1955年『ゴジラの逆襲』に登場。大阪は心斎橋の、心斎橋PARCOの駅直結地下入り口には、このゴジラが飾られています。
『ゴジラの逆襲』の舞台は大阪。大阪に一番ご縁のあるゴジラかも知れませんね。『ゴジラXメガギラス G消滅作戦』も、序盤の舞台は大阪でしたが。この二作は、ゴジラと敵怪獣の扱いなどに、共通するものを感じます。
アンギラスの紹介から、少し間が空きました。人に頼んで買ってもらっていたので、受け取るのに時間がかかってしまって。
しかしこれ、かなり良いですよ。
『ゴジラの逆襲』に登場する、通称「逆ゴジ」は、初代ゴジラ以上に、不気味さが強調されたデザイン。何故かと言うと、まず『ゴジラ』のヒットを受けて、半年程度で急ごしらえされた「続編」だったから。だから着ぐるみとかも、じっくり時間をかけてデザインする余裕がなかったのか、雑味のある感じになっている。
それに加えて、今回は敵怪獣との対決が中盤の見せ場になっていて、「格闘戦」を意識した構造に変えないといけなかった。その必要性により、ゴジラのシルエットは初代に比べてかなり人間に近くなっていて、怪獣と言うよりは人型の妖怪みたいな、特にモノクロの世界で観ると、そこんところの怖さが引き立つ感じがしました。
今回のムビモン版逆ゴジは、そういった逆ゴジならではの良さが、凄く際立っていると思います。
正面から。
やっぱり印象的なのは頭部ですね。耳のある位置が、初代以上に横に広い。これがカットによって、かなり印象を変える。
前から見ると、本当に人っぽいんですよね。胸部はしゅっとしているくせに腰部がややボテッとしているなど、どこにでもいる人っぽい感じが逆にリアルです。
横から。
もうここで、全然印象が変わる。一気に怪獣らしく、というか、ゴジラらしくなります。
初代ゴジラが俯き加減だったのに対して、逆ゴジはしっかり前を向いています。
反対側。
どちからの側から見るかによっても、何となく違いが出てきますが、分かりやすいのは左右の腕の長さの違いですね。
たぶんこれは、着ぐるみの段階からそうだったんでしょう。それを忠実に再現しているというところに凄く好感が持てます。理想的な「逆ゴジ」の再現じゃないんですね。劇中に登場したゴジラの、「歪」な部分も含めてしっかり再現しています。
後姿。
真ん中の背鰭の上から二つ目がかなり歪んでついてくる。
そういうところも、急ごしらえ感がありますね。灰色でのベタ塗感が凄いです。
顔のアップ。
どの角度から見るかで、印象が変わります。
眉? 目の上部分の膨らみがボテッとして、眼にかかる感じが逆ゴジらしい。
これを少し上から見るだけで、目の下に宿る影のために一気に険のある顔になります。
俯瞰で観ると、目が完全に隠れてしまう。
この角度からだと、首筋が凄く良い感じになって初ゴジの佇まいに近くなるんですよね。
さて、アクションですが、ゴジラの基本である四肢の可動ですね。
あまりカッコいいアクションはつけられませんが、左右の手の長さが違うのが、一味違った印象を与えます。
物語終盤、氷漬けの神子島で航空防衛隊と闘った時のゴジラ。
宿敵との死闘。
アンギラスとの身長差もばっちり!
初代ゴジラとの比較。
けっこう違うんですね。もちろん初代ゴジラのデザインは不朽のマスターピース的なものですが、この逆ゴジも、ちゃんとゴジラなんですね。初ゴジの後に、この逆ゴジが来たからこそ、ゴジラのデザインはこの後、良い方向にも悪い方向にも、非常にバリエーション豊かに花開くことができたと思っています。
けっこう増えました。
平成ゴジラとか、バーニングタイプはまだ売っていますね。買えるうちに買っておこうかな。
粗いからこそ、いろんなニュアンスがうかがえる逆ゴジ。
年末を控えて、2023年に発売されたムービーモンスターシリーズの中で、個人的なベストを決定の上、紹介したいと思います。果たして、その中に今回の逆ゴジは入っているのか。う~ん、今から悩みますね。