「ギャンブラーが多すぎる」
作者:ドナルド・E・ウェストレイク
場所:アメリカ
時期:1969年
たまには直感に頼って選んだ面白そうなものを。
語り手である主人公は、口先だけは達者なギャンブル依存症の男である。
いかにもうさんくさい。この人が言っていることは信用できないなあというのが、登場の印象。
そんな彼が、あることをきっかけに事件に巻き込まれていく。
しかも、彼を中心に事件は進行していくのに、彼にはほとんど情報が与えられず、ただただ巻き込まれているというのが、彼には悪いけれど、小気味がよくて面白かった。
その事件の謎を解き明かす段になって、主人公が急にかっこよくなってしまった。
最初の方は楽しく読んでいたのに、途端につまらなくなった。
ありきたりの普通の小説だなあと。
とは言っても、途中まで読んだのだから、結末までは見届けたくて、最後まで読んだのだけど、まあ、読み終わっての感想は特にない。
ひとつだけ。
主人公のお父さんが、趣味で、保険金の数式を読み解くことで、有利な保険の商品を見つけるということをやっている。
保険の計算式は昔からかなり複雑な数式を使ってたみたいで、複雑すぎてそのうち誰にもわからなくなるんじゃないかというようなことを言っている。
今ならコンピューターでばばばっと計算できちゃうようなものを、手計算でやっていたんだもんなあ、というところには少し時代を感じた。