こいつは……文句なしに、今年のムビモン最高傑作!
ゴジラ怪獣の中でも個人的に大好きなアンギラス。けど、中々ムビモン化に恵まれなくて……。現行シリーズではファイナルウォーズとシンギュラポイントに登場する、比較的新しめのアンギラスだけだったのが、何と、一番イメージが強い総進撃の68年版に先んじて、1955年の初代アンギラスがまさのサプライズ登場と言うことになりました。
しかも、新規造詣だよねこれ。最高過ぎる……。
今年が初代ゴジラ70周年メモリアルだったから、翌年の『ゴジラの逆襲』70周年を見越してのリリースだと思われますが、シンプルに嬉しいです。怪獣玩具関連ニュースの中で、今年一番アガったかもしれません。
ということで、嘗め回すように眺めていきたいと思います。
正面から。
ああ、この色合い。このトゲトゲ感。この佇まい。
『ゴジラの逆襲』がモノクロ映画でしたからね。このアンギラスもモノクロ仕様です。
前脚の曲がり具合など、再現度はめちゃめちゃ高い。
横から。
遠目からだと、ガレージキット? と見まがうほどのクオリティと肌理の細かさ。
本当にもう、55年版のアンギラスそのまんまで、感動すら覚えます。
中々ソフビ化されないもんだから、アンギラスって軽んじられてんのかな? とか思っていた自分を大いに反省。
この時期に、このクオリティのソフビって、伝えるべき感謝の言葉が見つからねえぜ。
後。
尻尾まで、アンギラス「らしい」ポーズの追及を目指している。
体表の細かさ。
実際にはもっと細かいらしいんですが、あんまり気になりません。
それどころか、四肢の向きによって微妙に波のある鱗の流れが、すごくリアルに感じられる。これくらいの大きさで、全然問題なかったんじゃないでしょうか。
背中。
アンギラスって、この棘背中があるから立体化が難しいと思っているんですよ。
今回のアンギラスの背中は、ザ・棘って感じ。横向きの一列の、無造作に突き出てる感とかも、それっぽいですね。
頭部の傾きが良い感じのバランス。
敵対するゴジラを見上げる姿で、55年版のアンギラスっぽいところですね。
尻尾。
棘だけじゃない。鱗も尻尾の先端までびっしり。
アンギラスの尻尾の処理は、この55年版が一番好きだ。
腹部。
隠れてしまう部分も抜かりなし。しっかり作りこんでいます。
四肢の、どこか蝦蟇を思わせる構えとか、瘦せ型のボディとかが、アンギラスらしいところ。特に体の華奢さは、急遽作られた『ゴジラの逆襲』だからこその、ちょっと粗が目立つ感じが分かって好印象です。
首筋の皺。
着ぐるみっぽさもしっかり出している。
前脚部分にも、微妙に皺があったりします。
顔のアップ。
ぐでんと垂れた眉部分、ここの「重さ」感にも注目。
モチーフとして思い浮かぶのは東洋の龍ですが、般若のような顔つきでもありますね。
特徴的なのは「目」ですかね。
ヤベえ薬でもキメてるかのような、胡乱な眼差し。これが初代アンギラス最大の特徴。
68年に再登場して以降は最早感じられなくなってしまった、「怖さ」を体現していた要素の一つです。
55年版のオリジナル・アンギラスは、狂暴にして凶悪な風貌なんですよね。このバージョンのアンギラスの説明として、非常に良く使われている一節が、「自分以外の生き物に対して激しい憎悪を抱く」でしたから。
しかし、本当に出来がいいな。
可愛さやキャラ感があまり感じられない、「怖さ」一辺倒の怪獣。しかも68年版というアイコニックなバージョンを持っていたので、どう頑張ってもゴジラストア限定枠だと思っていたのですが、まさかこれを一般店頭に回してくるとは……ムビモン担当者の、良い意味で正気を失った決断に拍手です。
頭部のアップだけでなく、この印象的な頭部が、ざらりとした質感のボディに繋がることで――
初代アンギラスの不思議な迫力へと結実する。
さて、ムビモンと言うと、特に一般店舗販売のアイテムはボリュームが縮小される傾向にありますが、
これ、90年代発売の「総進撃アンギラス」との大きさ比較。
体高・体長ともに、今回の方が大きいんですね。
現行ムビモンの初期に登場した、FWアンギラス。
体長は同じくらい。体高は、ちと今回の方が大きい。
という具合に、現行ムビモンの中でも相当にボリュームがある!
発売前の参考写真とかでは、中々大きさや重量感までは測りがたいものがあって、メガギラスとかバトラ(成虫)のように、店舗に並んだものを見てみたら意外と小さい……なんてこともよくある話。このアンギラスも、一回り小さくなっているなんてことになってやしないかと不安だったんですが、完全に杞憂でした。
塗り部分が少ないからといって、ここまでボリュームにステマ降って良いの!? と逆に心配になってくるくらいの存在感。これは嬉しい。大好きな怪獣が、ここまでボリュームアップしてソフビ化される日が来るとはね。
『大怪獣総攻撃』初期メンバー。
ゴジラに敵対する三怪獣として、この三体が検討されていたらしい。結局、バラゴンのみの起用となったけど、もしこの三体のままで企画が進んでいたら、アンギラスはどこポジだったんでしょう。キングギドラかな? この三体の中ではまだ一番、知名度がある怪獣だと思うのですが。つくづく、この三体で通してほしかったなあと思います。
さて可動ですが、まあ、ここまで作りが良いとね。可動が犠牲にはなるよね。
前脚・後脚ともに極端な角度がついておりまして、ポージングは殆ど固定されます。
できて、写真のように前を持ち上げるくらいかなあ。
あるいは後脚の見えにくさを利用して、若干身体を浮かせるかぐらいです。
首とかも固定。ここは仕方がないところですが、見上げ状態が基本というのも、ポーズを付けにくい一因ではありますね。
単体ではできることに限界があると思うので、早く逆襲ゴジを買って、組み合わせの中で「おっ」と思えるものを考えたいです。
ジオコレの中で。
首を擡げる感じなので、やや俯瞰の建物越しであったり、
陸橋ごしに空を仰ぎ見る一枚など、
これまでとは少し違った画角が楽しめるアイテムでもあります。
四足怪獣は体高が低い分、こうした角度的な面白さに恵まれますね。
アーツで逆ゴジがないので、初ゴジさんに来てもらいました。
アンギラスのボリュームに比べて、初ゴジさんがちんまりしている印象ですが、実はアンギラスって全長100M、身長60Mっていう。初代ゴジラの全長は不明ですが、二代目ゴジと同じだと仮定すると105M。全長はゴジラの方が5M長いんですが、身長はアンギラスの方が10Mも買ってるんです。なので、アンギラスが少々大きいぐらいが、ちょうど良いと思っています。
2023年も年末を控えて、今年最大のビッグサプライズ。
ゴジラストアの「東宝怪獣新作ソフビフィギュア」選挙のラインナップにすらなかった、初代アンギラス。新規造詣のソフビ化なんて夢物語だと思っていましたが、いやぁ、ここまでハイクオリティのアイテムを出してくるとは……ムビモン製作担当の中に、アンギラス信者がいるとしか思えない。と言うくらいの熱量を感じました。
現行ムビモンの例に違わず、安くて2000円台後半。一般店舗では3000円台ではあるんですが、これは本当に持ってて損のないアイテムです。作りと雰囲気については、この一年に出たムービーモンスターシリーズのラインナップの中で、ぶっちぎりの一位ですね。
写真の色彩を変えて、55年『ゴジラの逆襲』風に。
来年の70周年メモリアルに先駆けて、アンギラス熱、大いに高ぶってまいりました!!

























