ムービーモンスターシリーズ ゴロザウルス | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

去年のちょうど今頃、ゴジラストアで実施されていた「あなたが選ぶ! 東方怪獣新作ソフビフィギュア」で見事一位に選ばれたゴロザウルス。発売から3ヶ月ほど経ってしまいましたが、ようやくゲットできました。近場のゴジラストアが心斎橋で、中々行く機会がなくてね……。
定価で2520円。中々強気……ってか、ムビモンシリーズもブランド化してるきらいはありますね。Amazonとか量販店だったら値引きされることもあるんでしょうが、限定品はまず、そんな機会はないですよね。

アメトイや、ウルトラACT、一昔前の企画のウルトラ怪獣シリーズで育った身としては、3000円を超えると割高感を感じてしまう(アーツ除く)。この大きさのソフビで2500円は、かなり高めの価格設定な感はありますね。ネットで買う場合、送料込みだったら確実に3000円超えますからね。

ただね……クオリティに関しては、2500円でも許せちゃうかなと。とにかく劇中そっくりです。ムビモンは幸いにも、一般販売のモデルが安くなりやすいので、トータルで考えたらプラマイゼロかも知れません。


『キングコングの逆襲』で初登場。『怪獣総進撃』でゴジラとの共演も果たしました。ラストのキングギドラ戦では、背中にカンガルーキックをお見舞いするなど、そこそこ優遇されていた感はありますね。きっと、着ぐるみがまだ新しくて、アクションができたからなんでしょうね。


横から見た図。

前傾姿勢の恐竜スタイル。他のキャラクターが「怪獣」に位置付けられる中で、殆ど唯一、「恐竜」のポジションを守り続けてきたキャラクターです。

そのため、怪獣的な角や装飾などがない、極めてオーソドックスな恐竜スタイルとなっております。


『キングコングの逆襲』が1967年。この時期の恐竜再現の中では、結構リアルな前傾表現ですよね。1969年の『恐竜グワンジ』に登場する恐竜グワンジが、このゴロザウルスと非常に近いデザインです。ゴロは着ぐるみで、グワンジはストップモーション・アニメーションですけどね。


体色も気をてらっておらず、とても綺麗です。本当に、当時の恐竜図鑑の表紙に載ってそうなビジュアルで、逆に新鮮だったのかも知れません。


前から。

学名はアロサウルス。ジュラ紀を代表する恐竜です。ティラノサウルスとは違って、立体視に向いていない目の構造など、そのまんまですね。



背中。

装飾が少ない分、鱗の造形がとても細かい。真ん中に走る背鰭がわりの突起が良いアクセント。


頭部のアップ。

細かい仕事です。
口の中は肉抜きされていませんが、歯との塗り分けが絶妙ですね。
下向きに膨らんだ頬部分や目の下の二重の襞など、扁平にならない細部の作り込みも丁寧です。


少しアオリ気味に見てみた。

口中も丁寧に作られています。
 

頭部と胴体部のボリュームバランスなどは、もとの着ぐるみが素晴らしいので、ソフビにおいても良さが際立ってますね。『キングコングの逆襲』に参加していた川北紘一氏曰く、「着ぐるみ造形の最高峰」だったとのこと。確かに、今の怪獣造形ともまた一味違った、生物らしさと着ぐるみらしさが見事な調和を果たしている傑作だと思います。

選挙結果を見た時は、「ゴロザウルスなんてそんなマイナーな……」とか思いましたが、造形面の素晴らしさが高く評価されたんでしょうね。



可動は怪獣の規格に準じております。つまり、四肢可動。
ゴロザウルスは前傾姿勢なので、後脚の角度を変えるだけでも雰囲気が変わります。


ぐっと傾けると、この辺まで前傾になる。

尻尾を持ち上げても自立を保持できます。頭部の尻尾のボリューム、後脚の絶妙な向きが成せる技でしょうね。

後年の研究による、「恐竜姿勢」のモデルと並べて。
足などに着ぐるみ表現の限界はあれども、非常に近いものを感じます。


カッコいいなぁ。

尻尾を地べたにつけた往年のスタイルでも、違和感ありません。




実際、ゴジラストアで並んでいるのを見ると、買うのを躊躇すると思うんです。値段に対してボリュームが今一つのような気がするから。

でも実際に手に取って眺めてみると、どんどん良さが分かってくる。彫りの深い顔つきが、特別魅力的です。


怪獣王と並べて。

全長、体高ともにゴジラの方が大きいかな。
『怪獣総進撃』では、怪獣ランドというところにゴジラもゴロザウルスも、モスラもアンギラスも住んでいたんですよね。怪獣がわんさかいる中で、ゴロ1人だけが恐竜……さぞかし虐められるんじゃと思いきや、空想科学研究所の柳田理科雄先生によると、ゴロザウルスが一番強いらしいです。パリの凱旋門を破壊するために、地中を進んできた、その際のエネルギーを計算した結果から、そう結論せざるを得ないと。


アニメ「ゴジラs.p.」より、テレストリスと並べてみた。

体色や姿勢など、完璧にゴロザウルス準拠。ただし、テレストリスはアニメだからこそできる表現に振り切り、後脚などの造形は、より生物感のあるものとなっている。


進撃する太古の覇者。

こうやって、円谷怪獣のマイナーどころがどんどんソフビ化していくってのは嬉しいですね。このソフビ化希望選挙は今年度も既に行われていて、一位となったのは、スーパーメカゴジラでした。個人的には、大怪獣バラン推しだったんですけどね。今回のゴロザウルスソフビ化で、このキャンペーンについてはバッチリ信頼を勝ち取った感があるので、今後もこのクオリティ・レベルで、どんどん新怪獣をリリースしていってほしいです。





あと! できたらもう少し安くしてもらえたら、より嬉しいのですが……よろしくお願いしまっす!!