和訳『I Drove All Night』(Cyndi Lauper / シンディ・ローパー) | タブンダブン

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流浪のライター、かげぎすのブログ。書評、映画感想、洋楽の和訳などいろいろとやっています。

今回は久々のFrom USA。

 

早熟なアーティストの感性が学校の世界と衝突、いよいよ我慢ならずに家出をして、気づけばトップスター街道を歩んでいた少女、その名もCyndi Lauper(シンディ・ローパー)

 

和訳曲は『I Drove All Night』(1989)。

 

 

 

日本でも非常に高い知名度を誇るシンディ。

 

みなさんも当然ごぞんじ、彼女は次々にGirls Just Want to Have FunTime after TimeTrue Colorsなど数々の名曲を送り出しました。

 

 

シンディ・ローパーは僕の大好きな女性歌手のひとりです。

 

彼女の独特な歌声と強烈な存在感は、当時のアメリカ80’s音楽を鮮やかに彩ります。

 

大人の女性の色香をふりまくマドンナとは対照的に、シンディのポップなファッションと詩は、いつしか若い女の子の代弁者としてみられるようになり、トップシンガーとして確固たる地位を築くことになります。

 

シンディ・ローパーの生き方、思想、キャラクターそのものが、他の追随を許さない独自のブランドになっていったのです。

 

 

かっこよくて、かわいい――日本人の感覚で言うなら、シンディはこのカテゴリの元祖みたいな存在だったと言えるかもしれません。

 

 

それにしても、彼女をみていると、歌手にとって「人間性」がいかに大事であるかを思い知らされるような気がします。

 

 

たとえどれだけビジュアルが良くて歌が上手くても、その人に「心のしん」――一貫した人生哲学・世界観――がなければ、まったく薄っぺらく感じてしまうものです。ぜんぜん訴えかけてくるものがない。

 

プラスチック製の小綺麗なお人形さんが歌っていても、まったく心に響かないわけです。

 

それはそう、たとえば恋愛禁止と言われている連中が恋愛ソングを歌うようなものです。たとえばの話ですよ、たとえばの話。

 

そういう意味では、ブリトニー・スピアーズがいかにもアホっぽい歌を唄うのは、道理にかなっていることになります。

 

 

 

シンディは親日家としても有名です。

 

先の震災で他のアーテイストが来日をとりやめるなか、彼女はそうせずにコンサートを敢行し、チャリティにも尽力してくれました。阪神淡路大震災のときも積極的に寄付をしてくれたので、僕たちはその恩を忘れてはならないでしょう。

 

こんなに日本に好意的なのは、彼女がシンガーを目指していたころ、アメリカの日本料理レストランの女性オーナー“スズキサン”にたいへんお世話になったからなのだそうな。

 

デビューを信じて頑張れと“スズキサン”にいつも励まされていたシンディは、以来、日本には特別な思い入れを抱くようになります。

 

調べてみればすぐにわかりますが、なんども日本のメディアにも出ています。

 

興味深いエピソードとしては、90年代に流行したルーズソックスについてコメントを求められたシンディが、

 

あのソックスは格好いいし、いいじゃない

 

といまは懐かしき『ニュースステーション』側の期待とはまったく正反対のことを言ったことがあります。

 

あげく、

 

でも誰が何と言おうとあのソックスは格好いい!

 

とエンディングで言い残したのだとか(wiki参照)。

 

 

しかし考えてみれば、当然なのだろうと思います。

 

そもそもシンディは、学校世界が大嫌いで高校を自主退学した自由人なのですから。世間がどうのというより、自分の感性が下す価値判断がすべてなのです。そうでなければ、シシンディ・ローパーはありえないわけです。

 

 

 

さてさて、今回紹介する『I Drove All Night』は、可愛さを全面的に抑え、“大人の女性”としてのかっこよさを追求した名曲です。

 

はじめてこの曲を聴いたとき、ビビビッときました。ぜひご賞味あれ。

 

 

……ところで僕はシンディの横顔が大好きです(どうでもいい)。

 

この曲のミュージック・ビデオには、横顔の美しさを際立たせるカットがしっかりと収められています。ファンの方は、思う存分堪能してくださいね。

 

 

 

 

 

 

I had to escape
わたしは逃げなければならなかった

 

The city was sticky and cruel
この街は生易しくなかったわ

 

Maybe I should have called you first
あなたにはやく連絡すべきだったかもしれない

 

But I was dying to get to you
けれど あなたが欲しくてたまらなかったの

 

I was dreaming while I drove
長い長い道路を車でひた走りながら 

 

The long straight road ahead, uh, huh
あなたを夢にみていたわ


 

Could taste your sweet kisses
あなたの甘い口づけや 広げられた両腕に

 

Your arms open wide

埋もれることを夢にみていたの
 

This fever for you is just burning me up inside
からだの内側から燃え上がってくる すべてあなたのせいよ
 

 

I drove all night to get to you
だからわたしは一晩中走り続けた あなたを手に入れるために

 

Is that alright
これでよかったのよ

 

I drove all night
走り続けて

 

Crept in your room
そっと部屋に忍び寄り

 

Woke you from your sleep
あなたを眠りから覚ました

 

To make love to you
だって 愛を確かめ合いたかったから

 

Is that alright

これでよかったのよ
 

I drove all night
わたしは車を飛ばし続けた 一晩中ずっと


 

What in this world
なにがわたしたちを引き裂いたというのかしら

 

Keep us from falling apart
それはわからないけれど

 

No matter where I go I hear
どこにいようとも関係ないわ あなたの

 

The beating of your heart

胸の鼓動をいつも肌で感じるのだから
 

I think about you
あなたのことばかり考えているわ

 

When the night is cold and dark
たとえこの夜が凍てつく闇で覆われようとも

 

No one can move me

けっして動じないわ
 

The way that you do

わたしを駆り立てるのは あなただけなんだもの
 

Nothing erases the feeling between me and you
二人のあいだに芽生えたものは 誰にも消し去ることなんてできないのよ

 


I drove all night to get to you
わたしは走り続けた 一晩中ずっと

 

Is that alright
これでよかったのよ

 

I drove all night
走り続けて

 

Crept in your room
そっと部屋に忍び寄り

 

Woke you from your sleep
あなたを眠りから覚ました

 

To make love to you
愛を確かめ合いたかった

 

Is that alright
これでよかったの

 

I drove all night
だからわたしは車を飛ばし続けた 一晩中ずっと


 

Could taste your sweet kisses
あなたのキスはきっと口に甘くて

 

Your arms open wide
両腕をひろげてわたしを包んでくれるのだわ

 

This fever for you is just burning me up inside
あなたのせいで 体が熱くてしかたないわ


 

I drove all night to get to you
一晩中ずっと 車を飛ばし続けた

 

Is that alright
これでよかったのよ

 

I drove all night
走り続けて

 

Crept in your room
そっと部屋に忍び寄り

 

Woke you from your sleep
あなたを眠りから覚ました

 

To make love to you
愛を確かめ合いたかった

 

I drove all night... to hold you tight

だから走り続けた……あなたを抱きしめたくて……