ウルトラマンティガ放送時に発売されていたソフビ。第30話「怪獣動物園」に登場した、キングモーラットの紹介です。
地下廃棄物を食べたモグラネズミの怪獣化した姿。
モーラットは、mole(モグラ)+rat(ネズミ)の組み合わせだそうです。
正面から。
中々に凛々しい顔立ち。
特に眉のあたりは、エッジの立った造形で好きです。
横。
ピンク色の、皮を剝がれたような部分が生々しい。
つい先日、ネズミ捕りにかかって死んでいた鼠がうちの前に転がっていたんです。恐らく、どっかの家に仕掛けられていた鼠捕りの獲物を、野良猫が持ってくる途中で落としたんだと思うのですが。鼠捕りのべとべとに絡まれて毛が抜けた鼠を思い出して、ちょっと苦手なディテール…(笑)。
本編に登場したキングモーラットは、もう少し汚れた感じが出ていたのですが、
ソフビのモーラットのピンクの発色加減が、けっこう強めですね。
毛の黒との対比が際立って、これはこれで中々なカラーリングだと思います。
後ろ側。
背中を追おう黒。尻尾の中央だけが背びれのように赤くなっているのも、けっこう不気味。
後から見ると、四肢の造形のぶよっと加減や生々しさがより引き立ちますね。
お腹部分。
若干土色に染まっている。
顔のアップ。
キモカッコいい。
ムチっとした肉感込みで、すごく生物感があります。
ネズミ顔というと、ウルトラマンネクサスのノスフェルがいます。
あれも体色はピンクに近かったですよね。
俊敏さを感じる面構え。
口の中は肉抜きされていませんが、鋭い牙の塗分けは巧みです。
可動は何と、耳だけ。
四肢は完全固定。これは逆に珍しい。
前脚くらいは動きそうなもんですが、ビキーっと筋骨盛り上がった造形だから、可動を入れにくかったのかも知れません。
ジオラマの中に入れると、体高が中々良い味を出します。
破壊された建物Bよりも低い体高。
しかもネズミの怪獣ということで、けっこう怖さを感じる大きさですね。
ビルを破壊するキングモーラット。
鋭い牙でコンクリートをばりばり嚙み砕く。
劇中では牛を襲っていましたが、人間も上からぱくりとやれそうなサイズですね。
ネズミの怪獣というと、ウルトラシリーズ以外では幻の大映モンスター映画『大群獣ネズラ』を思い出します。
ネズラの大元締めとして、このキングモーラットみたいな造形の怪獣、僕は大いにアリだと思いますね。
高架ナメのキングモーラット。
こういう、建物に隠れながら覗き見するようなアングル好きなんです。
満を持して登場!
我らがウルトラマンティガ! 久しぶりの真骨彫!!
体高差がありますので、ティガも膝立ちで応戦。
変異怪獣の侵攻を止めろ!!
電撃と怪力が武器らしいのですが、その一本牙には毒がありそうですね。
チョップで牽制。
しかし、俊敏に動き回るキングモーラットはすぐさま身を捻ってティガの隙を突き、
がぶっ!!
ティガの腕を咥え込んだ!!
激痛に呻くティガ。
本編では使わなかった、ゼペリオン光線――!
しかしキングモーラットはそれをも避けて、ティガに迫りくる。
本編中では、レナ隊員の呼びかけによって排除ではなく、セルチェンジビームで縮小、モーラットに変化させられて決着した。
怖い顔付きながら、退治されずに沈静化させられたのは珍しいかも。
大人しくする、というとやっぱりこのヒトの十八番よね。
「その怪獣を殺さないで!」の嚆矢は、ウルトラマン「恐怖の宇宙線」に登場したがヴァドンだと思いますが、タロウやコスモスにおいて、お馴染みの展開となりましたね。平成TDGの中でも何度か登場した展開で、ウルトラシリーズが描き得るドラマの一つの形として、末永く定着していると思います。
ウルトラマンエースの超獣ルナチクスからもデザイン的影響を受けているキングモーラット。
彩色は本編から少々乖離しているところもありますが、造形がとにかく生々しくて良いですね。TDG時代の怪獣のディテールの彫深さを強く印象付けます。
地下廃棄物を食べたモグラネズミという設定だから、ウルトラシリーズ最初のモグラ怪獣、モングラ―にも共通するものを感じます。サイズさえ調整したら、ウルトラQのような巨大ヒーローが登場しない作品シリーズでも使えるかも。ただまあやっぱり、『大群獣ネズラ』のような、群れる怪獣としても扱ってみてほしかったりします。ウルトラシリーズの中では、逆に珍しい、けっこうそのまんまネズミ怪獣。日常のバランスが崩れた世界を描くウルトラQのような世界観の中でも、存分に輝けるキャラクターだと思いますよ。