愛知県美術館
『ゴッホとゴーギャン展』(2017年)



日本初、ゴッホとゴーギャンの二人展音符
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)とポール・ゴーギャン(1848-1903)。
二人の交流に着目しながら、南仏アルルの「黄色い家」での共同生活の時期を中心に、初期から晩年にいたるそれぞれの軌跡を紹介するものです。

芸術観や性格の違いから、彼らの共同生活はわずか2か月で破綻しますが、それで二人の関係が終わってしまったわけではなく、その後、別々の道を歩みながらも互いに友情を抱き続けていたことがわかる内容になってます。

展示構成は、
・第1章 近代絵画のパイオニア誕生
・第2章 新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い
・第3章 ポン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ、そして共同生活へ
・第4章 共同生活後のファン・ゴッホとゴーギャン
・第5章 タヒチのゴーギャン
(全16作家、展示総数64点。うちゴッホ28点、ゴーギャン21点)


まず、今回のイチ押しキラキラ


ポール・ゴーギャン
《肘掛け椅子のひまわり》
キャンバスに油彩 1901年
E.G. ビュールレ・コレクション財団

ゴーギャンは、ぼくのひまわりの絵が格別に好きだ。
彼はとりわけこう言ったものだ。
「これこそ…花だ」と。

(ゴッホから弟テオへの手紙、1889年1月22日、アルル)

ダリアやキンレンカ、さまざまな種類のひまわりなど、
暖かい気候を好む花の球根と種を送ってほしい。
それらの花で庭を飾りたいのです。

(ゴーギャンから友人ジョルジュ=ダニエル・ド・モンフレーへの手紙、1898年10月、タヒチ)

タヒチにて、ゴーギャンが11年前に亡くなったゴッホを偲んで描いたとされる一枚。
これはもう、ゴッホへのオマージュ以外のなにものでもありませぬ〜おねがい


そして、ゴーギャンの二押しキラキラ


ポール・ゴーギャン
《タヒチの3人》
キャンバスに油彩 1899年
スコットランド国立美術館

タヒチの人々を描いた作品。
左の女性は左手に青いりんごを持つことから「悪」を、右の女性は花を差し出していることから「善」を象徴している…と考えられているそうです。


お次は、ゴッホのイチ押しキラキラ


フィンセント・ファン・ゴッホ
《ゴーギャンの椅子》
キャンバスに油彩 1888年
ファン・ゴッホ美術館

ゴーギャンのような聡明な仲間がいること、
その仕事ぶりを見られることは、ぼくにとってとてもためになる。

(ゴッホから弟テオへの手紙、1888年11月19日頃、アルル)

ゴーギャンとの共同生活が破綻する前に描かれた作品。
ゴーギャンが使っていた椅子を描くことで、そこに座るゴーギャンの存在を表現しています。
以前、別の『ゴッホ展』でも展示されてましたが、改めて見て、深い絵だわ〜と感動。


そして、ゴッホの二押しキラキラ


フィンセント・ファン・ゴッホ
《靴》
キャンバスに油彩 1886年
ファン・ゴッホ美術館

履き古した感じの労働者の靴です。
持ち主の人柄や暮らしぶりが想像できますな…
独学でここまで描けるゴッホは、ほんと天才だわ 目


And、そのほかの展示作品〜音符
おおっ!と感じたものを選んでみました。

まず、ゴッホから。


フィンセント・ファン・ゴッホ
《パイプをくわえた自画像》
キャンバスに油彩 1886年
ファン・ゴッホ美術館


フィンセント・ファン・ゴッホ
《グラスに生けた花咲くアーモンドの小枝》
キャンバスに油彩 1888年
ファン・ゴッホ美術館


フィンセント・ファン・ゴッホ
《ばら》
キャンバスに油彩 1889年
国立西洋美術館


そしてゴーギャン。


ポール・ゴーギャン
《夢を見る子ども(習作)》
キャンバスに油彩 1881年
オードロップゴー美術館


ポール・ゴーギャン
《自画像》
キャンバスに油彩 1885年
キンベル美術館


ポール・ゴーギャン
《水飼い場》
キャンバスに油彩 1886年
島根県立美術館


ゴッホについては、これまで何度か個人展を見て、おなじみの作品がたくさんありましたが、
ゴーギャンの作品はほとんどが初めてのもので、とても新鮮に感じました〜音符


また、ゴッホとゴーギャンそれぞれが影響を受けた画家(コロー、ミレー、ピサロ、モネ…)、
交流のあった画家(シャヴァンヌ、モンティセリ、トゥールーズ=ロートレック…)、
影響を与えた画家(ポール・セリュジエ、モーエンス・バリン、ヤン・フェルカーデ…)の作品も展示されてますよ。

ぜひぜひ実物をご覧くださいねキラキラ



『ゴッホとゴーギャン展』
◆2017年1月3日(火)-3月20日(月・祝)
 愛知県美術館
・Twitter →
(愛知が最終会場です)


愛知県美術館 →
(名古屋市東区東桜1-13-2)

【ゴッホとゴーギャン展(東京展)】


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