アンギラスの初登場は1955年『ゴジラの逆襲』だった。それから1968年の『怪獣総進撃』でリニューアル・デザインで13年ぶりに再登場。その後は『地球攻撃命令』や『対メカゴジラ』でちょくちょく登場し、平成になってからは2004年の『ゴジラ FW』でさらなるデザイン変更して再登場することになる。それからさらに間を置いた、17年後の2021年――『ゴジラ S.P』にて初めてアニメでの姿を披露することになりました。
ということで、『ゴジラ S.P』の怪獣に漏れず、このアンギラスも凄まじいデザイン変更が施されております。
横から見た一枚。
どえらく筋肉質になりました。特に四肢の盛り上がりが凄まじい。
体中のいたるところから棘が突き出ている、非常に攻撃的なスタイルです。
前から見た一枚。
アンギラスの本来のモデルはアンキロサウルス。しかしこのS.P版アンギラスはヤマアラシをイメージするようなシルエットです。
背中を多い尽くす無数の棘も、どちらかというと硬質のヒレのよう。一方で首筋から左右に突き出ている棘や、後半身になっていくに連れての棘には、昔の名残を感じることもできます。
後半身から尻尾にかけて。
最近の怪獣の例に漏れず、このアンギラスも非常に尻尾が長い。
新規のムビモンシリーズは、尻尾の長さでボリュームを取るものが多いように感じます(笑)
全体的に装甲然とした姿。
かなり激しめのデザイン変更で、1955年版の面影はまったくないですね。
アンギラスとか言われずに、ウルトラマンの新シリーズに登場していたら、「アンギラスに似てんな~」くらいで終わったかもしれない。
顔のアップ。
ごつごつした顔で、東洋の龍を思わせながらも、どことなく骸骨染みています。
不揃いに噛み合わさった牙など、少しばかりグロテスクな頭部。
身体に比して頭部は非常に小さいですが、目の後ろに並ぶ棘や頬の鰭など細かい所の造形が良いですね。
上から見ると、こんな感じ。
どえらい棘の並びですね。
これまでのアンギラスの中では、一番棘の数が少ないと思います。
四肢はこんな感じ。
これまでのアンギラスとは違い、後足が這いずりスタイルではない。2004年の『ゴジラ FW』でも、後足は準膝立ちスタイルだったことを考えると、アンギラス並みの体高で膝立ち四つ足のスタイルはやっぱ難しいのでしょう。『ゴジラ S.P』のこのアンギラスは、アニメだからこそできるデザインですね。
後ろには謎のデルタ地帯。
尻尾の付け根から左右に垂れ下がる三角の棘絨毯。
これは、このアンギラスにしかないデザインですね。
腹部はこんな感じです。
ちょっと変な色の赤。
造形も筋肉質で、非常に不気味ですね。『ゴジラ S.P』の怪獣は奇抜な――ちょっとキモいデザインが特徴のようです。ラドンとか、先行映像か何かで観た時にあんまりキモイもんだから、正直ヒキました(笑)
顔を上から見た図。
こうしてみると鎧と棘の並びが規則正しくてきれいですね。
こういう生物感のないデザインを組み込むところに、怪獣の面白さがある。
ソフビは、四肢と尻尾が可動。
あまり自由度はありません。
走るポーズが決められるくらいかな。
主役のゴジラ・ウルティマと並べて。
こうしてみると、このアンギラス結構なボリュームがあります。
棘の一番高いところでそこそこ体高が取れているのでしょうね。
あと、色の対比が非常に面白い。並べてみると分かるけど、けっこう渋めの色です。
2004年の『FW』版アンギラスと。
やっぱ全然イメージ違うわ。
FW版の方がちょっとだけ横に平たいんですね。
ということで、非常に面白いデザイン変更が施された、新生アンギラスでした。
最初はゴジラの宿敵、そして68年からは相棒、2004年ではタッグを組んでゴジラに挑む敵として登場したアンギラス。これまでのアンギラスが持ち合わせていた愛嬌をかなぐり捨てた、非常に猛々しく刺々しく、いかついデザインになっております。こいつ大暴れするのは、なるほどアニメだからこそ観られる画なのかもしれない。
個人的にはゴジラ怪獣の中でもお気に入りの怪獣なので、こうして新作に登場するのも、それに冠したソフビが発売されるのも、正直祭りです。土曜はこいつ以外にも、怪龍マンダもリニューアルした姿がソフビ化されたし、この調子でバラゴンやバランなど昭和の怪獣をリニューアルしてアニメに登場させ、ついでにソフビ化もばんばんしちゃってください。期待しております。