飛蚊症について | 輝鍼灸院☆輝ファミリーの輝日記☆

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神戸市東灘区にある中医学・東洋医学専門 輝鍼灸院のブログです。

 

 

 

最近、飛蚊症の患者さんを診させて頂く機会が多いので、少しだけ説明を。

 

中医学では飛蚊症を雲霧移睛(うんむいせい)といいます。

 

「眼前黒花」「飛蠅散乱」という称し方もあります。

 

 

『中医症状鑑別診断学』では、

 

外見上は目に異常はないが、眼前に雲状物・蚊蠅状物・旗状物・紐状物・環状物などが浮遊・乱舞するように見えること。

 

とあります。

 

 

雲霧移睛(飛蚊症)には4つのタイプがあります。

 

1.肝腎両虚

 

東洋医学における“肝の臓”“腎の臓”の力が衰えている状態です。

 

・眼前に黒い影が見え、注視すると視力の低下、両目の乾燥感・異物感・疼痛が生じる。

 

・頭のふらつき、耳鳴り、腰や膝の無力感などを伴う。

 

 

 

2.気血両虚

 

その名の通り、気と血が虚しくなった状態です。

 

・眼前に黒い影が見え、目の鈍痛、乾燥感、異物感、疼痛があり、注視すると増悪する。

 

・顔色に艶がない、息切れ、動悸、不眠などを伴う。

 

 

3.痰濁上乏

 

この場合の痰は、体内における病的な水分、特に粘り気の多い病的な水分のことを指します。

 

その痰が体内の上部を襲っている状態です。

 

・眼前に微黄色の影が漂う。

 

・頭がぼーっとする、目を閉じていたい、痰が多い、胸苦しい、体が重くだるい、食欲不振、泥状便を伴う。

 

 

4.湿熱薀蒸

 

体内に湿気を伴う熱がこもり、それによって蒸されているような状態です。

 

・眼前に糸状、蠅蚊状のものが見えて視線とともに移動する。

 

・物がぼんやり見え、球結膜の充血あるいは角膜周囲の毛様充血がある。

 

・頭痛、眼痛、縮瞳、口が苦い、イライラ、尿が濃いなどを伴う。

 

 

つまり、

 

肝の臓と腎の臓が弱っているパターン。

 

気と血が弱っているパターン。

 

※この2つは正気の虚を中心としたもの。

 

痰(病的な水分)が頭部を中心とした上半身を襲っているパターン。

 

湿気を伴った熱がこもり、頭部を蒸しているパターン。

 

※この2つは邪気の実を中心としたもの。

 

大きく分けてこの4つのパターンがあり、またこれらが複合的に(虚実錯雑)重なって起きる場合もあります。

 

治療としては、まずどのパターンに当てはまるのかを弁別し、

 

そのパターンに適合するツボを探し出し、

 

そのツボに対して的確な処置を施すということになります。

 

 

西洋医学的には、

 

老化現象による生理的飛蚊症ならば治療方法はありませんが、

 

網膜裂孔、網膜剥離など病的な症状であれば手術が必要となります。

 

 

症状が現れた時、心配であればまずは眼科で検査を受け、

 

どのような状態にあるのかを把握した上で、

 

その後、西洋医学的な治療を受けるのか、

 

我々のような伝統的な鍼灸を受けるのか判断していけばよいと思います。