これはけっこう古い方のソフビですね。
ウルトラマン第19話「悪魔はふたたび」に登場した二大怪獣のうちの一体、青色発泡怪獣アボラスです。
たぶん小学校の頃に貰った奴ですね。
さすがに30年40年も経つと、部分部分の色ハゲは出てきますが、それでも綺麗に残っている方だと思います。ソフビの歪みも、あんまり感じないし。
正面。
首から下はレッドキングから借りてきた蛇腹。
着ぐるみ改造の中でも、改造前が分かりやすい一体ですね。
この後、また頭部を改造され、金色に塗られてレッドキング二代目として使われるそうな。
頭部のインパクトが強いので、元がレッドキングだと分かっていても異種感がするのが素晴らしいと思います。
後で紹介しますが、アボラスの顔がとっても良いんですね。それが体の上に乗っかっているというだけで、イイネ! ってなる。
ポーズも面白くて、腕を左右に広げています。
これによって、頭でっかちな印象が少し軽減されている気がする。
背中。後ろから見ると、ぼっちゃんみたいで可愛いな(笑)
頭の輪郭が、頬がぷっくりしているように見えるんですかね。うちの4歳の息子が、ちょうどこんな感じの輪郭ですね。角はないけど。
顔のアップ。
レッドキングかの細身とは違う、肉厚な感じの頭。
でっかい岩から切り出したようなデザインと造形が最高ですね。
特に目が素晴らしい。
これは何をモチーフにしているのか知らなかったので調べてみると、古代魚なんですって。
魚ですごい顎って言うと、ダンクルオステウスしか思いつきませんが、そうなのでしょうか。恐竜の頭骨が元ネタって話もありますね。そっちの方がしっくり来る。
何にしても、言われないとわからないくらいで、もはや独自のデザイン! と言い切ってしまって良いくらい、独特かつ特異な顔をしていると思います。
可動は四肢と尻尾。
ただ硬質かつ経年劣化も激しいので、動かすたびにやたらと軋む……。パキッて割れちゃわないか、だいぶ気を使いますね。
パーンチ!
腕を突き出す動きなんかもできる。
瞳が大きく、ちゃんと見ている先が分かるのも良いですね。
暴れるアボラス。
足が棒立ちなのが欠点ですが、上半身のボリュームと動的な雰囲気があるので、アクションは映えるソフビだと思いますよ。
突進!
自慢の一本角を駆使して。
元ネタさんと比べてみました。
蛇腹が主張強いので、つながりを見出すことは余裕だと思うのですが、彩色と頭部デザインの変更だけで、ここまで違うく見えるんだから奥が深い。
アボラスに関して言うと、「青色」発泡怪獣ということで、体の色そのものに設定や意味があるのが大きいですよね。まだまだアースカラーの怪獣が多かったウルトラマンの怪獣の中で、赤や青の体色ってなかなか思い切っていたと思う。その異質な体色を、「赤のバニラ、青のアボラス」っていう怪獣同士の対比に使う工夫が見事だと思いました。この二体の後もウルトラマン自体はアースカラーの怪獣が基本となりますが、後年の原色バキバキの怪獣や超獣に、見ていてそこまで違和感を感じなかったのは、アボラスとバニラという素晴らしい前例があったからこそなのかも知れません。
多々良島に、悪魔はふたたび。
少年誌の設定的にはレッドキングとブラックキングが兄弟関係にあるようですが、製作事情的には、むしろこっちの方が兄弟関係にあたる。
アボラスの造形って、面白いしかっこいい。
レッドキング譲りの武闘派のようでもあり、口から吐く溶解泡で敵を倒す知性派でもある。戦う側にとっては、より脅威な相手なのかも。
市街地にアボラス出現!!
体高があるので、街中においても映えますね。
本編では、封印されていたバニラが解き放たれちゃうシーンで研究所が破壊される奥に、ぬっとバニラが現れる画が印象的でしたが、
同様の感じをアボラスでもやってみた。
口の中が生々しく照りついて、凄く良い。
ウルトラマンと比べてみる。
アクトよりもアーツの方が良いかなぁ。
アボラスには、重量級ファイターでいてほしい。
本編では旧国立競技場での戦いが素晴らしかった両者。今一度対決!!
アボラスはアボラスでそこそこ動きをつけられますが、アクションフィギュアと組み合わせると、よりカッコよく映ります。
アボラスの硬皮に、ウルトラマンの拳が炸裂!
角を向けて突進してくるアボラスを受け流するウルトラマン。
どしーん!!
地響きを立てて地面に転がるアボラス。
八つ裂き光輪!!
しかしアボラスの固い皮膚には効果がなく、角に引っ掛けられて弄ばれてしまう(本編にはありません)
アボラスの攻撃を交わしてのスペシウム光線。
2発までは耐えることができたアボラス。
耐久力にも相当なものがあります。
ハゲ部分はいくつかあるし、青色発泡怪獣だってのにメタルグリーンな色してるから塗り直そうかと思ったんですが、この色のアボラスって結構レアなんですってね。そうなると躊躇してしまう。
一見大味なようでいて見事なバランスな頭部が、すごく良くできている。この満足感は、30年40年という時の間隙をあっさり超えてきてくれます。後年の大怪獣バトル期には復活のチャンスを与えられなかったアボラスですが、足の裏刻印の1983年の段階で、すでに完成していたと言えるのかも知れません。