ウルトラマンアーク第4話 ざっくり感想 | 怪獣玩具に魅せられて

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第4話「ただいま怪獣追跡チュウ」

 

 

ここまでの4話分が、ウルトラマンアークの世界観の総まとめって感じなのでしょうか。

ここでの一気見配信はありがたいですね。

 

第1話~第3話については凄く楽しんで観れましたが、この第4話はどうでしょうか。

今回も、見どころについて紹介していきます。

 

・可愛いんだけどしっかり強い。電鼠怪獣ネズドロン登場。

 これまでの怪獣もそれぞれにユニークだったけど、個人的にはこのネズドロンに一番、「昭和第二期ウルトラシリーズ」感を強く持ちました。巨大化したネズミただ、頭がパキケファロサウルスのように頭部が硬質化している。リオドのようにゴテゴテせず、一部のディテールだけが際立つ造形は、「帰ってきたウルトラマン」の初期怪獣を思わせる。子どもでも簡単に絵に描けそうなデザインながら、ちゃんと強く、デザイン上の特筆である硬質化した頭部をフルに使ってアークを圧倒する。さらには電気を放電し、巨大化した体に取り込んだダイモード発電機が大爆発の危険性を持つなど、爆弾怪獣ゴーストロンを思わせる展開。昭和第二期の再放送を繰り返し観て、ちょっと前に帰ってきたウルトラマンをフルマラソンしたので、懐かしさがありました。話自体も、小さな商店街から始まってそれなりな大事に発展し、最後には商店街に戻るという流れが奇麗で、より日常感のある話になっていましたね。

 

 

・ソリスアーマー初登場!! その使い方に戦略アリ!

 今回のアークトリッキーテクニックは、ソリスアーマーの具現化。まあ、これは予告編の時点から想像できた展開。

 ユウマが子供の頃に考えた「たいようのちから」を現実に登場させるという、ここまでの「想像力」に比べるとストレート、悪く言えばひねりのないアイデアだけど、感心したのはこのソリスアーマーの戦闘での使い方。

 今までのウルトラマンのアーマーというと、初登場時は大体そのアーマーの特殊能力を駆使して止めまで刺すのがセオリーだったように思います。今回のソリスアーマーは、そういった切り札という形で出てくるんじゃなくて、あくまでも戦闘の一過程の中で登場してくる。これが面白い。

 というのも、どうやらアークのアーマーは、ある一つの能力なり特性なりを爆発的に高める一方、ハンデも多いようで、ソリスアーマーの場合は、光線技が使えない。飛行もできない。動きも遅くなる。ということで、ネズドロンの怪力と石頭に対抗できたとしても、ネズドロンを倒す決め手に欠ける。だからこそアークは、ある程度のところでアーマー解除して、最後はアークファイナラズで勝負を決めている。

 最後の最後までアーマーを引っ張らず、最後はオリジナルに戻って止めを刺す。ウルトラマンZも、最後の敵デストルドスを倒したのはオリジナルだったけど、あれは最後の最後に、オリジナルで敵を倒すことで、Zの成長やラストバトル感を演出するものとなっていた。アークの場合は、アーマーがそもそも決め手にならなくても良い、ということを初っ端に提示している。これが新鮮だったし、よくよく考えてみると、今後の展開にはプラスに働くのかなと思います。

 アーマーや強化形態ってのは、それが出たら勝負決まり! ってところはあるでしょう。少なくとも序盤の方は。アークの場合、ソリスアーマーになったからと言って、そこで決まり手が出るわけではない。このアーマー自体がやはり「想像力」の一つであり、このアーマーを使って、さらなる想像力を解き放つ展開が期待できます。つまり、アークが大切にしている「想像力」の可能性は、アーマーを「安易な決まり手」とするのではなく、これを更なる材料としていくらでも広げることができる。その土台作りとして、この「アーマー」の扱いは上手いと思いました。

 一方、アーマーが決まり手とならないということで「アーマーが弱い」という印象付けにならないよう、ソリスアーマーの魅力もちゃんと伝えないといけない。それを画で見せてくれたのが流石で、肉弾戦の重厚感が素晴らしかったですね。一つ一つの音が重く、ネズドロンの突進を胸部で跳ね返す。すごくカッコよかったです。これは、次なるルーナアーマーにも期待大です。

 

 

 

 と、今回の見どころはこの2点。ちょっと少なめです。

 事実、この第4話については、これまでに比べると、ストーリー的な部分でも登場怪獣でも、ちょっと乗り切れないところがありました。前の記事で、「大群獣ネズラ」みたいな展開を期待していたと書きましたがそれはなく、一匹の大きな鼠が登場。しかも最初からそこそこ大きい状態の単体で、そっちのデザインはあんまり好きじゃない。そもそも、今回の商店街を困らせている事件の正体が「鼠の怪獣」であることの必然性が薄いというか……。これまでの怪獣以上に生物感のある怪獣だったのだから、そこをもっと掘り下げて怪獣を描いてほしかったという気がします。

 市井の物語としても、描き込み不足なところはあって、商店街の人たちがけっこう記号的であるように感じた。最終的に現場がカワミ重工に移ってしまうので、商店街との関りが、アークの応援と事件解決後のお口直しでしか利いてこない。ここはさ、ネズドロンが商店街付近まで進行してきて、それをアークとリンさんが止める、みたいな展開の方が分かり易くて良かった気がします。爆発を止めるとかも良いんですけど、あそこはもっと商店街の人たちを直接的に守る! って展開の方が燃えましたね。

 

 ということで、今回もぎりぎり次話放送までに間に合いました。

 第5話は水中戦!! 出てくる怪獣もかなりユニークだったので、楽しみです。週に一回、こうして新しい怪獣に会えるのは本当に幸せですね。