38歳免許への道 40 | 日陰で絵日記

日陰で絵日記

イラスト描きとその家族の日記

<卒業検定⑫>



 「お時間をください」


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 肉厚の男性がボクの前に立ちふさがった。

 年齢は五十代だろうか?

 貫禄があり、言葉にも逆らえない重い響きがある。


 目に笑みはない。



 その言葉を耳にして、他の生徒もボク同様立ち止まった。


 「いえ、カゲオさんだけです」



 他の生徒には笑みを浮かべてそう言い、「卒業おめでとうございます」と言い足している。

 

 ボクは教官の方を見た。

 ボクに卒業を言い渡してくれた教官は、何の説明もなく、曖昧な顔で教室から出て行った。


 後には、ボクと、その男性だけが残った。




 


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