福岡正信氏の自然農法には、4つの原則がある。
1.無肥料
2.無農薬
3.不耕起
4.無除草
徒に農産物の見栄えや大きさ、美味しさ、確実性と換金性などを追求した結果、本来の作物の素朴さが失われ、人工的な工業的養殖製造栽培と化してしまった現代農業の矛盾を抉り出し、それに代わる本来の農業のあり方を明示したものが、福岡氏が提唱する自然農法であった。
怪人の菜草園でまあまあそれなりの収穫ができたので、もっと大きく・もっと美味しく・もっと見栄え良く・もっとたくさん などの欲が生じ、様々な方法論を書籍で追求した結果、却って何も分からなくなってしまったと前回の記事で書いたが、この福岡氏の自然農法では、何もしなくてもよい・自然自体が作物を育ててくれるというのが基本的なコンセプトであり、分からなくなって途方に暮れていた怪人にとっては、非常に新鮮なものに感じられた。
昨年秋に近くの河川敷の刈草を菜草園にばらまき、土壌生物の住環境を整えて自然の生き物たちの力によって野菜作りをしようと思い立ったのも、この自然農法に感化されたことがきっかけである。
福岡氏の自然農法の書籍をお読みになった方であればお分かりかと思うが、ムー師匠の協生農法の理論とよく似通った箇所もある。土つくりは必要ない・微生物を含めた全ての生き物たちが協力して野菜を作る・野菜の栽培は果樹を交えた混生密集が基本・人は何も手を加えなくても野菜は勝手に育つ・肥料で大きくなった野菜は本来の人間の食べ物ではない など。
だが、動物は本来何を食べる生き物なのか、地球上で植物が存在する理由は何か、自然界におけるエネルギーの循環とは何か などの点は自然農法では触れられておらず、後になって、ムー師匠の協生理論でようやく全てが繋がった=大悟したという感覚がある。(つづく)
11月に入り朝は氷点下になる日も増えた。10月下旬まで頑張ったオクラだが、最後の力を振り絞って子孫を残そうとしている。オクラの根元には適当にまいたダイコンの種が発芽して、草と協生しながら育っている。
右下から左上にのびるコンクリートは、隣地との境界を示すもの。コンクリートから上の土地は造成地のまま放置されており、草もほとんど生えていない。雨が降ればすぐに水たまりになる。
怪人の菜草園も、このような造成地の状態から始まった。