【ドラマ情報】『パワー』(ナオミ・オルダーマン著)Amazonでドラマ化 | 『レ・イわ感』 KaiHazamaのドラマやニュースについての感想や違和感についてのブログ。

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いつの間にか、ドラマの感想が中心になり。。。

読んだ記事

『ナオミ・オルダーマン著「パワー」がドラマ化 レスリー・マンが主演』(映画.com 2019.11.8掲載)
https://eiga.com/news/20191108/7/


読んだ書籍の解説記事


『パワー』 ナオミ・オルダーマン 安原和見訳

女が男を支配する社会のリアルな恐怖! 男女逆転の復讐ファンタジー!(Web河出 2018.10.25掲載)
http://web.kawade.co.jp/bungei/2318/

 

 

コメント

 

Amazonプライムでドラマ化が決まり、巷で話題の『パワー』(ナオミ・オルダーマン著)を読破。

オバマ前大統領の2017年のブックリストにも選出された作品だそうです。


突如女性だけが手から強力な電流を放つ力を得たことで、男性は搾取される立場に追いやられ、女性優位の社会が形成されていく様子を、「ギャングの娘」「野心的な女性政治家」「宗教的指導者となる混血の虐待少女」「ナイジェリア出身の若き男性ジャーナリスト」を中心に展開する物語。

暴力性・凶暴性の根源が、性別によるものではなく、肉体的な優位性を背景にしていることを、男女逆転により、残酷までに克明に描いています。

男性にとってはホラーのような話ですが、女性にとっては、長い歴史の中で、男性によってなされてきた、現実のことなのです。。。

立場の違う相手との対話、自分との対話こそが必要であり、一方的に自分の信念のみを、妄信的、狂信的に追及し、力による征服・屈服は、その力への対抗・反発を招き、いずれ、破滅への道であることを、示唆してくれる作品です。。。

 

既得権益を守ろうとする男性側も描かれてはおりますが、主要キャラではないので、わりとアッサリめ。

もっとエグく描いてくれたら、なおよかったですね。。。

 

「歴史小説」の体裁をとっていることで、強烈で印象的な読後感を残してくれます。。。