40_総会⑦

　え～…。

　いつも日陰で絵日記を読んでいただきありがとうございます。

　最近文字数が多くなる一方であるにも関わらず、ついてきてくださる

　読者のみなさま、本当にありがとうございます。

　「自治会☆カプリッチョ」のシリーズは今回で40話目の記事です。

　かの有名な小説「グイン・サーガ」ではありませんが、なんとなく

　「100話くらいで終わらせよう。…そんなにたくさん書けるかな？」と

　思っていたのですが、一年の始まりである「総会」の話でもうこんなに

　きてしまいました（笑）。

　まだまだくじけずに読んでいただけるとさいわいです。

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　こういう記事を面白がってくださる方はまだいらっしゃるかもしれません。

　ランキングが少しでもあがると、多くの人に見ていただける機会が

　増えるので…。

　では、本日の記事です。

40

　「今後同じような事を繰り返さない！」

　ひときわ大きな声が集会室に響いた。

　次に指名された人が、天井を向いて叫んでいる。

　「今後同じような事を繰り返さない！　それは大切なことであります。

　　3月11日の震災を受け、我がマンション管理組合も2011年を

　　あらたな元年とし、新しい第一歩を踏み出す決意で事にのぞむべきで

　　あります！」

　　　　

　時に高々と口早に、時にゆっくりと低いトーンで。

　酔った口調で続けるのはカワソウさんと呼ばれた人だ。

　「まずは経費圧縮、次に管理修繕費の滞納者に対する厳しい姿勢…」

　いろいろ抱負を口にしているが、カワソウさんは今期の理事ではない。

　新たな元年とやらも、事にのぞむ姿勢とやらも、自分がやるわけではないから

　言いたい放題だ。

　前期理事長をあれこれ糾弾しつつ、今期の管理組合には「こうさせる」と

　命令口調。

　この人は何なんだろう…と思っていると、カワソウさんの次に指名された人も

　似たような事を言い始めた。

　誰かが一石を投じると、それに便乗する形で次々に右にならえが始まる。

　責められ続けて前期理事長もくたくたの様子だ。

　ボクも進まぬ議題に疲れてきた。

　管理会社の契約継続の是非、今期理事の承認、震災でダメージを受けた箇所の

　修繕の承認…。

　予定された議案はまだまだ残っている。

　「もう、やめましょうよ」

　挙手とともに、ゆっくりした声が聞こえた。

　見れば隣の人である。

　　　　　　

　それは、ワダさんだった。

　<続く>

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