松竹産の怪獣映画としては唯一無二。『宇宙大怪獣ギララ』。一応続編で『洞爺湖サミット危機一髪』がありますが、これはトルネード・フィルム配給だし、同じ松竹が手がけた『大怪獣のあとしまつ』は、怪獣映画ではないのでね。
面白いディテールの怪獣です。
東宝のゴジラ、大映のガメラのような王道的カッコよさとは違う良さがありますね。イワクラ・オーナメントの再現クオリティもあって、すごく魅力的な怪獣に見えます。
正面から。
いかにも怪獣! って感じの胴体に、えらくつるりとした頭部。機械を思わせるアンテナ状の触覚。部分部分でデザインの方向性が大きく違う。これはゴジラやガメラなど、統一されたディテールを持つ怪獣とは大きく異なる、ギララならではの特色ですね。
横から。
ワニか昔デザインの恐竜を思わせる、ボコボコした表皮の彫りが凄まじい。背中には湾曲した棘があり、これが中々カッコよろしなのです。
手足のくびれなど、スリムなようで案外ずんぐりしている。このぼてっと感も、ギララ独特の味わいに繋がっているのではなかろうか。
なんか、見れば見るほどカッコよく感じてきたぞ。
背中。
ジッパーを開いたみたいな波状のヒレ。その真ん中に湾曲した角と謎の白い点。
細かいところのディテールまで、オリジナリティを出して頑張っているじゃないか。
顔のアップ。
可愛いです。
腕が相当デカい&ぼてっとしているのも、可愛く感じるポイントの一つなのかも。
口の中まで塗られている。アンテナ状の触覚の造形や塗りも丁寧。
鬼灯のように真っ赤かつ無機質な瞳が、地球上の理から隔絶された存在であることを如実に物語っているような気がします。
胴体部分には、波状のひだがありますね。
これが中々面白い造形。
ただのゴツゴツした表皮だけで終わらせない工夫が見られます。
襞は肩部分にも。
後頭部にうっすら斑点があるなど、細部までディテールの肌理が物を言うギララ。
良いですね。いろんな角度から眺めるうちに、すっかり好きになってしまった。
ギララ単体でも見栄えしますが、他の特撮と掛け合わせてみたらどうでしょう?
光の巨人と。
体高はだいたい同じくらいかな。
ギララの進行を食い止めろ!!
事実、ギララは超強いんですよね。こんな可愛い顔してるくせに。
特に厄介なのはエネルギーを吸収する能力に長けていること。気をつけろ、ウルトラマン!!
パノラマファイトの土台に乗せてみた。
これはこれで良い感じです。
デザインは良いのに、さほど話題にもならないギララ。
まぁ、初代作はともかくとして、続編がね……。面白くなかった。せっかく松竹発の怪獣なんだから、これを頑張ってシリーズ化して、いろんな松竹怪獣を出してくれれば良いとか思っていたのですが、『大怪獣のあとしまつ』レベルの映画を生み出されるとね……。夢のままにしておいた方が良いかもしれません。