介護まめ家セミナー2016が無事終わりました | 介護まめ家の冒険

介護まめ家の冒険

岐阜県羽島市の宅老所デイサービス介護まめ家の架空の日常を綴ります。

多数のご来場、ありがとうございました。

三好春樹さん&村瀬孝生さん。

三好さんの講演を聞くことができなかったのは、大変残念でした。

主催者としていろいろ野暮用がありまして。

実は、7月に発刊される「ブリコラージュ」誌に、虐待にまつわる私の作文がのります。

三好さんが今、何を発言されるのか、聞きたくて聞きたくて。

しかも、今年は、(うれしいことに自主的に希望して)僕以外のスタッフが生活リハビリ講座に参加しているので、僕は参加できず、三好さんの話を聞く機会が今までよりずっと減っている禁断症状もあって。

聞きたかった。




セミナーの内容に関しましては、好評をいただきました。

それについては、参加くださった方々それぞれにお任せするとして、僕としては、セミナーの別の面のストーリーを整理しておきます。

①村瀬孝生さん

まめ家を始める以前から、僕は村瀬さんのファンでした。

特に「おしっこの放物線」という本が好きでした。

多くの介護本が、熱かったり、大きく物事が動いたりするものですが、そりゃあそうでないと本になりませんからそうなるんでしょうが、村瀬さんの文は、文体が静かで、どこかとぼけていて、で、結局何も起こっていなかったりします。

表面上何も起こってはいないけれど、当然見えないところで色んなことが起こり、進行しているわけです。

ストーリーとは、表面で起こっていることを記述したものというよりは、見えないところで起こっているであろうことを感じ、察することを表現したものと思うんです。

何も起こっていない村瀬さんの物語が、大きなうねりの中での一コマであること。

それを、静の文体で表現していることが、新鮮でした。

そんな村瀬さんのファンでしたので、2011年の初め、地元の小規模事業所が集まって開く勉強会の企画に参加した際、僕は村瀬さんをお呼びして講演してもらう企画を提案し、実現しました。

まめ家が始まってまだ一年が経っていない頃です。

講演会が無事終わって、村瀬さんを身柄をジャックしてまめ家に連行し、いろんな話をしました。

当時まめ家さんは、「わんぱくおじいさん」に関わりはじめたばかりで、途方に暮れていましたが、村瀬さんと話すことによって、おじいさんとに関わりの方向性が見えて、僕らはおじいさんが亡くなるまで2年間、関わらせてもらうことができました。

おじいさんとの関わりは、その後のまめ家の行き方をはっきりさせてくれました。

「わんぱくおじいさん」との二年間は、去年のまめ家セミナーで、発表させてもらったのでした。

その2011年の初めに村瀬さんに来ていただいて、その夏に、まめ家一周年記念として、セミナーを初めて企画した際、村瀬さんにまた岐阜に来てもらおうとしたのですが、先約があり、かわりに村瀬さんが話をつけてくださったのが、下村恵美子さんでした。

あれから、よりあいは特養をつくり、でも宅老所のオリジネーターとして、宅老所型特養という新たな挑戦を始めたのでしょう。

宅老所は形じゃない、スピリットだ、とは村瀬さんは言わないかもしれませんが、そういうことじゃないんでしょうか。

あれから5年が経って、よりあいや村瀬さんが転換期を迎え乗り越えようとしていて、まめ家も実践を積み重ねながら、転換期を迎えています。

時代が一巡りしたということでしょうか。

村瀬さんによって第一期のまめ家が走り出したように、今回の村瀬さんによって、第二期のまめ家が始まったということでしょうか。

②サプライズ・ゲスト

彼が自分の宅老所を閉めて4年。

それ以後に介護の世界に入った方々も多かったでしょうから、サプライズ・ゲストと言われてもピンと来なかった人もいたかもしれません。

それでも、まめ家にとっては、キイになった人なんです。

なにせ、まめ家一周年記念セミナーに講演者として来てくれた彼だからです。

僕らが、彼のリタイアを知って驚いたのは、2012年第二回のまめ家セミナーの三好さんの講演でした。

その彼、こてっちゃんが、特養のデイサービスに入り、介護の世界に復帰して、改革に着手して1年。

彼がこの世界に戻ってくる道筋はない物だと思っていたので、これはうれしいサプライズでありました。

そして、それが特養のデイサービスであること、あの小規模ケアの、個別ケアからケアを乗り越えていった彼の、復帰劇としては、逆に何とも痛快で、いや何ともマトモな、と今は思える彼が、また講演者としても復帰するなら、してほしいし、それなら、ちょいとゆかりのあるまめ家セミナーで肩慣らし、どうかな?という。

こてっちゃんはやっぱり、伝える人だった。

こてっちゃん節が、いくらか柔らかくなって、健在だった。

もう、それはこてっちゃんだから、という言い訳を、誰も出来ない、それもリベンジ。

なんたって、小規模でもない、特養の一部門であるデイサービスなんだから。

こてっちゃん家が存在しない今、あれが存在したことの意味は、これからの方が大きくなっていくんだ。

それも、リベンジ。

その一発目、まめ家セミナーでやってくれたこと、これ以上腑に落ちることはない。

また、こてっちゃんに大きな借りができた。

彼もまた、こてっちゃん家以後の、第二章が始まったのでしょう。

③実は、3人揃っていた。

実は、縁あって、円窓舎という出版社の社長さんとお話しする機会を結構もらっています。

その社長さん、通称「しゃっちょさん」が企画した「よりあい見学ツアー」に3月参加しました。

そして、その感想を、私的なメールとしてしゃっちょさんに送ったのです。

その内容を面白がってくださったしゃっちょさんが、円窓舎のHPの「笑老描私」というブログのページに、転載しました。

ホントいうと、多くの人に読まれる前提では書いていないので、結構生々しい感覚がモロに出ていて、僕としては恥ずかしい限りなんです。

その中で、その恥ずかしい生モロが「僕の中で別格なのは、村瀬さんとこてっちゃんと、小樽で細々とデイをやっているカエル君という無名の男性です」というところなのですが、実はその3人が、まめ家セミナーのあの空間に全員そろっていたんです。

そのことは、僕だけの密かなうれしさなんですが、とにかくうれしかったんです。




人付き合いの超悪い僕ですが、それでも集まってくれた友人たち、どこかのセミナーで会ったことのある人たち、そんな人たちも含めて、三好さん、村瀬さん、こてっちゃん、カエル君とのストーリーが、着地したり、まだまだふわふわ揺れていたリ、とにかく、僕にとっては、セミナー自体がストーリー仕立てになっていました。

一周したな。

そんな風に感じることがいくつかあったセミナーでした。

そして、二周目は、これまでよりずっとシビアだぞ。

三周目はないかもしれないぞ、そんな引き締まる思いでもあります。

とにかく、来年までは、頑張る。

三好さんから「小規模事業者よ、介護氷河期を生き残れ!(ゴキブリのように)」というお題をすでにいただきました。

そりゃあそうでしょう。

それしかないでしょうな。

とにかく、来年までは、頑張って、セミナーをやりましょう。

何故なら、先日福岡で、来年のセミナーのために、ツバをつけてきたからです。

何をどうやるかなんて全く分からないけれど、ツバだけはつけてきました。



というわけで、小林さん、来年のこと、あれホントなので、頼みますわ。

そのためにも、まめ家、もうひと踏ん張りしますよ!