インフル罹患〜胃ろう | 幸せの条件

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の妻と二人の子供(小学生)の事を綴ります。

昨年末、一昨年のコロナ罹患時と同様に、子供が罹患したインフルエンザが家族全員にうつり、またしても妻の呼吸状態が著しく悪くなった。

一時は完全に意識消失するまで悪化したが、何とかまたこの世に戻ってきてくれた。臨死を2度も体験した人はなかなか貴重な存在だろうと思う。


インフルが治った後もNPPVを全く使わずになんとか過ごしていたが、介護ベッドをギャッジアップした状態では3分と過ごせないほど呼吸状態が悪くなり、口からの食事がほとんど取れない状態が続き、げっそりと妻は弱ってきた。


それでも私が食事介助をすれば、数口程度は食べられた。しかし、ヘルパーさんの食事介助では妻は緊張してしまい、ほぼ一口も食べられない状態が続いていた。

私も日中仕事があるので、昼と夕の食事はヘルパーさんに頼るしかないが、栄養がほとんど取れないこの状態ではどんんどん弱っていくだけだと思い、胃ろう増設を決心した。


本当は胃ろう増設も含め、「侵襲的な延命行為は一切しない」と妻は決意しており、従来私もそれに同意していた。


しかし、みるみる衰えていく姿に私が耐え切れなくなり、少なくとも胃ろうまではやって欲しいと説得し、妻はなんとか応じてくれた。

それは、やはり自分の事というより、子供の事があってのことだと妻は言っていた。

上記に記した意識消失の際、目が開いているのに全く私の呼びかけに応じない妻の姿を、娘も目撃してしまっていた。

それ以降、娘はPTSDのような状態となり、夜中に突然叫んで起きるなどの症状が出るようになってしまった。

娘を案じ、娘の心の安定には自分が元気になることだと、妻は決心してくれた。


一方、胃ろう手術を決心したのは良いが、既に著しく呼吸状態が悪いため、本来は安全に胃ろう手術ができる状態をとうに超えていると主治医から言われる。しかし、NPPVを装着(鼻から)しながら素早く手術をすることで、対応して頂けることとなった。

入院には私も泊まり込みでつきそい、当初2週間とされていた入院予定を1週間で退院した。抜糸は退院後に、訪問医療でやって頂いた。


胃ろう手術後はしばらく痛みはあったようだが、今ではほとんど気にならないレベルになったようだ。

栄養を十分取れるようになり、今ではインフル罹患前より体重は増えたように見える。

呼吸状態はある程度回復はしたが、現状3/日の食事中、2回を経管栄養としている。(1/日は口から取り、食事を楽しんでいる)


胃ろう装着を決意して、本当に良かったと今では思う。娘のPTSDの症状はまだ続いているが、きっと段々と良くなっていくだろう。