さて、第2巻。
ちなみに全4巻である。
20年前は上下巻だったような気がするけど、受験世界史の世界も僕の高校時代からいろんな知識が更新されているようなので、致し方のないことである。
あとの世代の人ほど、学ぶべきことが増えて大変だと思うけれど、学ばなくていいことも出てきて、それらは忘れられ、朽ちていくのかもしれないから、プラスとマイナスでゼロだろうか。
昔学んだ世界史と、今学んだ世界史。ちょっとそれっぽい例えを使うと。
20年前は、ある地域のある時代を、画像データで見ていた感じ。
今も、一見同じように見えるのだけど、デジカメデータなので、拡大するとそこにいる一人一人の顔の毛穴まで見える、そういう感じである。
学者の研究なんて、まったく生活の役にも立たないようなことがらにエネルギーを注いで、いったい何をやっているのだろうと思うこともあるけれど、こういう一つの集大成のようなものを見せられると、やっぱりすごいんだなと思ってしまう。
2巻は、中世と言われる時代から、大航海時代まで。
力による支配、宗教による結合というものが時とともに変遷していく様が面白い。
また、そういう枠を越えて、文化というものが伝播し、混じりあい、衝突したりしながら、発展していくのも面白かった。
世界の歴史とは、生活を共にする人間の集団が成長を続け、他の集団とぶつかっていくことの繰り返しともとらえることができるが、世界というものが一つの場となった、16世紀以降の大航海時代が、2巻の極点であった。
著者のこぶしにも自然と力が入る。
まだ400年以上も前の歴史だが、今の僕たちの生活につながるいろんなことを実感する。
じわりじわりと僕のテンションもあがってくる。
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