名古屋 松坂屋美術館
『知られざるミュシャ展―故国モラヴィアと栄光のパリ』(2013年)

風景写真 カメラ1


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(ほかにもいろいろ…)
お待ちかね、ミュシャが名古屋にやって来ました!!乙女のトキメキ乙女のトキメキ

彼の生まれ故郷チェコのモラヴィア地方、イヴァンチッツェ近郊に住む医師ズデ二ェク・チマル博士。
その祖父母から3代にわたる「チマル・コレクション」が初来日です。

・第1章 旅の始まり
・第2章 パリのイラストレーター
・第3章 演劇に魅せられて
・第4章 ポスターと版画―ミュシャ様式
・第5章 スラヴ民族の精神
・第6章 国家と人類愛のために
(展示総数161点)

……と、章立てはいつもの『ミュシャ展』なんですが、
頭に「知られざる」と付くだけあって、
いつもと中身が違いますよ。


まず、第1章「旅の始まり」。
展示一番手の《ジャンヌ・ダルク》(木炭/素描 1875年)。
火あぶりにされるジャンヌ・ダルクの素描はミュシャ15歳の頃の作で、現存する彼の最初の作品のひとつだそうな。
おお、しょっぱなからレアなのがキタ~!!目

この章は、知られざる初期の素描とカレンダーがメインです。
《パエトーンの墜落》《パリスの審判》と、
神話大好きなワタシが思わずにやにやするものもありました音符


アルフォンス・ミュシャ
《パエトーンの墜落》
インディアンインク、淡彩/素描
1885年 65.5×76.4
ブルノ博物館―イヴァンチッツェ博物館
風景写真 レンズ1


第2章「パリのイラストレーター」は、
パリ時代に手がけた知られざる挿絵がメイン。


シャルル・セニョボス著『ドイツ史の諸場面とエピソード』
アルフォンス・ミュシャ
《ブラチスラヴァのマリア・テレジア》
鉛筆、グワッシュ、水彩/挿絵原画
1892年 42×31
チマル・コレクション
風景写真 レンズ2


第3章「演劇に魅せられて」には、
サラ・ベルナールのためにデザインした舞台ポスターが6枚、どーん!と並びます。
《ジスモンダ》《椿姫》《ロレンザッチオ》《サマリアの女》《メディア》《ハムレット》…
(《トスカ》がなくてちょっと残念タラー)。


アルフォンス・ミュシャ
《ハムレット》
リトグラフ/ポスター 1899年 205×76
チマル・コレクション
風景写真 レンズ3


第4章「ポスターと版画―ミュシャ様式」では、
パリ時代に手がけたその他のポスター、装飾パネル、雑誌の表紙などを展示。

ここで、今回のイチ押しです!キラキラ


アルフォンス・ミュシャ
《1900年 パリ万国博覧会公式晩餐会招待状》
リトグラフ/招待状 1900年 36×24
チマル・コレクション
風景写真 レンズ4

これまでの『ミュシャ展』では下絵が展示されることはあったけれど、完成作は初めて!?
ほんに美しい~~ピンクハート

ほかに、《ジョブ》「サロン・デ・サン」のポスター、「一日の四つの時」など、前章と同じく有名どころの華やかな作品が登場しますよ。


アルフォンス・ミュシャ
《朝の目覚め》(連作「一日の四つの時」より)
リトグラフ/装飾パネル
1899年 106×41
チマル・コレクション
風景写真 レンズ5


アルフォンス・ミュシャ
《昼の輝き》(連作「一日の四つの時」より)
リトグラフ/装飾パネル
1899年 106×41
チマル・コレクション
風景写真 レンズ6


アルフォンス・ミュシャ
《夕べの夢想》(連作「一日の四つの時」より)
リトグラフ/装飾パネル
1899年 106×41
チマル・コレクション
風景写真 レンズ7


アルフォンス・ミュシャ
《夜の安らぎ》(連作「一日の四つの時」より)
リトグラフ/装飾パネル
1899年 106×41
チマル・コレクション
風景写真 レンズ8


アルフォンス・ミュシャ
《ジェレ・フレール香水店のシルヴァニス・エッセンス》
リトグラフ/ポスター 1899年 64×25
チマル・コレクション
風景写真 レンズ9


ただ、一方で「これって、ほんとにミュシャ??」と疑いたくなるような、思わずぷっと噴き出してしまいそうなヘンテコ(失礼タラー)なのも……


第5章「スラヴ民族の精神」では、
彼のライフワーク「スラヴ叙事詩」関連の知られざる素描、習作、写真などを紹介。
(「スラヴ叙事詩」はありません…)


アルフォンス・ミュシャ
《「スラヴ叙事詩」展》
リトグラフ/ポスター
1928年 149×102, 78×102
チマル・コレクション
風景写真 レンズ10

風景写真 レンズ1


そして、ラストの第6章「国家と人類愛のために」。
祖国チェコへの愛国心、また人道主義にあふれた知られざる作品が並びます。

ここで目を引いたのが、こちら。


アルフォンス・ミュシャ
《エリシュカ》
キャンバスに油彩 1932年 121×81
チマル・コレクション
風景写真 レンズ2

今回、数少ない油彩画の一枚音符
ミュシャの友人で建築家だったヤロスラフ・ヨゼフ・ポリーフカ氏の娘さんの肖像画だそうで。

それと、こちらはオリジナルの油彩画を見たことがある分。


アルフォンス・ミュシャ
《チェコの心、国民支援協会》
オフセット印刷/証書
1930年(オリジナルは1917年) 67.7×43.8
ブルノ博物館―イヴァンチッツェ博物館
風景写真 レンズ3


ほかには、彼がチェコのためにデザインした紙幣や切手など。

全体的に地味めな印象ですが、
これまでの『ミュシャ展』では紹介されなかった作品(おもに素描と習作)が盛りだくさん。
玄人好みでマニアックな内容と申しましょうか…ニヤリ


でもって、展示の最後には《ジョブ》の塗り絵コーナーと、
撮影OKの《ヒヤシンス姫》《ジョブ》《夕べの夢想》の大型パネルが。
And、「あなたもわたしもサラ・ベルナール」(←勝手に命名)の写真撮影コーナーが目
これは《椿姫》のポスターを模したセット。
隣には《サマリアの女》のセットも……


風景写真 レンズ4

って、ドレスとカツラの用意をお願いしたいです~~笑い泣き

我こそはと思うかた、
ミュシャのポスターになってみてくださいね!


『知られざるミュシャ展―故国モラヴィアと栄光のパリ』
◆2013年9月7日(土)-10月14日(月・祝)
 松坂屋美術館(名古屋)
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(名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋名古屋店 南館7階)

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