ほらほら。
長い影を引きずって、寂しがり屋さんがやってくるよ。
寂しがり屋さんは、ひとりが大嫌い。
誰かと一緒に笑いたくて、おどけたくて。
いつもひとりで泣いていた寂しがり屋さん。
悲しみを分け合えた人もいないのに。
希望が大好きで、いつも片想いをしている。
いつか両想いになれるさ。
無理だと言われるほど、心は熱く燃え上がるから。
冷蔵庫の隅っこで忘れ去られている食材。
活躍する日を夢に見て、買われてきたのにね。
日陰ものだって太陽の光が好きだから。
日の当たる場所で、輝ける明日を思い描いて。
ほらほら、泣いたカラスがもう笑った。
あなたの癒しになりたい。
フトコロに寄り添っていたい。
忌み嫌われる害虫にだって、愛する虫がいて。
死んでしまえば、泣いてくれる。
憎むべき敵は、どこにもいない。
自分自身の中にいるよ。
自分という、最強最悪の敵を倒したとき。
世界には敵なんていないと知るのでしょう。
国家なんていう、アホみたいな価値観のために殺されてたまるか。
夏の日差しが強くなってきた。
汗がしたたる午後は、陽炎の中に残像を見る。
寂しがり屋さん。
もう泣くのをやめて、私と踊りませんか。
どこまでもくだらない、この世界のアホさ加減を笑いながら。