インテリアショップBIGJOYが提案したいこと・・・。
今回は間取りと家具の関係性について、家具屋なりに思うことを書かさせて頂きます。
この度おつきあいさせて頂いた住宅販売会社さまには失礼なことをいうこととなりますが
ご容赦ください。
私たち家具屋は、ご来店される方のほとんどがすでに設計契約を終え、もう少しで竣工となる
お客様が多くいらっしゃいます。
長年様々なお客様の図面を見させていただくことが多いのですが、
時々頭をかしげてしまうような間取りがございます。
今回紹介するお部屋もその一つとなります。図面を見させていただくとLDKで27.3畳とかなり広い
空間となっております。4LDKのマンションでは14~18畳ほどが標準的と考えるならば
かなり広い空間と言えます。しかしながら実際家具を置こうと考えてみると
それほど広くありません。家具の配置は残念ながら後付けです、照明の位置、
テレビのジャックの位置、窓のサイズや導線(人の通り道)を計算して配置を考えます。
今回の事例においては従来和室として提案されていた部分をフローリングとしているので
広さはあるのですが、とても使い勝手の悪い空間だと思いました。
間取りの良し悪しは道具の配置がレイアウトしやすい間取りが=住み心地の良い住まい
となると考えております。いくら空間が広くても道具の配置がしにくい空間はあまりいいものでは
ありません。間取りを考える際には是非、道具の配置までしっかりと考えた上で
ご自身にとっていい間取りかどうかを確認していただきたく存じます。
今回の間取りに何が問題なのか考えてみましょう!
4人家族のダイニング空間、リビング空間を考えると
今回のようにキッチンからリビングが一直線になった空間の場合ですが
ダイニングテーブルのサイズ150㎝、テーブルとソファまでの距離(ダイニングとリビングの間の空間)
を90㎝ほど、ソファの奥行90㎝、ソファからテレビボードまでの距離(約ラグの大きさ分より少し大きめ)
で150㎝ほど、テレビボードの奥行45㎝~50㎝(ここでは50㎝で計算します)
これらの必要な寸法を足し算してみましょう!150+90+90+150+50㎝=530㎝、5m30㎝は必要となります
しかしながら今回のダイニングリビングの寸法は5mより小さい空間であることです。
27.3畳のLDK空間でも、照明の位置やテレビの配線を考えれば5m以下のスペース
ダイニングとリビングを置くこととなります。
今回は通常150㎝ほど必要とするダイニングスペースを半楕円形のテーブルを提案することで
90㎝に抑えることができます。
ソファも奥行80㎝以下のタイプを置くことで10㎝ほど空間を広くとることができます。
そのように本来イメージしている理想のダイニング、リビングを思うと少々異なるように思いませんか?
きっと部屋に入るサイズの家具を妥協して揃えなければなりません。
私たちとしてはそのためにいろいろなサイズ、デザインの家具を集めているわけですが
きっと部屋に家具を合わせるというのは家づくりをはじめと時の理想とはかなり隔たりが出てきてしまう
のではないかと思っております。
間取りを設計する際には家具のサイズ、道具の使い方がベースとなって
照明の位置が決められたり、コンセントの場所を考えたり、使い方をベースにそのようなことを
考えてなければきっと住みやすい住宅にはなれないように思います。
今後、住まいを計画されている方には是非、間取りの考え方を道具の配置という面を重要視
していただき、アバウトなサイズ感ではなく、「具体的」にそのサイズ、使い勝手を考えて
その間取りの有効性を納得できるものとしてください。
今回のコーディネート事例は今まで経験がなかったことですが、2階のリビングに
幅180㎝奥行76㎝ほどのソファが入らなかったという事例となります。
ペアガラスの重たい大きな窓を足場なしで取り外せば搬入可能でしたが
残念ながらどこからも入れることができませんでした。
2階への搬入ということを加味してコンパクトなサイズのソファを持って行ったのですが
入らなかったというのは初めての経験です。
住宅を設計する際には家具や道具の搬入のことをしっかりと考えて設計してもらいたいものです。
というわけで今回の実例はダイニング空間ということで提案させて頂きました。
最近、ここ数年のダイニングの選び方としてチェア、椅子を家族それぞれのお気に入りのものを
ならべるといった「マイチェア」ダイニングという考え方がございます。
さまざまなデザイン、フォルムの椅子を素材や色を合わせて並べるといった考え方です。
お父さんのお気に入りの椅子、お母さんのお気に入りのチェア、子供のお気に入りの椅子、
おばあちゃんのお気に入りのチェアなどバラバラなチェアを並べて頂いても
絵になるようなチェアを選んでいただくことも少なくありません。
是非、一人一人の体型に合わせてチェアを選んでいただければと思います。
最後となりますが、住まいは実際に住んでみないと「快適な住まい」と言えません。
実際に住むことをいかに具体的に考えることができるかで、収納スペースを有効に使ったり、
コンセントの位置がとても便利、電気センサーの取り付けにより節電となるなど
いろいろと具体的に考えなければいい住まいはできないと思います。
先日、ヨーロッパで活躍している日本人デザイナーと話をしたことがあります。
日本の住まいとヨーロッパの住まいの違いはなんですか?と・・・
その型曰く、「日本は意匠性、デザインは世界的に見ても優れているけど、設計をしている方の
多くの方が夜遅くまで働き、自分自身が家で暮らす時間が少ない方たちが設計していること
多いのではないでしょうか」と言っておりました。
住むという経験から生まれる利便性、道具の配置は実際に住む方自身がしっかりと考え
そのイメージをプロの設計士が具体化するというアプローチが重要なように思います。
是非、自分自身のお城である住まいを具体的に住むという点からしっかりと考えてください。
今回ご紹介した部屋に対して、我々家具屋が生意気な事を言ってしまい
大変申し訳ございません。しかしながら、住宅設計と道具の使い方という
点を同時進行で考えて頂かなくてはいい住まいができないものと思っております。
少しでも多くの方にその考え方の重要性を伝えたいと思いブログに綴りました。
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