兵庫県立美術館
『バーン=ジョーンズ展 英国19世紀末に咲いた華』(2012年)



神戸で開催中の『バーン=ジョーンズ展』を見ました~音符
英国を代表するアーティストの一人なのに、
日本で大々的に個人展が開かれるのは、これが初めてなんですねぇ。
(全10章、展示総数75点)


今回はバーミンガム美術館のコレクションが多数展示されてます。
ワタシのお目当ては、ギリシャ神話を題材にした作品キラキラ
特に、英雄ペルセウスピンクハート

イアソン、テセウス、ヘラクレス、アキレウス、オデュッセウスetc…と、ギリシャ神話にはいろんな英雄が登場するけど、
一番の好青年でイケメンなのはペルセウスかも…?ラブ


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
《メドゥーサの死 Ⅱ》―連作「ペルセウス」
紙にグワッシュ 1882年 152.5×136.5
サウサンプトン市立美術館

見た者を石に変える怪物メドゥーサの首を斬り落としたペルセウスが、その首を袋に押し込みながら逃げようとするのへ、
メドゥーサの姉、ステンノとエウリュアレが飛びかかろうと舞い上がった瞬間を描いた作品キラキラ


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
《果たされた運命 : 大海蛇を退治するペルセウス》―連作「ペルセウス」
紙にグワッシュ 1882年頃 153.8×138.4
サウサンプトン市立美術館

海神ポセイドンの怒りを買って大海蛇の生け贄にされそうになったエチオピアの王女アンドロメダ。
彼女を救出しようとペルセウスが大海蛇と格闘するシーン。
ペルセウスがかっこいいのはもちろんのこと、
怪物のとぐろの巻き方もどこか装飾的で美しい~キラキラ

驚いたのは、この2点がともに「下絵」だということ。
ほんに素晴らしい完成度です!目


ミュージカル&映画『マイ・フェア・レディ』の元になった、ピグマリオンの話も好きピンクハート
物語を要約すると、

キプロス人の彫刻家ピグマリオンは、自身が制作した最高傑作と言える女性の彫像に恋をしてしまいました。
深く思い悩んだ彼は、愛と美の女神ウェヌス(ヴィーナス)に祈りを捧げ、救いを求めるのでした。
「ウェヌスさま、愚かな私をどうか哀れんでください」
その祈りを聞き届けたウェヌスは、彫像に命を吹き込んでガラーテアという名の本物の女性にし、
晴れてピグマリオンはガラーテアと結婚することができたのでした。
めでたし、めでたし。



エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
ピグマリオンと彫像―《恋心》
キャンバスに油彩 1878年 99×76.3
バーミンガム美術館

アトリエで新しい作品(理想の女性像)の構想を練るピグマリオン。


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
ピグマリオンと彫像―《心抑えて》
キャンバスに油彩 1878年 98.7×76.3
バーミンガム美術館

完成したばかりの大理石像を前に、
心乱れるピグマリオン。


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
ピグマリオンと彫像―《女神のはからい》
キャンバスに油彩 1878年 98.7×76.3
バーミンガム美術館

ピグマリオンのアトリエに降臨し、
彫像を人間の女性ガラーテアに変身させる女神ウェヌス。
(鳩と薔薇はウェヌスのシンボルなんだけど、
鳩が一羽踏みつけられてるよ~ガーン


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
ピグマリオンと彫像―《成就》
キャンバスに油彩 1878年 99.4×76.6
バーミンガム美術館

生身の人間になったガラーテアの前に跪き、
彼女の手を取るピグマリオン。
(薔薇が一輪、床に落ちてるので、
ウェヌスのおかげだとピグマリオンは気づいたでしょうな)

ええ、ピグマリオンの恋心は、よぉーくわかりますとも!
ワタシも、自作の妄想小説の主人公が3Dで目の前に現れてくれないものかと日夜切望してますから~~ラブ


って、それはさておき、
そのほかの展示作品音符


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
《フローラ》
キャンバスに油彩 1868-84年 95.5×64.9
郡山市立美術館


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
《運命の車輪》
キャンバスに油彩
1871-85年 151.4×72.5
ナショナル・ギャラリー・オブ・ヴィクトリア


そして、今回最も美しい~キラキラと思うのが、


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
《眠り姫》―連作「いばら姫」
キャンバスに油彩
1872-74年頃 126×237
ダブリン市立ヒュー・レイン美術館


おしまいに、ワタシが選んだ「ぷっ!」と笑える一枚を爆  笑


エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ
《迷宮のテセウスとミノタウロス―タイル・デザイン》
紙に鉛筆、茶色の水彩、ペン、インク
1861年 26.1×25.5
バーミンガム美術館
迷宮のテセウス

牛頭人身の怪物ミノタウロスを倒すべく、
クレタ島の迷宮に乗り込んだ英雄テセウス。
両者が今まさに出くわさんとする緊迫の一瞬を描いたものなのに、ミノタウロスのポーズがお茶目すぎ!爆弾
足元の人骨と草花もミョ~にコミカルタラー


バーン=ジョーンズが手がけた挿絵・書籍・タぺストリーも興味深いです。
耽美的、幻想的な作品が並ぶせいか、
見ているワタシも夢の中に入り込んだような、非現実的な心地がしましたよピンクハート


『バーン=ジョーンズ展 英国19世紀末に咲いた華』
◆2012年9月1日(土)-10月14日(日)
 兵庫県立美術館
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郡山市立美術館(福島)に回ります)


兵庫県立美術館 →
(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)

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