ムービーモンスターシリーズ ガメラ1999 | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

新年一発目はムビモンから。最近、脂が乗りに乗っておりまして、次々と傑作をリリースしております。
そんな中でも、みんなが待ち望んでいた『ガメラ3 邪神覚醒』のガメラ。ついに登場! しかも新造形という嬉しいサプライズ!!

これが1900円で買える。

ウルトラ怪獣シリーズには不満をぶつけているワタクシでも、こいつを前にすると、土下座してBANDAIに感謝するしかありませんね。

 

横から見てみましょう。

ガメラ史上最も攻撃的で、最も怪獣的なフォルムを見事に再現。

リボルテックなんかを触っていると分かるんですが、ガメラってけっこ難しいバランスで、特に前後にある程度のボリュームがないとすっごく平坦に見えてしまいます。このソフビに関して言えば、そういった扁平さはまるで感じないですね。このサイズのソフビにあるまじき重量感です。

 

身体の角度、部位の大きさなど、全体に対する個々のバランスも素晴らしい。

平成ガメラ3部作では、次作になるたび頭部が小さくなっていきましたよね。この1999ガメラは、頭部の鶏冠が特に肥大化しています。

前から見た図。

腕が完全な左右対称ではありませんが、あんまり気になりません。

瞳にも違和感はないですね。ただ、瞳を入れる位置を調整して、前から見たら緑一色になるようにしてくれても良かったかなと思います。ポスターの白目ガメラが、かなり印象的なんでね。

 

背中。

もはや装甲のような甲羅。瓦が何枚も何枚も重なっているかの如きデザインを、ばっちり再現しています。

 

顔のアップ。

イケメンっすなぁ。

目の塗分けが完璧ですね。瞳の黒点も、申し分ない個体を引きました。

目の下の襞が口元まで流れていく過程とか、鶏冠のラインとか、顎周りの襞の造形とか、とにかく一つ一つが本当に細かい。

1999年版のガメラのソフビ(ムビモン系列)は、映画公開時に発売されたものが長らく主流でしたが、ここに来て新たな決定版が出てしまいましたね。

 

口元にも注目してみましょう。

歯茎の中から牙を浮きだたせることによって、完全な肉抜きではないにも関わらず、一本一本が独立した牙のように見えています。

もともとガメラは口の中の肉の浮き上がりが凄いので、それを効果的に使った表現ですね。怪獣ごとに色んな造形的な工夫が凝らされていて、すごく見ごたえがあります。

 

左右に突き出ている特大の牙も見事。

これがなくっちゃガメラじゃない。

アップにすると大きく見えますが、全体に比してすごく細く、小さいです。その細かい部分を、こうしてリアルに作ってくれるのが嬉しいです。

 

舌は下顎にべったりついてる感じ。

あっかんベーをしてるようにも見える。

口の中のピンクが生々しいですね。

歯の裏側はほぼほぼピンクに塗られており、歯との差分は図られていませんが、まあ仕方がないかな。

 

お腹の紋章のようにも見える部分の彫もヤバいです。

ちゃんと左右対称になっている。生物感と幾何学感の融合が見事です。

このソフビの造形を担当した人の魂がうかがえますね。

 

エルボークローとカーフクローも再現。

クロー部分だけでなく、手足の爪もしっかり塗られています。このガメラ、本当に隙が無いな。

 

甲羅の表面。

深海から上がってきた名残でしょうか。フジツボ?? 的なものがこびりついています。

 

これがあることで、平坦なディテールにならないようにしている。

生物感が強調されていて素敵です。

 

尻尾。ここの上部は、甲羅が続いているのか何なのか。

特に塗分けされていませんが、そこまで気になりませんね。

 

可動部は股の部分が少し動くだけ。

角度を調整すれば前傾姿勢で自立します。

これだけでも結構印象は変わりますね。

他はまったくと言って良いほど動きませんが、可動を犠牲にして造形の完成度を優先させたってことならば、納得するしかないのかも。

何せ再現度で言えば、もともと優秀なものが多いムビモンシリーズの中でもトップクラスですから。

 

ややアオリで。

やっぱガメラは、見上げてなんぼですね。
生物感のある首筋や、そこから腕に流れる過程なども、非常に美しいです。
 
一緒に買った、『特撮のDNA 平成ガメラの衝撃と奇想の大映特撮』と並べて。
見事な再現度であることが、よくわかります。
 
このクオリティが、ややお高いとはいえ2000円前後で買えるのはありがたいことですね。
ちなみに僕はJOSHINのポイントにより、900円で買えました。
1月末には『大怪獣のあとしまつ』、3月に『ウルトラマントリガー』、5月に『シン・ウルトラマン』公開予定と、今年は怪獣特撮映画に恵まれそうな1年。怪獣玩具の需要も、いよいよ高まってほしいところです。そして今年から、怪獣玩具を集めてみようかなあと思っている人には、とにかく今はこのガメラ1999を推薦したいと思います。ムビモンで言うと、これと、ギドゴジですね。
 
『ガメラ3 邪神覚醒』はけっこう怖い映画。というのも1999年というと世紀末、ちょうどノストラダムスやらなんやかんやらで、社会が変な不安に包まれていた頃でした。そんな中で生まれた、「黙示録的」な怪獣映画。怪獣の恐ろしさを容赦なく見せつけたのが、この1999年版ガメラだったわけです。あの独特の空気感と、円熟しきっていた特撮技術の中でしか作りえなかった作品だったし、その作品の中で暴れまわり、銀幕を超えて観る人に衝撃を与えたこの1999ガメラには、ほかのどの怪獣にもない魅力があると思います。
 
平成の日本特撮映画が、真に素晴らしかった時代の寵児。このソフビを傍らに『平成ガメラ』シリーズを一気見して、上半期の怪獣映画ラインナップの前哨戦と堪能する――贅沢で正しい正月の使い方ですよね!