気が付けば一か月くらい中断していたこのシリーズ。
お正月にたっぷり寝て、すっかり元気が回復したので再開です。
自治会の活動の負担もあって、すっかり睡眠不足な日々が続いていたので…。
やっぱり寝ないとダメだよなぁ。
さて。
自治会の副会長に決まったボクは、自治会長からの要請で「三役会議」に参加した。
「三役」とはこの場合、自治会長のワダさん、副会長のシバタさん、ボクの三人を示す。
シバタさんは前回初対面。
どんな人間かもよくわからないのだが、お義母さんから聞いた話では難物との事で、
「エンドウさんとシバタさん両方いるの!?」と、お義母さんのマンション友達から悲鳴が
出たほど、甲乙つけがたいくらい大変な人らしい。
もちろんエンドウさんが難物なのは、前回のトラブルで経験済み。
ボクはドキドキしながら集会室に向かった。
「こっちこっち。どうもご苦労様」
部屋に入ると、ワダさんが笑顔でボクを招き入れてくれた。
シバタさんも心なしか笑顔で、少なくともボクを拒絶するような雰囲気はない。
「今、会長から話を聞いていたばかりなんだけどね」
とシバタさんがボクに向かって言った。
新婦さんが新しい苗字を使いたがるように、決まったばかりの役職をさっそく口にする。
シバタさんの手元にはノートパソコンがある。
PCにうといボクでもわかるくらいグレードの高いもので、ウィンドウズも最新だ。
周辺機材もいくつか持ち込んでいて、すぐに目についたのはポータブルプリンターだった。
「今期の会長は、いろいろな思いがあるようだよ」
その言葉を受けて、ワダさんが口を開いた。
「ボクはね、今までなぁなぁでやってきたところをいろいろ改革したいと思っているんだよ」
席につきながらその言葉を聞いた時、ボクはいやな予感がした。
改革…改革?
ボクは今期の自治会が初めての役員となる。
したがって「改革前」がどんな活動だったのか知らない。
問題があったのかもしれない。なぁなぁだったのかもしれない。
だが…「改革」とは「今まで通りではない」という事だ。
「今まで通り」であれば、問題があったり、なぁなぁであったりしても、定番の作業を
行うだけだから、労力は少なくて済む。
「改革」というからには新しい事を始めるわけで…それは確実に負担が大きくなる事を意味する。
最低労力で今期を逃げ切りたいボクとしては、できれば避けたい展開である。
「まぁ、思いつくまま挙げるとすると、こんなところかな…」
と、軽い口調で始めた「改革」の内容を聞くにしたがい、ボクはだんだんと青ざめていくのだった。
<続く>
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