ドラマ「366日」見てますか?
眞栄田郷敦演じる遥斗の症状は、記憶障害に、右腕・左足の麻痺・・・。
うちの父は、言語障害、左腕・右足の麻痺。
症状は違えど、高次脳機能障がいという同じ病名。
ドラマを見ていると、父のリハビリ当初のことを思い出します。
広瀬アリス演じる明日香が離れたところからリハビリを見守っている姿は、うちの母の姿と重なるところがありました。
リハビリを進めていくと少しずつ動かなかった体が動くようになっていく。
これは、家族にとって、希望であり、嬉しい姿です。
さて、今回のテーマのリハビリ専門病院の選定とリハビリの状況についてですが、ようやく年が明けました。
この年は、私は、正月三が日後、すぐに仕事が始まり、バタバタし始めた頃に、母から電話がかかってきたんです。
なんだか、最近の、お正月は、曜日の並びが悪いと正月三が日を休んだだけで仕事になることが多くなりましたね。
もう少し前は、7日くらいまで正月休みを過ごすことが出来ていたと思うのですが、世の中がせっかちになってきているんでしょうかねぇ。
7日くらいまで休みが取れる仕事スタイルになると心にゆとりが出てくるのに。と思うところです。
また、脱線してしまいました。
母から電話がかかってきたんですが、病院から、
転院先の選定を始めてください。と言われた
と言ってきたんです。
で、選定は、どうしていけばいいのか聞き返したところ、
基本的には、自分で探してください
なんだそうです。
えっ!?マジで?
って言ってしまいました。
一応、候補は病院側から出してくれるみたいですが、どこに転院させるかは家族次第なんだそうです。
さすがに、リストアップされた転院先の病院が、どんなところかわからないので、母が老後のために介護施設で働いていたこともあったので、介護施設にいた知り合いのケアマネの方に聞いてみたんです。
そうしたところ、うちから通える距離のリハビリ専門病院となると、
A病院 〇〇△△リハビリテーションセンター
B病院 〇〇△△リハビリテーションセンター
C病院
の3つが候補かなぁ・・・とのことでした。
そのうち、
B病院 〇〇△△リハビリテーションセンター
C病院
は、あまりオススメできない病院かなぁって、ケアマネの方に言われたので、
A病院 〇〇△△リハビリテーションセンター
一択になるんだけど、今の病院が掲げる転院期日までに転院先の病院に空きが出来るのかが問題でした。
回復期のリハビリは、とっても大切なんだそうで、ここで、しっかりリハビリをしてもらえるかしてもらえないかで、その後の状態が変わってくるんだそうです。
そんなこともあり、転院期日までの空き状況の不安はありつつも、
A病院 〇〇△△リハビリテーションセンター
で、要望書を出そうということになりました。
一応、要望書は出すけど、この病院が、どんな感じのところか、ネットで調べてもらえるかな?ということで、電話口ではあったんですが、そのまま、仕事を中断して、リストアップした3つの病院のホームページを開いて、施設の紹介やリハビリの説明など、比較できそうな内容を調べて、母に伝えました。
まぁ、母の中では、すでに、
A病院 〇〇△△リハビリテーションセンター
で決めちゃっていたので、心変わりはなかったのですが、最後の一押しが欲しかったみたいで、比較をしながら、やっぱり、A病院が良さそうだよ。と最後のひと押しをしました。
このA病院。お風呂やプールが温泉になっていて、温泉に通って湯治をしている感じでリハビリが出来るので、温泉でリフレッシュができていいんじゃないってこともあったんです。
しかも、お風呂が広いんです。
やっぱり、キツいリハビリのあとに温泉でリフレッシュできるのはいいんじゃないかなぁってこともありました。
で、翌日、母は、早速、お見舞いのときに、ナースステーションへ要望書を出してきたそうです。
要望書を出したあとに、リハビリの先生方や看護師さんに聞いたんですが、転院先候補にした「A病院」は、病院のお風呂が温泉でもあるんですが、温泉街の一角に病院があるので、病院の近くに温泉施設があるんだそうです。
そんな病院なので、病院名にも温泉名が付いていることから、結構、人気のリハビリ病院なんだそうです。
母も、この病院に転院ってことになれば、リハビリで母が通うにしても、病院まで昔に比べれば道は良くなったとはいえ、峠道ってことは変わりはないので、片道30分から40分かかるし、雪の日だと1時間ちょっとはかかる道のりになるので、お見舞いついでに温泉に浸かって疲れを取ってこようって言っていました。
まぁ、なれない運転をして病院へ行き、リハに付き合って、張り詰めた状態で、そのまま帰ってくるのは良くないから、温泉で少しでも休憩しながら、ゆっくりしてから帰ってくるようにしてね。といいました。
さて、父のリハビリですが、転院先の要望書をA病院として出したことで、転院先の病院に合わせてリハビリの内容も変わってきました。
この頃から、トイレは、尿瓶をやめて、普通にトイレに行って、便器に腰掛けてするようにしていく訓練が始まりました。
でも、トイレ訓練を始めたところ、思っていたよりもトイレが使えなくて、父は困り果て、尿瓶でしか用をたさない状況に陥ってしまったんです。
先生方も、
ちょっと長いこと(長いと言っても2週間程度なんですがね)尿瓶に頼ってしまったのが、悪かったのかもしれませんね
と言っていました。
人間って怖いって思いました。
人間って、楽な方、楽な方へ順応してしまうものなのかと、つくづく思った次第です。
改めて、父に、なんでトイレで用をたせないのか聞いてみたところ、驚く回答が返ってきました。
寝て用をたすことはできるんだけど、起き上がって座った状態で、用をたすことができなくなっちゃったみたい
とのことでした。
これには、人間の体って、ホント不思議って思ったんですが、このままではいけないので、それからが父の苦悩の始まりだったんです。
やることは、幼児のトイレ訓練と同じ方法で、トイレに行きたくなくても、数時間おきにトイレに行って、便座に腰掛けさせるという訓練を始めたんです。
大体2時間おきにトイレに行くって感じですかねぇ。
最初は、もよおすタイミングで、ナースコールをして、ベッドから車椅子に乗せてもらって、トイレに行き、便座に座らせてもらい、もよおしているにも関わらず、用をたそうとすると全く出なくなってしまうんだそうです。
それでも、この行動を何度も繰り返していたんですが、さすがに父も嫌気がさしちゃったのか、
尿瓶で取ってくれ!
と、ナースコールをして用をたしていました。
先生たちも、このままでは、転院できないと感じ、母と相談し、母といるときには、母が父と一緒にトイレに入って、用をたすという訓練方法に変えたんです。
そうしたところ、父も次第にトイレで用をたすことができるようになってきて、そのうち、母が一緒にトイレにいかなくても用をたせるようになったんです。
これを見て、気を許せる人がいるだけで、どれだけ、ストレスが軽減され、リハビリがスムーズに進めることが出来るんだ。と思いました。
トイレトレーニングは、こんな感じで進めることができ、ようやく尿便を卒業することができました。