アンニョンハセヨ~
我が最推しチョン・ヘイン様の最新作をようやく視聴できました~(JCBカードさん、ありがとうございます!)。
ヘイン様ファンとしては大大大満足の作品で、お気入り度は満点の★5つです
視聴前はロミジュリ設定の単なるラブストーリーと思っていたところ、意外にもハードボイルド要素強め(ちなみに「ロミオとジュリエット」の原著が、劇中アイテムとして登場します)
それなりにモヤついた点はありますが、ヘイン様の魅力が最大限に発揮され、そんなものは全部チャラです
視聴中はずーーーーーっと鼻息荒くチョン・ヘイン大優勝とニヤニヤし、お気に入りの俳優が増え続けている浮気性の自分を戒め!(でも舌の根も乾かないうちに、次の投稿では別の俳優にキャンキャン言ってると思う)
※画像は番組公式より
■視聴時期
2022年8月
■お気に入り度(5点満点)
★★★★★
■視聴方法
Disney+(全16話)
■放送開始年
2021年
■放送局
JTBC
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。
※途中からネタバレありです(ネタバレゾーンに入ったら警告表示します)。
1.時代設定とテーマ(関連ドラマなど)
ヘイン様について騒ぐ前に、時代設定のおさらいです。
韓国ドラマを視聴するまで韓国の現代史について全くの無知識でしたので、にわか仕込みの情報としてご理解ください。
1970年代
軍事政権
言論統制、大統領の間接選挙、夜間外出禁止 など。
【視聴済関連作品】
「まぶしくて ―私たちの輝く時間― 」
1980年
光州事件(5月)
市民による軍事政権に対する民主化要求のデモ鎮圧。
【視聴済関連作品】
「タクシー運転手 」(映画)
※感想未投稿。
※未視聴ですが「五月の青春」も気になっています。
1987年
民主化宣言(6月29日)
言論統制解除、大統領の直接選挙、教育の自由化 など。
【視聴済関連作品】
「スノードロップ 」
1988年
ソウルオリンピック
【視聴済関連作品】
「応答せよ1988 」
(ジョンボンが山ごもりしていた寺で、“閣下”が登場しましたねw)
物語の設定時期は1987年11~12月で、主人公の2人が最初に出会ったのはその6ヵ月前。
大統領選挙(史実では12月16日、16年ぶりの直接選挙)に向けた工作活動が、物語のベースでした。
作中には出てきませんが、大韓航空機爆破事件が1987年11月29日で、翌年のオリンピックを目前にして南北の緊張状態が高まっていた時期だから、「アカ」の取り締まりが激化(=安企部の権力強化)していたのでしょう。
前身のKCIAから安企部(国家安全企画部)に変わったのは1981年で、ちょうど“閣下”の就任と同時期なので、安企部はまさに権力のための組織だったのですね。
ちなみに、1987年に大学1年生のヒロインは、「応答せよ1988」のボラと同年齢設定になります。
ヒロインと同室のジョンミン(史学科4年生)も、ボラと同じように学生運動に参加していました。
デモのスローガンは「軍事政権廃止・公正な選挙を・打倒独裁」。
寮則「門限厳守・デモ禁止・外泊禁止・炊事禁止」のうち、「炊事禁止」の理由がわからなかった。
この作品を視聴する前は「前年に民主化宣言されたのに、1988ボラはなぜデモに参加していたんだろう」とずっと疑問だったけど、一般市民にとっては到底「民主化」とはいえない世の中だったことがなんとなくわかりました。
未視聴ですが、90年代初頭の学生運動が描かれた「花様年華」を視聴したら、もっと具体的にわかるのかしら?
※以下よりネタバレありです。
2.チョン・ヘインの魅力大渋滞
さて本題。
よくぞこのキャラクターにキャスティングしてくださいましたと言いたいくらい、ヘイン様の魅力オンパレードでした。
・上品なお顔
頭脳戦を行うエリート工作員にぴったり。
・繊細な表情演技
キャラ的にも設定的にもセリフ少なめで、視線や喉ぼとけ、首の傾きだけでの表現が素晴らしかった。
・バッキバキの肉体
特に今回の体づくりは、首の太さと胸板の厚みでキャラの完成度が完璧!
顔とのギャップがさらに増したお裸の披露は、最初の数話だけなのが残念!
など、これまで観てきた作品の良いとこどり。
加えて、自分の視聴歴ではお初の「オッパ」「ヒョン」キャラが新鮮でした
妄想に浸れる“ヌナもの”も大好きですが、やはり“頼れる男と若くて可愛い女の子”という古からの鉄板設定は安心感があります(※作中では「オッパ」とは呼ばれていません)。
好きなシーンは、たくさんあって難しいけど厳選して3つ!
●屋上部屋から落ちそうになるヒロインを救出
筋張った極太の腕でクリフハンガー。
●オープンハウスでの射撃ゲーム
煽られて仕方なく参加することになったとき、ヒロインに向けた目配せのような表情がめっちゃツボだったの!
スーツ姿も素敵だった~
●飲むと記憶を消せるコーヒー
このシーン(もちろんキスシーン含む)と、最後にヨンロをチーム長に託したシーンが、2大泣き所
ほかにも、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」を思い出す自転車のシーンとか、かなりツボでした
3.時代背景ゆえの悲劇
お気に入りの「麗」や「ミスター・サンシャイン」などもそうだったけど、時代に翻弄されたキャラクターたちの悲劇は没入感がすごい
いつの時代も犠牲となるのは末端の人間で、スホ自身もそれをわかって任務に就いていることがうかがえる描写もいちいち泣けた。
ヒロインを安心させるために、工作員のスキルを「スーパーマン」と例えたシーンとかも、ほのぼのしたけど悲しかったなー
前半ではキュン要素の1つだった「ノックの合図」が、後半では全く別の状況下で回収されたり、なんといっても2人の思い出の屋根部屋がスホの最期の場所になるなんて思いもよらなかったです
主要キャラへの感情移入はもちろんだけど、取り調べ中に自決したスホの部下が、同回のエピローグで「工作が成功して祖国に帰ったら、お母さんをベンツに乗せて走り回る」と夢を語るシーンとか、めちゃくちゃ印象に残りました。
誰もが「信念や思想より愛」だと思っているのに、実際は権力者たちの「大義より個人感情」で世の中が動いているだけなんですよね
4.没入感のある舞台設定
ほとんどのシーンが寮内のできごとで、クローズドサークルのようなスリルや没入感がありました。
また、カトリック系大学らしいクラシカルで西洋的な雰囲気や、寮長の衣装、薄暗い地下の廊下などが、ホーンテッドマンションのようで、全体的な美術が素敵でした!
各所にはめられた色とりどりのステンドグラスのおかげで、背景の単調さは気になりませんでした。
舞台が変わらず話の展開がほぼ会話劇なので、俳優の演技力が肝になる作品だと思いますが、どのキャラクターもわかりやすく、設定迷子になることがありませんでした。
あと、エピローグの完成度が高いなと毎回感心しました。
5.アクの強いサブキャラ
前述した会話劇を最後まで楽しめたのが、各キャラクターの完成度だったと思います。
シリアスな物語の中で、上官3名+妻の小賢しい攻防戦が面白かった(言ってること、やってることはエグイけど)
特に妻3人の攻防は、夫たちの思惑とは異次元の心理戦が働いているのに、うまいこと本筋に影響を与えていて素晴らしかったです
あと、司令部の“閣下”の直通電話が、金の台に乗せられ最上段に置かれていた構図もジワるホラーだったw
そしてお気に入りのキャラクターは、
●安企部チーム長「ブラックタイガー」(チャン・スンジョ)
「ボーイフレンド」の財閥御曹司にとなりましたが、やさぐれたチェイサー役もめっちゃ素敵でした
彼は目の色気がすごいですね。
トレンディドラマ俳優から個性派俳優のイメージになったときの三上博史さんのような感じ?
●魅力の塊(ユ・インナ)
彼女の人工的なお顔が苦手で、あまり得意ではない女優さんだったのですが、個人的には今回のMVP!
どのシーンのキャラ変も自然で素晴らしくて、エリート工作員としての説得力がありました。
今回のようなクセのある重要な脇役、また演じてほしい!
●砂肝(キム・ヘユン)
度重なる彼女の行動には「お前ぇーーー いい加減にしろーーーー!」と何度も熱くなってしまった。
でも、行動の根拠ともいえる卑屈さやコンプレックスの表現が抜群でした!
彼女の存在と行動が、閉鎖空間での物語をドラマチックに盛り上げてくれたと思います。
●事務総長(パク・ソンウン)
軍人らしく獰猛で、政治家らしく狡猾、そして絶妙な単細胞キャラが最高でした。
先日視聴したばかりの「愛を歌う花」では、彼の良さがあまり活かされていなかったんだなー。
身長187cmもあるんですね~。
●シャーロット(ペク・ジウォン)
この方、毎回見るたびに全然イメージの違う役をされているのでびっくりです。
「ボーイフレンド」では超地味なボゴミ母、「ラケット少年団」では村のやさぐれオンニ役でした。
韓国は名脇役の女優さんが充実していますね~。
そういえば、JTBCつながりで「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」から4名出演でした(スホ、ハンナ、局長、スホ実母)。
未視聴ですが「SKYキャッスル」の出演者も多かったようですね。
6.「スノードロップ」の意味
花言葉を調べてみたら、代表的なのは「慰め」「希望」「恋の最初のまなざし」のようですが、一部地域では死を連想させる花だとか
修道院の庭でよく育てられていたそうで、まさにヨンロたちの部屋の窓際に鉢植えがありました(点呼のとき、その鉢でスホの血を隠した)。
花そのものは物語に直接絡んでこなかったけど、その伝承や花言葉からメタファー的にタイトル付けされたのかなと想像します。
ラストシーンで「喫茶ローマ」の窓際に置かれたスノードロップがスホの生まれ変わりとして表現され、ヒロインの前に現れて大好きな歌を披露したのかなと。
出会いのカセットテープの曲も、邦題「恋の片道切符」で、意味深いですね
※参照
■モヤモヤした点・共感できなかった点
●サッドエンドは避けられず
重いテーマだけど「愛の不時着」の前例があるから、救いのあるエンディングを予想していました。
途中で「工作員死亡というフェイク情報を流して第三国へ」という案が出てきたので、その作戦の成功を願っていたけど、叶いませんでした
●堂々巡りの立てこもり
物語の大半を占めていた立てこもりシーンは、一進一退の攻防や心理戦にハラハラ・ワクワクした一方で、ちょっと長すぎて堂々巡りに感じることもあり、途中で少し飽きてしまいました。
●苦悩の表情ばかりのヒロイン
自分がこれまでに視聴したヘイン様の相手役では、今回のジスさんがダントツにお似合いでした!
独特の声もかわいらしかったし、若い女の子が恋する初々しい雰囲気が良かったと思います。
個人的には、おでこの生え際の産毛が好きです
せっかくの美男美女のラブストーリーだったのに、ヒロインは苦悩の表情か泣いているシーンばかりで、もっと幸せな2人のシーンを観たかった。
●残念だったキャラ
とにかく前半のハンナがウザすぎた
彼女の私情丸出しの仕事ぶりが、安企部の仕事の精度や厳しさのイメージを台無しにしていたと思う
ちなみにハンナ役のチョン・ユジンさんは、チョン・ヘイン氏と同じ事務所らしいので、よくおごって~に続いてバーター出演なのかしら?
「ロマンスは別冊付録」ではとてもよかったけど、今回はキャラが残念すぎた
次は「ドクター弁護士」を開封予定です。
ではまた