ダガ―ラは、平成モスラシリーズの中でもとかく恵まれていない怪獣。1作目に登場したデスギドラは大型ソフビ化しているし、三作目はキングギドラで、白亜紀型はムビモン企画、グランドギドラは大型ソフビ化されている。それなのに、このダガ―ラはこの大きさのソフビが一個だけ……。
まあ、映画自体もぱっとしなかったからかなあ。爽やかな海を舞台に繰り広げられる、少年少女の冒険というコンセプトは、けっこう好きだったんだけどね。
横から。
ダガ―ラ自体は面白い構造、デザインだと思います。
主役のモスラがそもそも格闘できる構造ではないので、それを逆手にとって、ゴジラ相手だと体高差がですぎて叶わないスタイルの怪獣を実現させている。ダガ―ラは、アンギラスやバランのような四足歩行、膝付怪獣ですが、彼らとは違って、端から二足歩行を念頭に入れていない。これは、モスラ相手だからこそできることでしょうね。
ソフビはけっこうマイルドな出来になっていますが、平成モスラ時代は、怪獣の顔が「濃いい」時代でもありましたから、本編に登場するダガ―ラは、まさに海魔獣と呼ぶにふさわしい、悪辣かつ濃いい顔をしております。
彩色は緑で、これが舞台である海上のピラミッドによく映えていました。
ただ、このソフビは本当に古いものなので、けっこう剥げが激しいですね。いっそのこと、塗り直してやろうか。
前から見た図。
こうして見ると、肩幅の広い怪獣だなあ。
やたらと筋肉質なのは、この時代の怪獣の流行ですかね。
背中。
海魔獣である一方、飛行用の翼を持っているところがニクい。これで海上をモスラと追いかけっこしたり、海中を猛スピードで突き進んだり。翼自体の造形も、魚のヒレのようだったり、後脚もヒレになっていたりと、泳ぎに特化した構造となっています。
裏面。ピンク。
刻印は1997。ウルトラシリーズで言うと、ティガ~ダイナの時期ですね。
平成版ウルトラマンが軌道に乗って、少年誌にも怪獣が多数登場していた時期です。
顔のアップ。
目つきが柔和なので、年寄みたいな印象がありますね。
やっぱり、塗り直してやろうかな。
ソフビが小さいからか、牙や目なんかの塗分けはけっこう雑。雰囲気は出てますけどね。
横から見た図。
ダガ―ラ自体の顔のシルエットは、個人的に好みです。あまり奇をてらわず、トサカ部分で水生感を出している。
赤く塗れば、老獪なチタノザウルスにも見えてきそうですね。
上から見ると、目の周りの彫りが中々深いことが分かる。
表面処理も、時代の限界? を感じます。まあ、大きさもあるかな。
なんたって、
小さいんですよね。アンフィビアと比べても、体長がかなり短い。
脚のボリュームとかも、全然違います。
このダガ―ラは単品ではなく、水中モードモスラのソフビ、ガルガルⅡの指人形、ゴーゴの指人形とセットで売られていた。そのバランス的に、大きくすることができなかったんでしょう。
面白い怪獣なので、ムビモンでリニューアルされてほしいけど……投票とかしても、かなり下位なんだろうな。知名度ないからな。
ってか、今回の投票でバランが1位取れたってのが本当に奇跡だと思っているので。絶対スーパーメカゴジラに負けると思っていた。それでも、もちろん僕はバランに一票を投じましたが。11月に絶対に買いに行くぞ(余談)
閑話休題――
街に進行してきたら、こんな画になるのかな。
これくらい体高が低い怪獣との組み合わせも楽しいですね。
目線も低いので、面白いアングルの画が撮れそうです。
せっかくなので、ウルトラマンとも絡めてみた。
なんとなく、デザインから新マンを選択。
アーツとも高低差がけっこうあるので、実際の戦いでは上に乗っかって、ボコボコ殴ると見た。
新マンが似合うなあと思ったんだけど、そうか。レオゴンに近いものがあるんだ。
「許されざるいのち」は名作ですね。
東宝怪獣の中では忘れられがちな、海魔獣ダガ―ラ。
まあまあ強かったんだけどなあ。
僕は平成モスラも映画館に見に行っていた世代なので、このダガ―ラにも結構思い入れがある。映画自体も、子どもの頃だったから、何が良いとか悪いとかあんまり分かっていなかったし。
ダガ―ラのフィギュアは他に、食玩やミニフィギュア、指人形なんかがあったと思いますが、ソフビとしての立体化は、こいつが唯一無二。経年劣化が、味わいになってもいますが……くたびれているのがかわいそうなので、近々塗り直そうかなあと思ったりなんかしています。