アンニョンハセヨ~
「麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」にドハマりして以来、イ・ジュンギ祭りを絶賛開催中です。
「TWO WEEKS」に続いてジュンギ様作品3本めは「イルジメ〜一枝梅 」(視聴順が放送順と逆走していますね)。
視聴動機は、レビューの評価が高かったのと、U-NEXTでは「2021年10月31日23時59分配信終了」とのことなので、慌てて視聴しました(またすぐに配信されるかもしれませんが……)。
※画像は、配信公式をスクショ
■視聴時期
2021年10月
■スコア
4.1
■視聴方法
U-NEXT
■放送開始年
2008年
■放送局
SBS
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。
※以下よりネタバレありです。
■満足点・共感した点
1.ダークヒーローが活躍する痛快さ
これまでの数少ないKドラ史劇歴からは、自分はラブコメ要素がしっかりある作品が好みと思っていましたが、本作はラブラインよりも、ダークヒーローによる痛快要素が多くて、エンタメとしてものすごく面白かった
2.瑞々しいイ・ジュンギ様
視聴前は、13年も前の作品だから最近のものと比べたら完成度が低いのかな、俳優さんのイメージが違いすぎてがっかりしないかなと、少し心配がありました。
3.対比するキャラ設定
ほかにも、イルジメに好意を寄せるウンチェとポンスン、イ・ウォノの息子を生んだタンとイルジメ実母など、いろいろなキャラが対になっていました。
4.サブキャラの存在感
●ヤンスン
父と姉殺害の真相究明に加え、義賊としてのイルジメ誕生のきっかけになったのが、ヤンスンからの“裏金”。
ヨンが初めて梅の絵を残した犯行は、町の人が搾取された官僚への賄賂を取り戻したことで、これをきっかけに義賊・イルジメが誕生したわけですね。
このときの“裏金”で、ヤンスンへピンクのリボンをプレゼントし、武術の修行へ旅立つわけですが、このときの2人のやり取りが悶絶級にかわいくて、何度もリピートしてしまった
そしてまた見事なのが、修行を終えたヨンが戻ったときに起きたヤンスンの事故をきっかけに、バージョン2のイルジメが誕生する展開。
イルジメとヤンスンの関係は、自分的に最もお気に入りの作品軸です。
●シワン
最初は腹が立って仕方なかったドラ息子が、後半は彼のおバカっぷりがイルジメをナイスアシストして、イルジメの成功になくてはならない存在に昇華ところが見事
後半になって、天真爛漫でお調子者のヨンのキャラがトーンダウンしていく中、シワンとの絡みは明るいヨンを拝める貴重なシーンにもなった。
●子役
「太陽を抱く月」の子役カップル(ヨ・ジング&キム・ユジョン)には大興奮(「イルジメ」のほうが古い作品です)。●イルジメ実父
わたしが視聴したイ・ジュンギ作品3作に、すべて出演しているチョ・ミンギ氏。
今回も「麗」と同じくイ・ジュンギ氏(の子ども時代)の父役でした(今回初めて、とても残念な事情で故人になっていたことを知りました)。
5.ラストシーンの考察
完全なハッピーエンドが良かったという気持ちもありますが、これはこれで含みを持たせたエンディングで、想像力を搔き立てられてよかった
ラストまで視聴して最初に思ったのは、イルジメは最初から存在していなくて、民衆の希望の象徴として生まれた偶像キャラだったという、夢オチ。
でも、最後にヨンの存在を匂わせるシーンがいくつかあって、例えば
・デシク親子の大道芸で綱渡りしていた演者(多分違うはず)
・コンガルが受け取った2足目の靴の持ち主(靴の大きさから考えると、ポンスンのほうが正解っぽい)
・イルジメの正体を知っている人たちによる、含みのある態度(イルジメをサポートするファミリーが出来上がっているということ?)
これらを考えると混乱してしまった
そこで、監督のインタビューを転載しているサイトがあったので読んでみたところ、「イルジメが斬られたのは、コンガルから譲り受けた刃のない剣」であって「イルジメは死んでいないと脚本家が断言した」とありました。
そのシーンを確認してみると、確かに落としたイルジメの剣はサチョンのほうに転がって、イルジメが最後に持っていたのはサチョンの剣(殺人剣)なんですね。
でもその剣で人を殺すことなく、イルジメは自分の進行方向に捨てているから、サチョンがとっさに手にした剣はイルジメのもの(活人剣)。
殺人剣を手にしても人を殺さなかったイルジメが、自分の活人剣で命拾いするという素晴らしい演出に鳥肌がたった
あと、自分の妄想ですが、ウンチェとイルジメの関係は、梅の花(ウンチェ)にずっと止まっているウグイス(額の傷=イルジメ)に例えたのかなーと思った。
ラストシーンからもう一つ、流行っている春画のタイトルが「王の娘」「犬とオオカミの恋情」とイ・ジュンギ出演作のパロディになっていて
6.「ノクドゥ伝」からのつながり
物語の舞台が仁祖王朝の時代ということは、わたしが大好きな「ノクドゥ伝」の続きに値するので、個人的にはセカンドシーズンを視聴している感覚もあって、より物語を楽しめた。
あの野心家のイケメン綾陽君が、クーデターの後は度重なる清(後金)との戦争で苦労したのね~と思うと、感慨深かったです
ちなみに、「イルジメ」のイ・ウォノが殺害された(と推察できる)1631年は、後金との戦争はまだ1回なので、官僚とイ・ウィノの会話で「2度の戦で国が疲弊して……」というセリフは史実と矛盾しているような?(2回目の戦争は1636-37年)
話はそれましたが、ノクドゥ伝つながりで、個人的な萌えポイントをメモします
ラストシーンで出てきたセドルとタンの息子ケットンが、チャン・ドンユン氏が演じたノクドゥのワンパクな雰囲気にそっくりで、めっちゃかわいかった
ケットンが靴屋のお父さんの語り部を聞きに行ったときに発した「アラッソ、アラッソ」の言い方がが、ノクドゥとそっくりなんですよ
このメイキング動画1:37のところで、ソヒョンちゃんもツボっている「アラッソ、アラッソ」です
■モヤモヤ点・共感できなかった点
●タンとイルジメ実母の心理
「使用人が主人との子どもを身ごもったら、非公式でもいいから側室的な扱いにはしてもらえないの?」とか「夫の浮気(?)相手だったタンと、イルジメ実母は仲良くやっていけるの?」などの疑問点がわいたり、捨てられることへの腹いせ(?)で、ピョン・シクと関係を持ってしまったタンの心理が理解できなかった。
●天友会のキャラが区別つかず
天友会の6人に加え、最後に清と精通していた官僚など、髭ヅラの画が似ていてイマイチ区別がつかなかった。
●後半のイ・ジュンギの声が痛々しい
最初は、役作りでわざとかすれさせているのかなと思ったら、聞き取りづらいほどの声になっているシーンもあって(被せと思われる部分もあった)、調べてみたら過酷な撮影スケジュールによる体調悪化で扁桃腺をやられてしまったようですね
日本で冬ソナブームの頃、韓国のドラマ撮影事情について「放映当日の朝まで撮影してすぐに編集して、その直後に放送ということもある」という情報(噂?)を見たのを思い出しました
●主要キャラでハッピーエンドが少ない
それぞれが大事な人と死別したり、ウンチェの初恋はかなわず、ポンスンは足のケガが治らず表情が暗かった……。
ポンスンの暗い表情の心理もわからなかった。
唯一ハッピーエンドだったのは、ヒマ組の兄貴カップルかな(娘の名前「ヨニ」が、ヨンの実姉っていうのがまた素晴らしすぎるよ)。
10月はイ・ジュンギ作品を3本完走して、また新たなKドラの魅力を開拓できた気がします。
11月は一旦配信サイトをお休みして、前半はアマプラ、後半はWOWWOWで録画中の「「九尾狐<クミホ>伝~不滅の愛~」を視聴予定です
ではまた