これまた児童誌の「バキシム強化改造計画」での最優秀作品。
ネーミング、デザイン共に嫉妬したくなるほど完成されたセンス。
僕が一番好きな怪獣(超獣)である一角超獣バキシムの強化形態で、火力特化なイメージのある「バキシマム」です。
ヤバいくらいカッコいいですねえ。
実はそこまでオリジナルから乖離しているわけではない。ゴテゴテした装飾もなければ、けばけばしいカラーリングでもない。
それでもバキシムが強化された姿だということが一目瞭然なデザインです。両腕のバーナーユニットが最高に決まっていますね。
正面から、
体色の鮮やかな青と、部分部分の燃え上がるような鮮やかな赤とが極上の対比。
オリジナル個体にもあった背中の突起が肥大して、大きな盾を背負っているようにも見える。
加えて正面から見ると、オリジナル以上に三角形の輪郭であることが分かります。下部が非常にがっしりしているんですね。
横から見ると、雰囲気ががらりと変わる。
美しいですねえ。オリジナルでオレンジ部分だったところが一様に肥大化して、炎のようなデザインがつけくわわっています。
小さめの頭部に巨大な角、さらに背中からも巨大な突起など、先細りしていくようでいて部分部分のボリュームがあるので、全体的にメリハリのある、引き締まったバランスに見えますね。
メリハリと言えば、細めの腕の先に巨大なバーナーユニットなど、この辺の大小の際立たせ方も見事。ちょっとマンガ的ではありますが、これがカッコよさに繋がっていくんでしょうね。
彩色も素晴らしいですよ。本当に美しい。
やっぱり特筆すべきは赤ですね。
一角「紅蓮」超獣ということで、やはり炎を思わせる赤やオレンジの使い方が絶妙です。
後。腰部を覆いつくす巨大な棘の群れ。オリジナルでは六角形の突起だった部分が鋭利な棘になっています。
バーナーユニットを除けば、オリジナルのバキシムを構成する要素だけでできているんですよね。そのデザインを変えることで、ここまで雰囲気の違う、魅力的な超獣になるのだからすごい。
よく見ると、オリジナルの名残のような造形もそここに見られます。
ちなみにこの体色の青は、歴代のバキシムの体色の中でも一番美しい青だと思っていますよ。
胴体の左右についている菱形の模様もしっかり造形されている。
一つ一つの塗分けが丁寧で、ムラがありません。
頭部のアップ。
バキシムのイメージから乖離することのないブラッシュアップ感が見事!
下顎には髭のような突起もあるなど、細かいところまで気が利いている。
オリジナルと比較してみましょうか。
似て非なる、という表現がぴったりかな。
このバキシマムのソフビ、一つだけ何を言うと小さいってことですかね。ただ、この大きさだからこそ、部分部分でのバランスが絶妙にマッチしているとも言えます。
ウルトラマンと絡ませようと思ったのですが、体高的にはアーツがしっくりくるかな。
ACTだと、ちょっと大きく感じます。
さて、可動ですが、中々優秀です。
四肢の他に首回りも少し動きます。これだけでだいぶ印象変わるんですよね。
バーナーユニットが重いからか、中古だからか、僕の個体は肩部の可動が緩めでしたね。
クローを活かしたポージング。
カッコいい。やっぱり漫画チックなスタイルだから、こういう派手なアクションも映えますね。
巨大な角を活かしての突進。
この時、バーナーユニットから炎を噴射することで、凄まじい推力を得ます。
首のひねりが良い感じにポージングに影響します。
目線を合わすことができるんですよね。
これが凄く楽しい。
ジオラマの街に入れてみた。
体高が低いので、腕が隠れちゃいますね。
少しアオリめで撮ると、迫力が出ます。
赤の主張が強いので、シックな色の街中に置くと、通常よりも大きく見える気がします。
腕を振り上げると一気に動的な感じが出る。
手前の建物の色に混じることのない、際立った赤色だからこそ存在感がすごくあります。
ウルトラアーツのエースと対決。
こいつは――バキシマム。その強さは計り知れない!
大きさは、やはりバキシマムが頭一つ小さい感じはありますね。
アーツのエースをしっかり股割りさせると、ちょうど良いくらいのバランス。
エースの攻撃を受け止めるバキシマム。
巨大な手が非常に良い働きをしてくれます。
ヴァーチカルギロチンさえも受け止めてしまう!
キュイイイイイイーーン!!
バーナーユニットは本来武装だが、バキシマムを守る装甲にもなり得る。
メタリウム光線!
頭部に命中。
バキシマムの装甲を打ち破ることができるか――!
このような外付けの武装がある怪獣も中々珍しいですよね。
似たようなシルエットで言うと、三式機龍かな。
機龍も両腕のユニットが中々主張してますしね。
ということで、ぶつかり合わせてみた。
機龍の懐に潜り込んで、一発を叩きこみたいバキシマム。
角の猛攻を防ぎ、距離を取って攻撃したい機龍。
勝利はどちらの手に――!?
さて、バキシマムはソフビなのでエフェクトなどはありませんが、いろいろ流用しても様になります。
紅蓮火炎弾。オフィシャルの必殺技です。両腕から発射する火球なので、本当にこんな感じでしょう。
一角紅蓮ミサイル
アーツのレオキックのエフェクトなのですが、こいつがバキシマム専用? ってくらいにぴったりハマりました。
飾ってよし遊んで良し。本当に見飽きることがないですね。
ファイヤーゼットン同様、映像化には恵まれていません。一回だけ付録DVDに登場したそうです。
これはぜひともテレビに登場して欲しいですね。現行シリーズで難しければ、ギャラクシーファイトという手もあります。そこなら比較的自由がきくと思いますよ。
もうどの角度から見てもカッコいい。中古品ですが、手に入って本当に良かったです。
この怪獣兵器感は、本来「ヤプール人が作り出した生体兵器」としての超獣というコンセプトにも忠実なものであり、もっと言えばウルトラマンエースの超獣たちよりも超獣らしい設定やデザインになっていると思います。色分けも凄く丁寧で、特に頭部のオレンジと赤の塗分けがしっかり効いているから、バキシムの強化形態であるという設定もばっちり活きるようになっていますね。
ここまで丁寧かつ緻密な仕事ができた過去もあったんだなあと思うと、文句を言う心算はありませんが、やはり現行は寂しい気がしますね。このような「強化改造計画」を公募して、その最優秀作品をソフビ化できたんですからね。当時の盛り上がりを偲ばせるようなエピソードです。恐らく現行のDXシリーズでは、ここまでの細かい彩色や塗分けはしてくれないでしょうが、それでも一般公募の怪獣ソフビ化計画とかで、ウルトラシリーズを盛り上げていってほしい気がします。ムービーモンスターシリーズが現行、非常に頑張っているソフビシリーズだと思うので、それに追随して、たくさんの怪獣ソフビを世に送り出してほしいですね。