東宝怪獣コレクション バラゴン1968 | 怪獣玩具に魅せられて

怪獣玩具に魅せられて

ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

東宝怪獣コレクションの第42号オンリーで完成。『怪獣総進撃』に登場したバージョンの地底怪獣バラゴンを紹介します。

 

 

 

正面から。

バラゴンは、1965年の『フランケンシュタイン対地底怪獣』に初登場。身長25mの、中型怪獣として銀幕を沸かせました。善玉怪獣であるフランケンシュタインの怪物に身長制限があって、それに合わせての規格なんだろうなと想像できます。ミニチュアセットも従来の1/25から1/12に変更され、よりリアルな表現ができたそうです。バラゴン自体の動きなども極めてリアルだし、着ぐるみの出来の良さは、その後のウルトラシリーズへの貸し出し及び度重なる改造で証明されています。

 

1968年の『怪獣総進撃』では、ちょっと出で登場。頭部の改修が合って、個人的見方では少々不細工になりました。

今回の東宝怪獣コレクションは、こっち版をまずは立体化。

 

 

横から。

バラゴンの段々背中は、いつ見ても美しいですよね。ウルトラシリーズのパゴス、ネロンガ、マグラー、ガボラは全てこのネロンガの着ぐるみの改造。『シンウルトラマン』では、マグラー以外の3体が登場しましたが、その祖先としてバラゴンが出てきてもおかしくなかったわけです。いや、おかしいんだけど、特撮怪獣史的にはおかしくないんです!

 

25mサイズということで、小さいんですが、非常に細かい作り。背中の段々ももちろんですけど、イボイボな体表など、地底怪獣バラゴンらしさが全面に出ているアイテムですね。

 

尻尾のうねりや、腹部の格子状の彫など、いやぁバラゴンだなあ。

塗分けは爪と角、目玉くらいなんですが、背中の段々部分に汚しが入っていたりと、かなり細かい。

 

 

背中。

この段々の造形、この小ささで凄い!!

中央線が黒く塗られていることで、より立体感が際立つ。

 

顔に注目。

ちょっとお目目がデカすぎるか? という感じですが、『怪獣総進撃』のバラゴンだと言われると、ちょっと納得できそう。初登場の『フランケンシュタイン対地底怪獣』のバラゴンは、やっぱり眉目秀麗なんですよ。それに比べると、ちょっとぬぼっとしているので、このサイズではこっちの方が作りやすいのかも知れない。

 

 

小さい、小さいとさっきから言ってますが、どれくらい小さいかというと、

いや、小さっ!

小指の第一関節の大きさしかない。

ボリュームとかいう以前の問題なんですが、この小ささでこの作りこみだと、別の感心・感動が生じてきます。

 

 

同じ大きさで言うと、実はこいつなんですね。

ミニラ。

しかもミニラは顔面がデカいので、顔の彫の細かさはバラゴンが遥かに緻密。

引き絵で見ても、ちゃんと顔の各部が見える深い彫り。最初、開けた時は「ちっさすぎだろ」と憤慨したんですが、逆にこの小ささが今では「凄いなこいつ……」と感じる要素になっています。

 

 

怪獣というと、特に昭和の東宝怪獣は50m規格がスタンダードだと思うんですが、

こんなに小さくなるんですね。

 

 

Bandaiのムービーモンスターシリーズには、1965年版のバラゴンを再現した、非常に出来の良いソフビがあります。

ムビモンは、怪獣の設定全長は踏まえられていないので、たとえばゴジラにおける大きさの違いはソフビの大きさには全然反映されていない。だからバラゴンも他の怪獣と同じ大きさになるわけですが、

 

スケール比を併せるって、大きくなる場合も小さくなる場合も大変なんだなあ。

ソフビと並べると、親子ほどの違いどころか、バラゴン(ソフビ)に襲われるバラゴン(東コレ)という、異常な画が見られることになります(笑)

 

 

 

Zゲージの中に入れると、こんな感じ。

2階部分くらいまでしか頭が届かない。

このサイズの怪獣が街を荒らすって、意外にリアルで怖いかも知れません。

 

 

同じ規格のミニラと並べると、

怪獣がウィンドーショッピングに繰り出したようしにか見えない(笑)

この2体は、『怪獣総進撃』にて、宇宙怪獣キングギドラに対抗したわけですが、

 

 

デカすぎんだろ。

それこそ、ぷちっと踏みつぶされて終わり。

バラゴンは戦闘には参加してませんでしたが、ミニラはギドラの首を放射能リングで攻撃するなど活躍してましたね。

 

10体1じゃあ卑怯じゃないか! って気がしてたんですが、この体高差だと、実は地球怪獣側が圧されていたのかも知れません。

 

ということで、小さいのは小さいだけの作り込みがある。バラゴン1968でした。

ボリューム的には、こいつとミニラの抱き合わせくらいのサービスがあっても良かったのでは? と思わんこともないんですが、作りの細かさと塗の丁寧さなど、造形上の苦労を考えると、とてもよくできているフィギュアの一つでもあります。特に、引きで見ても各部がちゃんとわかるのがすごい。

 

平成のGMKでの再登場を果たすバラゴンですが、それでも30mと巨大化に制限のあるバラゴン。今度、東宝怪獣コレクションでバラゴンが出るたびに、その小ささの中できめ細やかな造形にびっくりするのでしょう。楽しみです。