何で今まで作る事を思いつかなったんだろう。
ウルトラマンマックスに登場した、牛鬼怪獣ゲロンガです。
素体はネロンガ。公式でもネロンガデザインの新怪獣として造られている。
このゲロンガ登場回である、ウルトラマンマックス第29話「怪獣は何故現れるのか」自体が、ウルトラQあるいはアンバランス的な原点回帰作品だったので、そこに登場するのがネロンガデザインの怪獣というのは、すごく合っている気がします。
今回は、ネロンガのソフビを素体として、鼻先の角の向きを変えたり、背びれを調整したりした後、手足のディテールと、左右の巨大な角、頭部の毛を新造。全てタミヤの高密度エポキシパテを使用しました。いつも使っている速乾のエポパテが売り切れていたので、こっちにしたんですが、頭部の毛なんかは、けっこう作りやすかった気がする。
カラーリングを全面的に変更して、トップコートで完成!!
仕事の合間だったので、5日間くらいはかかっているかも。
正面から。
カラーリングが違うだけでも、だいぶ印象が変わるんですねえ。
初めは、ミスターカラーの紫一色で塗っていたんですが、あまりに紫過ぎたので、アクリジョンで青紫を作り、上から塗りたくりました。それで雰囲気は出ましたが、少々べたつきが出てしまいましたね……。
横から。
概ね、イメージ通りになっていると思います。
頭部の巨大な角には、だいぶ苦労しました。
元の素体がやっぱ優れているんですね。
寒色で塗ったからでしょうか。心なしか、通常のネロンガよりもスリムに見えます。
後。
元のネロンガのソフビは、この段々の背鰭が尻尾あたりで変な方向に開くんです。
そこを切り取って、パテで造形し直しました。よく見れば繋目がありますが、まあ、あんまり気にしない。
頭部のアップ。
鼻先の角は、もう少し小さかった方が良かったかもね。
ただ、ネロンガのぬぼっとした顔が上手く生きているし、ネロンガの妖怪染みた和風顔も、「牛鬼怪獣」という呼称にぴったりだし、牛鬼って僕が一番好きな妖怪だし。ここがそれなりに上手くできたので、今回の塗るトラ怪獣は歴代で一番満足しているんです。
横から。
この角がね……造形大変でした。いろんな写真見たんですけど、ここだけは思うようにいかなかったかなあ。
最初に先端を作り、後から後から付け足していきました。繋目は溶きパテを使ったんですが、上手くいかずに殆ど上から溶きパテで厚塗りした感じでした。
めちゃめちゃ頑張った頭部の髪。
本当の毛を植毛してやろうかとも考えたんですが、頑張って造形してみようと。小さく伸ばしたパテを切って、爪楊枝でツンツンして植え付けていきました。まあまあ時間がかかりましたが、けっこう良いものができたと自負しています。
可動は元のネロンガに準じて四肢。
今回は、頭部メインの改造だったので、可動は犠牲になっていません。
頑張れば四つん這いポーズもできなくはない……かな。
爛々と輝く目に拘りました。
黄色と白を混ぜたので塗った後、クリアーイエローを塗り重ねています。
四肢の突起も造形。
腕何かは特に、レッドキングのようになっています。
これ、作るの難しいけど楽しかったです。
岩山に置いてみた。
古い民家のストラクチャーとかあれば、ぴったりだったかも。
ジオラマ写真は、いずれ更新するかもしれません。
街中のネロンガ。
レトロ怪獣の改造版筆頭みたいな怪獣なので、時代を感じるビルディングと親和性がありますね。
Ultra-Actのマックスと対決。
大きさ的には、マックスが少々大きめかな。
ゲロンガの巨大感を出すためには、アーツでマックスの登場を待った方が良いかも知れない。
ゲロンガの喉元に、マックスの拳が炸裂!
怒ったゲロンガの猛攻。
牛鬼ですからね。パワーファイター的な戦い方をしますよね。
元のネロンガと。
前肢(腕)のイボイボの切除など、じつはけっこう時間のかかった改造となりました。
このネロンガは大怪獣バトル期のものですが、改造に使ったのはさらに一つ前のアイテムで、かなり柔らかかった気がする。リサイクルショップでレスキューいたしました。
牛鬼、という日本古来の妖怪が元ネタという、個人的に大好物な怪獣なので、
和風つながりで、大魔神と組ませてみた。
これが合う。
アオリで一枚。
胡乱な目も、妖怪っぽい。このぐんずりした感じが、何とも言えず素敵です。
実は改造をオミットしている部分もあって、たとえば牙の向きはネロンガとゲロンガで生えている方向が逆だし、ゲロンガの巨大牙は一対しか外に露出していないんですよね。ただ、頭部をいじりすぎると、また時間がかかってややこしくなると思ったので、今回はそこは見て見ぬふりをしました。
頭部の巨大な角も、けっこうアレンジが入っています。それでも個人的にゲロンガっぽくなっていると思えたので、良いかなと。
ゴルバ―以来の大掛かりな改造となりました。
ゴルバ―ほど無理に手を加える必要がありませんでしたが、それでも結局、相応に時間がかかりましたね。
ただ、さっきも言ったように個人的には満足の一体となりました。
たぶん今後のウルトラシリーズでも登場するとしても、元ネタのネロンガの方だろうから、このゲロンガは恐らく、一度も立体アイテム化されることなく終わってしまうのでしょう。ウルトラの新シリーズのどこかで、怪獣と和文化が急接近すれば登場の可能性も芽吹くかもしれませんが、そんな兆しは当分なさそうなので。
ただ、「太平風土記」に記述があってもおかしくない怪獣だし、魔王獣の一員として是非ともオーブと対決していただきたかった=ウルトラ怪獣DXシリーズとして日の目を見たかもしれない怪獣でもあり、個人的には思い入れと肩入れがかなり深い怪獣であることには違いありません。そんなゲロンガ、実際とは少々異なる部分も少なからずあれど、とにかくこの「牛鬼怪獣ゲロンガ」を作り出すことができたのですから、長い時間をかけた甲斐もあったというもの。改造予定のソフビはまだいくつもありますが、現行では一番のお気に入りが完成したということで、棚の良いところに飾っておきたいと思います。