイジュウ、ヴァルジェネスが参戦! しかも今話では、ソヴァラス側についてオメガを襲う!? しかもしかもこいつが、オーブカリバーが単体で意思をもって襲ってくるみたいな怪獣で鬼強い。十二話のエルドギメラ初戦では、コウセイの横槍もあって完膚なきまでに叩きのめされたオメガ。今回は、ソヴァラスは強いわ、ヴァルジェネスは洒落にならねえわ、トライガロンは操られそうになるわで、多勢に無勢も良いところ。止めを刺される一歩手前まで追いつめられる。相手が強すぎて、それが故に装着して戦うメテオカイジュウなのに、それを操る相手って、ものすごく相性が悪い。こんな奴、再戦したとしてもどうすりゃいいの――っていう不安を抱えながら、次に進む。

 

 

 

第十五話

「守る者たち」(殲滅創世体ソヴァラス 登場)

 これまでで一番熱く、面白い話に仕上がっていて、中盤になって盛り上がってきたな! と。まずオメガとソヴァラスの確執が明らかになり、月面の死闘においてヴァルジェネスが奪われた経緯が描かれる。メテオカイジュウの中でも最強出力のヴァルジェネスを奪われ、他のメテオカイジュウを召喚したとしても同様に奪われかねない状況を、どう打破するか。前回の戦いの中で気づいた機微から、まず人事を尽くす展開はやっぱり良いし、今回からウタ先生という強力なサポーターがついて、これがまた、心強い! しかも無条件に受け入れる「良い人」なんじゃなくて、ソラトやコウセイを信用する理由にもちゃんと科学的・分析的に導き出される妥当性があるところと、少々粗のある計画であったとしても「面白い!」と乗れる勢いの良さ。この人がバックに立つと頼もしいよ。そしていよいよ決戦と言う時に打ち明けられる、ソラトの本音。やりたいことを見つけるんじゃなく、出会ってきた人たちが幸せでいることが大切、そのためにこそ自分は死力を尽くすって――実は初代ウルトラマンと同じ。ここでコウセイが、「そんなに人間が好きになったのか」と言ったら、もう完全にそう。その思い吐露のきっかけ? になるのが、「ミコとミコト」事件の二人からの手紙だっていうのがね、もうアツい。これまでのポッと出の奴ら、正直いらねえんじゃねえかっていう面々たちへの一言一言で、実はそういう人たちとの関りの中で、ソラト=ウルトラマンの中で「守る者」としての心が形作られているということは分かるこの一幕は、記憶喪失のためにここまでどこか浮いている存在でもあったソラトが、しっかりと自分の意思で脅威に立ち向かう、その心の在り所をしっかりと示していて、ストレートに感動してしまった。もう一つ、お気に入りの展開としては、怪獣と闘うのはソラト。そしてメテオカイジュウの説得はコウセイと、それぞれの役割がしっかりしていたこと。特に今回は、コウセイもウルトラマン並みに大活躍! トライガロンからレキネスへの乗り換え、ヴァルジェネスへの説得。そしてヴァルジェネスを取り返してからのオメガとの共闘。本作で一番おいしいところを持っていく。新たなるアーマー形態、ヴァルジェネスハルバードは、あの長柄の得物を存分に振り回すウルトラマンは超カッコいいということを如実に教えてくれる。得物を振り回すアクションは、ニュージェネ初期のギンガなどと比しても、相当洗練されていると思う。最後、ウタ先生から怪特隊のユニフォームを託された三人。三者三様のリアクションの中、最後まで何をするのかよく分かっていないソラトが可愛い。ここにきて、一気に面白くなったオメガ。「怪特隊」という新しい環境の中で、彼らがどんな活躍をするのか、今からとても楽しみ!!