気遣いの枕言葉 | 幸せの条件

幸せの条件

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の妻と二人の子供(小学生)の事を綴ります。

学生の頃、コンビニでアルバイトをしていた。そのコンビニはオーナー2名による共同経営のコンビニだった。
オーナーは隔週で交代し、店舗管理していた。(オーナー2名は同級生で、両者ともに別々の不動産関係の会社を経営していた)

学生アルバイトと言ってもレジ業務等だけではなく、パンの発注、売り上げ〆業務なども任されていた。
オーナーから依頼される業務で正直結構面倒に思っていた作業が、「陳列棚の水ぶき」だった。
毎日ノルマがあって、作業が終わると棚番表に日付と作業者名を記載する必要があり、それをオーナー来店時にチェックされた。

オーナー達は昼間は本業があるので、来店する時間は決まって私がシフトに入っている夜23時頃だった。
丁度その頃から来客もまばらになってくるし、最悪オーナーがレジに入ることも出来るので、棚の水ぶきはいつもオーナーが来てからやっていた。

水ぶきはすべての時間帯のアルバイト・パートにノルマとして依頼はしているものの、水ぶき仕事は皆面倒くさがり、また日中はオーナー不在という事も相まって、「レジが忙しく出来なかった」という言い訳をして、実施しない人が大多数だった。その点をオーナーは不満に思っていたと思う。

二人のオーナー(以下AさんとBさん)における、棚拭き依頼の声がけは対照的だった。
--------------------------------------
<Aさん>あれ、まだ棚拭きやっていないの?○○君、棚拭いて。
<私>はい。今からやります。(今からやろうと思ってたんだよ!)

<Bさん>忙しいところ申し訳ないのだけど、レジ見てるから棚拭きをお願いできないかな?○○君はいつも丁寧に拭いてくれるから助かるよ!
<私>はい。わかりました!
--------------------------------------
こんな感じの各オーナーの言葉遣いは私だけではなく、アルバイト・パート皆に同様であった。
だから両者の個人的な性格であったと思う。

同じことを依頼するのにしても、気遣いの言葉を一言・二言入れるだけで、依頼された側の受け取り方は違ってくる。
この両者の話し方は、後に私が社会人となった際の、他人に業務を依頼するときの反面教師及び手本となった。

介護においても同様であり、依頼する側・される側、皆気遣いあえばより円滑になるだろう。
依頼する側としては障害をかかえる当人の他、外部ヘルパーさんに介護を依頼する家族の人も含まれる。

「気遣い」とは、本当に依頼したい事を遠慮したり、一時的な気まずさを恐れて問題点の指摘を躊躇することでは無い。
依頼したい内容や問題点をきちんと伝えた上で、言われた側の立場になって、素直に受け取れるような話し方をする事が重要なのだと思う。

・依頼している側:(家族なのだから・金を払っているから)やってもらって当たり前だ

・依頼されている側:(嫌だけど・仕事だから)仕方なく、してやっている

なんて気持ちを一方でも抱えていると、うまくいかない。
これら負の感情は、接する態度や会話の節々に嫌でも出てくるので、相手も萎縮してしまう。

もし相手がそのような気持ちを抱えてしまっている事を感じ取った場合は、尚更、気遣いの言葉をかけ続けることで、そのうち相手の気持ちも変わってくると思う。
相手の態度は、自分の態度を反射させて映し出している鏡のようなものだ。

と、ブログに記して、妻への最近の態度を自ら律したいと思った。