水性リキッド 「パーマネント マット バーニッシュ」
本来の使い方は、絵などの仕上げに塗る水性ニス。ただし、Amazonのレビューなどではもっぱら、「フィギュアの関節を渋くする」ために使われています。
それでは、このヒトで試してみましょう。
フィギュアーツのウルトラマンA。
フィギュアーツの中でもAは特に、関節の当たりハズレがあるそうです。このAは開封品で、とにかく胴体の関節がゆるゆる。頭を持って軽く振ると、がくがく動いてしまう。メタリウム光線のエフェクトパーツも、やっと保持しているといった具合です。
ではでは、早速使ってみましょう。
まず、フィギュアをばらします。
ここでジョイント部分を壊さないように注意しましょう。
続いて、渋くさせたい関節に、爪楊枝や綿棒などでパーマネント・マット・バーニッシュを少量流し込みます。
細かいところの関節には、インジェクター(注射器上のスポイト)などを使うのが便利。
気分はすっかりお医者さん気分。
この時に、量に注意。あまりに多すぎると、あとから白いフケみたいなのがぼろぼろ零れ落ちてきます。あるいは硬くなり過ぎて、動かなくなることも。
流し込んだら、関節をぐりぐり動かして全体になじませましょう。
液体は白いですが、そのうち透明になり、目立たなくなります。
続いて足の部分。
フィギュアーツは足の構造が独特なので、細い針のスポイトで流し込んでいきましょう。
腕、足など先の部分から付けていき、最後に胴の関節の処理をして、全部を付け直します。
これでOK。あとは……
メトロン星人。これは未開封品でしたが、足の関節を渋くさせておきましょう。
ただし、メトロンの場合は関節がウルトラマンほど露出していないので、
ぐりぐり動かして良いポジションを決めた後は、
僅かな隙間からスポイト針を差し込んで、流し込んでいきます。
あとは1日放置。
その結果……
じゃじゃーん!!!!!
この保持力! この手応え! さすが、絶賛されていただけのことはある。関節がちょうどよい感じに渋くなっていて、ポージングも思いのまま。
ちなみに、Aやメトロンよりも先に、この2人で試していた。
ACTのガイアとアグル。
この2体は新品未開封で買ってもとにかく胴関節と股関節がゆっるゆる。今の基準から見たら明らかに不良品の域で、写真のような股割りポーズでの自立保持なんて絶対にできなかった。それが今! ばっちり股割りしたポーズもできるようになっている。
いやぁ、これ、すごいわ。
ただ注意しとかないといけない点もあって、
まずウルトラマンAの股関節(前後に動く方)にも相当量垂らしてみたんだけど、この部分の渋さはある程度しか叶いませんでした。
あと、量が多すぎると関節周りのガワに付いてしまって、そのまま固まる場合も。結果、関節が動かせなくなります。メトロンはそれが理由で右足が一度がちがちに固まってしまい、分解する羽目になった。関節が渋くなってから分解すると破損の原因にもなりますので注意。
そもそも粘性のない液体なので、巣立ちのままで乾かすと、余分が下の方に流れて行って、そこで固まってしまうことも。いかに適量を、的確に流し込むかと言うことで、けっこう悩む部分もあります。
ただ接着剤などで関節を太らせるような、取り返しの利かない方法に比べると、たとえ量を間違っても水性ニスなので取り払いやすいっていうのは大きなメリット。現状、これが一番リスク少なくフィギュアの関節を渋くする方法かなと感じました。
今回、ACTとフィギュアーツで試しましたが、一応の目的はマフェックスのシン・ウルトラマン。マフェックスのアクションフィギュアは関節がゆるいことで知られておりますので、対策として先んじて使ってみた次第です。これを初めてフィギュアに試した人は、天才に違いない。もう、開封品で外れに当たっても大丈夫! 新品とはいかないまでも、ある程度は関節を補強できると分かったので、大満足です。
永遠に保持力がある関節があれば良いけれど、そんなものはない。経年劣化は抗えない宿命のようなもの。でも簡単な方法で、何とかアクションフィギュア引退を先延ばしにすることができるなら、それにこしたことはない。パーマネント・マット・バーニッシュ――まさにアクションフィギュアの救世主。いやはや、恐れ入りました。