愛知県美術館
『マックス・エルンスト―フィギュア×スケープ』(2012年)

風景写真 カメラ1


久しぶりに美術館へ出かけました~キラキラ
お目当てはマックス・エルンスト(1891-1976)。
個人展を観るのはこれが初めて音符

この展覧会は、彼の作品世界を
フィギュア(像)、スケープ(風景または空間)
というキーワードから読み解くものです。
が、、、
展示室の解説はわかりにくい部分もあり、
この際、理論や理屈は抜きにして、
感性で楽しませてもらいました。
(展示作品112点+資料6点。会期中に入れ替えあり)


油彩画、コラージュ、書籍、版画、彫刻…と、
いろんなジャンルの作品が並ぶなかで、
一番のお気に入りは「リング」のある「森」のシリーズピンクハート


マックス・エルンスト
《石化した森》
キャンバスに油彩 1927年 81×99.6
国立西洋美術館
風景写真 レンズ1


マックス・エルンスト
《石化した森》
キャンバスに油彩 1927年 81.3×100.3
鹿児島市立美術館
風景写真 レンズ2


マックス・エルンスト
《森と太陽》
キャンバスに油彩 1927年 73×92
富山県立近代美術館
風景写真 レンズ3


マックス・エルンスト
《森(月光の中のモミの木)》
キャンバスに油彩 1927年 26.5×21.5
個人蔵(大川美術館に寄託)
風景写真 レンズ4


作品に登場する「リング」は
「蝕」の天体を表しているそうな。

それは画面を照らし出す光源であると同時に、
森を隠された場とし続ける力の源なのだ


との解説に、なるほど~ひらめき電球
ただ、5月21日の「金環日食」を見逃した者としては、
内心「ぐああ~~!」(悔しさが甦る~えーん)なんですがタラー


自然の中に埋没しながら、自然を把握しようとする。
展示の最後(トリ)に控えるこちらは最高傑作ですワキラキラ


マックス・エルンスト
《最後の森》
キャンバスに油彩
1960-70年 114×145.5
ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館
風景写真 レンズ5


ギリシャ神話が下地になってる、こちらも好きピンクハート


マックス・エルンスト
《ニンフ・エコー》
キャンバスに油彩 1936年 46.5×55.5
新潟市美術館
風景写真 レンズ6

牧神パンが、精霊のエコーを追い回す…というお話。
画面中央の鳥の頭をした人物がパンで、
エコーは左上の植物の茎の陰に隠れてます。
「鳥」も、エルンストの作品では
重要なモチーフになってるんですね。

また、フロッタージュ(『博物誌』で使用) 、
グラッタージュ(1927年の「森」シリーズ ↑で使用)、
デカルコマニー(《少女が見た湖の夢》《三本の糸杉》《ポーランドの騎士》↓で使用)、
オシレーション(《ユークリッド》↓の背景で使用)
……といった技法の名前も初めて知りました。


そのほかの展示作品~キラキラ


マックス・エルンスト
《偶像》
キャンバスに油彩 1926年 100×80.7
大阪新美術館建設準備室


マックス・エルンスト
《少女が見た湖の夢》
キャンバスに油彩 1940年 62×85
横浜美術館
風景写真 レンズ8


マックス・エルンスト
《ユークリッド》
キャンバスに油彩 1945年 65×59
メニル・コレクション
風景写真 レンズ9


マックス・エルンスト
《二つの基本方位》
キャンバスに油彩 1950年 100.7×65.4
メニル・コレクション
風景写真 レンズ10


マックス・エルンスト
《三本の糸杉》
キャンバスに油彩 1951年 103×98
ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館
風景写真 レンズ1


そして、おなじみのこの作品キラキラ


マックス・エルンスト
《ポーランドの騎士》
キャンバスに油彩 1954年 116×89
愛知県美術館
風景写真 レンズ2


あと、版画とコラージュの展示数がハンパなかったです……
ちなみに初期の版画はキリコみたい!
(《三本の糸杉》↑の画面左端に描かれている窓(?)もキリコ風だし)


『マックス・エルンスト―フィギュア×スケープ』
◆2012年7月13日(金)-8月12日(日)【前期】
 2012年8月14日(火)-9月9日(日)【後期】
 愛知県美術館
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(名古屋市東区東桜1-13-2)

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