東宝怪獣の中ではゴジラ以上に好きかもしれない、暴竜アンギラス。
『怪獣総進撃』で13年ぶり? くらいに銀幕に復活したわけですが、この二代目アンギラス、初代とは似ても似つかない姿となり、より人気を博しました。
これが、本当にカッコいい。子どもの頃、しかもうんと小さい頃からのファンなんです。
アンギラスに関しては昔っの昔からソフビを持っていたし、しかもそれがすっごくお気に入りで、夜寝る時にも手放さなかったくらい。朝起きたら、顔にトゲトゲのあとがずらりと付いていたんですけどね。
このMEZCOの『総進撃』フィギュアセットも、アンギラスが入ってなかったら購入を見送っていたでしょう。このセットにはROUND1とROUND2とがあって、ROUND1を先に買った理由は数字の順番に買いたかったからとか、こっちの方が安かったからとかじゃなく、アンギラスが入っている方がまず欲しかったからです。
正面から。
がっと開けた口。その中に並ぶ牙。ゴジラよりも遥かにエッジの利いた造形です。
細首の後ろに控えている幅の広い胴体。実は昭和ガメラよりも亀っぽいプロポーションが素敵です。
斜めから。
この二代目アンギラスは、『ウルトラQ』の影響を受けて怖さをなくし、より親しみやすい怪獣としてデザインされ直されているらしい。そして『怪獣総進撃』に登場するどの怪獣よりも洗練された姿をしている。10体も怪獣が登場すりゃぁ、そりゃほとんどは着ぐるみの使いまわしになるわけで、その中で新造形のアンギラスは本当に光ってましたね。
仕方ないんですけどね。当時は完全にベビーフェイスになったゴジラ、ブサ顔のラドンやバラゴン、棘がないマンダ、飛び人形のバランが対抗馬だったわけで。着ぐるみの完成度で競える相手が、ゴロザウルスくらいでした。
ところでこのMEZCOのフィギュアですが、完成度が非常に高い。
アンギラスの頭部は、初代も二代目も東洋的意匠となっており、暴竜という呼び名の通り、龍のイメージが強い。
龍の頭部に亀の甲羅を思わせる背中はやはり玄武的な感じがする。それでいて、これはあくまで初代の設定ですが、アンキロサウルスが怪獣化したもの。東宝怪獣はゴジラ(呉爾羅)、バラン(婆羅陀魏山神)など、古生物と伝説の存在とが融合した設定のものが多い。これは僕の大好物でもあります。
アンギラスの設定にそうしたものはありませんが、デザインの傾向としては、やはり同じ路線にあると考えるべきでしょう。
背中。
棘の再現がとにかく凄まじい。4体あるうちで、一番手間暇かけているのがこのアンギラスでしょうな。
背中の真ん中に分割線があるなど、細かいところまで忠実に再現。
棘の映えている方向は外側に向けてですね。上半分だけ切ったウニみたいです。
棘はしっぽまで生えている。
規則的に並んでいるようで不規則。
一本一本の棘がやや長めで存在感があるので、この尻尾もインパクトありますよね。
波打つようにうねっているのも、四足歩行のアンギラスらしいところです。
表皮のディテールは、こんな感じ。
こういうところも龍っぽいんですよね。魚鱗が並んでいるようなディテールが全面に施されている。
その上で着ぐるみの膨らみや弛みなども表現しているのが素晴らしいです。
四肢はこんな感じ。
特徴的なのは後脚かなあ。
BANDAIのアンギラスのソフビや特リボは足の甲をぺったり地面につけるタイプですが、これはもう一段階角度を付けている。この方が躍動感あって好きですね。
これをアップにすると――
斜めにしたNのラインですね。
腹面はこんな感じ。
胴体のディテールが凄まじい。
こうして見るとアンギラスは、頭部と尻尾、四肢、胴体という感じで、ディテールのバランスが奇麗に対を成すんですね。
頭部のアップ。
この顔は本当に好きですね。
白と黒だけの目も良い。映画ではこの目の中に光が宿って、どこか愛嬌さえ感じさせるものとなる。
横から。角部分と牙の塗分けが見事。
下顎が湾曲しているのもアンギラスの顔の大きな特徴ですね。
口吻の前の方にある一対の長い牙が、しっかりと作られているのも偉いところです。
やや仰観にすると、顔の特徴が際立つ。
こうして見ると瞳が大きめですね。
だから愛嬌や親しみやすさを感じるのかな。
特リボと比較。
これはどっちも捨てがたい!!
特リボのアンギラスも勿論ハイクオリティで超カッコいい、大切な宝物。しかしこのMEZCO版の「収まり具合」も最高に良いのです。
いや~、本当に良いな。
色使いも渋い。全体をアースカラーでまとめ、角や棘を非常に丁寧に塗分けている。
口の中のピンクも中々に生々しいです。
さて、アンギラスのオプションパーツは交換頭部のみ。
口閉じバージョンがある。
そして、どっちの顔にするか凄まじく迷う……。
だって、どっちも素敵ですよ。
ROUND1に入っている交換頭部は3つありますが、単体で映えるのはアンギラスだけですね。
残り2つの中々なずんぐりむっくり感に比して、このアンギラスのみが非常にスタイリッシュ。
これを胴体に付けると、
口を閉じたアンギラス。
お馴染みの顔つきが、凛々しくて良いですね。
こうやって横にして色変えたら、
狛犬みたいですよね。
事実、二代目アンギラスはゴジラの相棒という立場設定もあって、どこか狗みたいな佇まいです。
ゴジラとの比較。
いいねえ、この体高差!!
このキャラクター然とした2体なら、あのシーンも再現可能。
ゴジ「おい、アンギラス!」
アン「なんだい?」
ゴジ「偵察にゆけ」
アン「OK」
ゴジ「急げよ!」
怪獣たちが吹き出しで会話するシーンには心底ビックリしました。
街中に出没したアンギラス。
ビルの中にほぼ埋もれてしまうので、前にはコンビニのような背の低い建物が適しています。
仰観で一枚。
建物の窓に目線が来るとか、実際にこのバランスで映像化したら、3階くらいの窓から覗き込む画が撮れそう。
人との距離が近いのが、四つ足怪獣の長所ですね。
さて、このアンギラス、残念ながら光線技等はありません。
が、玩具の世界ではけっこう自由ですよね。
こんな感じでどうでしょう?
アンギラスは非常に独特な鳴き声をしているので、特殊な声帯を持っているという設定にし、声帯を操作することで振動を起こし、それが光線になる――みたいなね。
今はこんな感じで飾っております。
やっぱりこの2体は鉄板ですね。
良いコンビです。
俯瞰から一枚。
どの角度から撮っても隙がありません。
嬉しいです。本当に、このために買ったようなものだから。
四つ足怪獣は非常に癖のある脚の構造をしているので、可動は殆ど無に等しいです。が、あまり気にならないのは、やはりこの超絶クオリティのなせる技でしょう。アンギラスは商品化に恵まれているようで、現行で手に入るのはムビモンのFWアンギラスのみ。アンギラスはどれも好きなのですが、思い入れと言う意味ではやはり、この二代目に勝るものはない。その二代目の精巧なフィギュアが手に入るって、もうそれだけで歓喜モノなわけですよ。
ROUND1のラインナップ4体の中でもMEZCOが一番手を掛けたであろう造形。『怪獣総進撃』の真の主役は実はアンギラスだったのでは? と思いたくなるほど大切に扱われている怪獣です。我が家でも家宝レベルで大切にしたいアイテムの一つとなりました。
さて次は? 糸を吐くあいつか、空を飛ぶあいつか。個人的には、顔こそ不細工になったけれど、ぶよっとした体つきが、それはそれで魅力ある「空飛ぶあいつ」でいきたい思います。