メダカくる-5 | 日陰で絵日記

日陰で絵日記

イラスト描きとその家族の日記

 翌日。
 水槽の底に、また5、6匹のメダカが沈んでいた。
 大量死は止まらない。
 動かなくなったメダカは、白く透き通った体が少しにごって見える。


20150124_メダカ-5.jpg 


 悲しげなのは子供たちよりマヨである。
 ボクは自分のせいであるかのように申し訳ない気持ちになった。


 水槽から網で拾い上げると、死んだメダカは網にぴったりくっついた。
 指でつまんでバケツに入れる。
 死んでしまったメダカは、そのままにしておくと水が悪くなるのですぐに
取り除くようにしている。
 生ゴミとして捨てるのも忍びないし、わざわざ埋めるのもご大層なので、
ベランダのザリガニの水槽に放り込んだ。
 きっと食べるだろう。


20150131_メダカくる-7.jpg

 案の定、我が家のザリガニ「ザリコ」はメダカの死骸がお気に召した
らしく、ザリガニ専用の餌には見向きもせず、放り込まれたメダカを
ぺろりと平らげた。
 メダカの死は、全くの無駄にはならずに済んだわけだ。輪廻はめぐる
風車…。


 その話をすると、マヨが言った。

 「そう言えば、水槽の中に死んだメダカがいる時、他の仲間が
それをツンツンしてるんだよね」

 ツンツンというのは、口先で突ついているという意味だ。
 …食べているのか?
 
 ザリコの水槽にメダカの死骸を入れる事、そして「仲間がツンツン
している」という情報が、その後重要な意味を帯びてくる事になる。







 …こんな話の後ですが、連載中の漫画があります。
 ドッグライフコンシェルジェ見てくださいね。
 不機嫌な犬と不器用な飼い主の話です。


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