橋本麻未「けんせつ小町、女人禁制の時代もあったトンネル現場で活躍する現場監督」 | 輝く女性応援会議オフィシャルブログ「すべての女性が輝く日本へ」Powered by Ameba

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今回の投稿は、「けんせつ小町」こと建設業で活躍する女性、鹿島建設株式会社の橋本麻未さんです。


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女性がトンネル工事現場に入ると山の神(女神)が嫉妬し事故が起こる―。



これまで、坑内(トンネル)は女人禁制とされていました。



私はそのトンネル現場で、現場監督をしていました。


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実際、昭和22年に女性の坑内労働は法律で原則禁止となりました。



当時は労働環境の悪さから女性を守るためでしたが、労働環境が改善されて男女雇用機会均等法が施行されてからも、多くの女性土木技術者が、トンネル現場の見学すら認めてもらえず涙を呑んだそうです。



平成19年の法律改正により女性も坑内で働けるようになり、その2年後、私は津軽半島のトンネル現場に異動になりました。



直径11m、全長6km。



平成27年度開業予定の北海道新幹線のトンネルです。





現場監督は、工程、品質、コスト、環境、安全の管理をします。



は、切羽(きりは)というまさにトンネルを掘っているところを担当させてもらいました。



ほとんどの作業員さんたちにとって、女性の監督は初めてだったそうです。





日曜日以外は24時間3交代で作業が続きます。



我々監督も、1人ずつ3交代で現場に張りつきます。



朝礼のあと、食堂のおばちゃん作のお弁当を持ってスーパーカブに乗り、掘り進んだだけ遠くなっていく切羽に向かいます。





現場では様々な場面で判断が必要です。



自然が相手なのでトラブルだってあります。



決めるのは、私しかいません。



先輩たちは基本的に現場の意見や判断を尊重してくれました。



その裏にある心配やフォローは私が知る以上だったと思います。





時々、作業員さんたちの宿舎にお邪魔してみんなで酒を飲むと、仕事の話はもちろんのこと、彼らの昔話や離れて暮らしている家族の話になります。



そんなとき、無事故無災害が何よりも大事なことだと思いました。


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そんな私の家族も、航空会社の客室乗務員である私の妹は、上空から津軽半島の山々が見えると、その地下90mで働いている姉の安全をいつも祈ってくれていたそうです。





掘り始めてから3年後、トンネルが貫通しました。



その誤差はたった数mm。



無風だったトンネルに、風が吹きます。



声が出ないほど感動しました。



これから百年、もしかしたら数百年、このトンネルを新幹線が通って行くのです。


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ここ数年、けんせつ小町(建設業に携わる女性)は目に見えて増えています。



女性が輝ける環境づくりは、目的ではなく、男女問わず建設業が魅力ある業界になるための必要条件です。



建設業も今、前進しています。


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◆けんせつ小町とは・・・建設業で活躍する女性技術者・技能者の愛称。
http://www.nikkenren.com/sougou/ikusei_11.html


◆けんせつ小町を応援するポータルサイト「建設産業で働く女性がカッコイイ」はこちらから
http://genba-go.jp/know/woman/


◆もっと女性が活躍できる建設業へ向けた取組について~官民挙げての行動計画等はこちらから
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000088.html



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◆次回予告
『SHINE!(シャイン)』スタッフです。
次回の投稿は自己開発したポップコーンの専門店を運営する、株式会社オリーブポップコーン・株式会社長崎の路地裏café代表取締役の藤原里奈さんです。

お楽しみに☆