愛知県美術館
『クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』(2012-13年)

風景写真 カメラ1


ちわ~、クマ太郎ですくま

愛知県美術館の『クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』に行ってきました。
久しぶりの本格的なクリムト展で、期待も高まろうというものです。

結果、全体的に満足のゆく展覧会でしてホッとしました。
展示品目の多さに合わせて会場を拡張していたのも良かったです。

その中でお気に入りを3点。


マクシミリアン・レンツ
《ひとつの世界(ひとつの人生)》
キャンバスに油彩 1899年
ブダペスト美術館
風景写真 レンズ1


クリムトらとともにウィーン分離派で活躍したドイツの方だと聞いています。
一見、普通の人物画に見えるのですが、何となく破綻しているのが特徴です。
画面も明るく華やかですが、人物に生気が感じられず、少女たちの花を掲げる行為も、紳士の歩む姿も、全く整合性がないのに、画面に夢物語のように置き去りにされた感が何とも気持ち悪いというか、不安というか……
それでいて変な日常感があります。


グスタフ・クリムト
《第1回ウィーン分離派展ポスター》(検閲後)
紙にリトグラフ 1898年
サントリーポスターコレクション
風景写真 レンズ2


デザインという一つの概念や方向がここにあります。
迷ったら、これを見るといろんなアイディアが湧いてきそうな。


グスタフ・クリムト
《人生は戦いなり(黄金の騎士)》
キャンバスに油彩、テンペラ、金箔 1903年
愛知県美術館
風景写真 レンズ3


これは愛知県美術館の所蔵品です。
オイラがいろんなことを言うまでもない作品ですね。
平面という概念を拡張して、浮世絵や琳派にも似た境地に達しているのが凄いです。
日本の絵画の影響もあるかもしれませんね。

不思議だなと感じたのは、クノップフがクリムトに影響を与え、クリムトがエゴン・シーレに影響を与えた運命です。
全く個性の違う、技巧的な継承者ではない3人が、精神的な継承と言う一点のみで結ばれているということです。
芸術というのは実に数奇なものだと感じました。ウガ爆弾


グスタフ・クリムト
《ストックレー・フリーズ : 抱擁》(下絵)
紙にテンペラ、水彩、金、銀、ブロンズ、木炭、鉛筆、白のハイライト、金箔、銀箔
1908-11年
オーストリア工芸/現代美術館
風景写真 レンズ4


グスタフ・クリムト
《ストックレー・フリーズ : 薔薇の茂み》(下絵)
紙にテンペラ、水彩、金、銀、ブロンズ、木炭、鉛筆、白のハイライト、金箔、銀箔
1908-11年
オーストリア工芸/現代美術館
風景写真 レンズ5


【ストックレー・フリーズ(下絵)@オーストリア工芸/現代美術館】


『クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』
◆2012年12月21日(金)-2013年1月20日(日)【前期】
 2013年1月22日(火)-2月11日(月・祝)【後期】
 愛知県美術館
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(名古屋市東区東桜1-13-2)

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