ちょっと東京都内へ散歩へ行ってきた(第2話) | りんりん通信

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なんちゃってVOCALOIDマスターが綴る、リンちゃんとの暮らしが主題の時々日記。
基本的に毎月10日・20日・30日の「0の付く日」18時に更新。
※2022年2月から当分の間、毎月15日・30日の2回更新となります
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短編シリーズの第2回。

進められるときには進めてしまおうと、頑張りました。

2月は1回分休ませていただきましたからね。

 

夜明けの銀座で、まもなく消滅する芸術的建築物を見たあとです。

せっかくですから、東京の海沿いにある、ちょっと気になるものを見に寄ってみます。

 

※今回の内容については2020年の記録をもとに書いています。

 

 

●一休みしたいんですよね

 

ここ10年くらい、夜勤の暮らしをしています。

今回は土曜早朝に出てきたのですが… 金曜が忙しい業種ですのでね。

いつも土曜は夜明け近くに帰ってくることが多いのです。

今日はたまたま早く終わったのでこうして回れていますが、

それでも帰宅後急いで準備してそのまま出かけています。

つまり、一睡もしていないし休息もとっていません。

数十キロの荷物をひたすら運び続ける、エグいのやってんですよ。

おじさん、疲労困憊しています。ちょっと休ませてくださいよ。

 

[おれ] 「…ということで、一服しませんか タバコ吸わないですが、お茶でも」

[リン] 「お店入るの嫌いなくせにー てか、朝早すぎてまだどこもやってないと思うよ」

[おれ] 「いつでもどこでもやってるような、簡単なところにしましょうか」

[リン] 「コンビニならいろいろ買えるけど… マスター、コンビニ好きじゃないでしょ?」

[おれ] 「いつも避け気味ですが、ネタになりそうな面白いところならよろしいのでは」

[リン] 「コンビニでネタにできそうな面白いとこなんてあるかな どこも同じだよ?」

[おれ] 「どこも同じはずなのにちょっとだけ違う、そんなコンビニに行ってみましょうか」

 

 

[リン] 「この辺、あんま見ない景色かも ビル少ないしマンションもないよね

     何にもないけど、でも田舎って感じでもない 車多いし」

[おれ] 「いわゆる港湾地区ですね 貨物ヤードとか物流倉庫とか

     港が近いので、流通系の施設が立ち並んでいるんですよ」

[リン] 「コンビニ寄りたいって言ってたじゃん お店なんかなさそうなんだけど」

[おれ] 「コンビニですよ どこにあっても不思議じゃないです」

 

 

[リン] 「あ、ほんとだ! コンビニあった!」

[おれ] 「とにかく入ってみましょうか」

[リン] 「ファミマ、飽きてるんじゃないの? 元配送ドライバーさんとしては」

[おれ] 「普段はコンビニ自体使いませんが… ここはちょっとだけ違うんですって」

[リン] 「ただのファミマだよ? どこにでもあるじゃん」

 

 

[おれ] 「どこにでもあるファミマのはずが、どこか違うでしょう」

[リン] 「うーん、看板もフツーのファミマなんだけどな… あれ?」

 

 

[リン] 「あれれー!?」

[おれ] 「ようやくわかりました?」

 

 

[リン] 「なにここ、ファミリーマートじゃないの!?」

[おれ] 「配色は瓜二つですが、名前はどう見ても別物ですよね」

 

 

[おれ] 「車をなんとか停めましたので… ちょっと見学してみましょうか」

[リン] 「トラックたくさん停まってて、その前に車停めちゃってる

     マスターも同じ停め方したけど、これじゃトラック出れないじゃん」

[おれ] 「カーテン閉めてるトラックは仮眠中なのでしばらく動きません

     買い物程度なら問題ないということで、暗黙のルール化しています」

[リン] 「こういうのも、あたしの知ってるコンビニと違う」

 

 

[リン] 「よく見るファミマとそっくり お店の感じはフツーのコンビニなんだけどな」

[おれ] 「まあ、コンビニですのでね」

 

 

[リン] 「でも、看板が違うでしょ これですごく怪しく見えちゃう

     パクリなの? 堂々とやって、怒られたりしないのかなぁ」

[おれ] 「中に入れば、なにかわかるかもしれませんよ」

[リン] 「お茶買いに行くんだもんね ちょっと入ってみよっか」

 

 

[リン] 「パクリのインチキコンビニかと思ったけど、普通だなぁ

     つーか、よく行くファミマより品揃えがいいような気がする」

[リン] 「住宅街より大量に売れるんでしょう 棚にぎっちり詰め込んでますね」

 

 

[おれ] 「一般的なコンビニは日用雑貨的なものも扱っていると思うんですが…

     ここの雑貨コーナーは多少傾向が異なると思います」

[リン] 「手袋いっぱい! しかも、みんなあんまオシャレじゃないやつ」

[おれ] 「ファッション性より実用性の、いわゆる作業用手袋なんですよ

     こういうエリアですから、商品の需要も違うんですよね」

[リン] 「でも、子供が遊ぶようなボールとかも売ってて、なんか変だな」

[おれ] 「近くに海浜公園とかありますから、お仕事の来店客以外に

     意外とレジャー客も立ち寄るんじゃないですかね」

 

 

[リン] 「ここも変… これ、なんだろ」

[おれ] 「カー用品とか車専用の芳香剤とか 普通のコンビニではあまり見ないかと」

[リン] 「トラックいっぱい停まってたよね 買う人多いってことか」

 

 

[おれ] 「リンちゃん、スーパーでも必ずお菓子の売場眺めますよね」

[リン] 「女の子はね、甘いものは一応目を通すの でも、変わったとこはないかな

     100円均一のお菓子、これってファミマのマーク付きのやつだよ

     インチキファミマなのに置いていいの? 教えてよ、元ドライバーさん」

[おれ] 「おれ冷蔵・定温便配送でしたからね 常温は専門外なんですけど

     でも、別にここインチキではないので大丈夫なんだと思いますよ」

 

 

[おれ] 「リンちゃん、買うもの決まったんですね ではお会計を」

[リン] 「レジの横で揚げ物とか売ってるのも、近所のコンビニと同じ

     ファミチキとかあるし、店員さんの制服もファミマと同じっぽい

     インチキじゃないって言ってたでしょ? 許可もらってるってこと?」

[おれ] 「間違いなく言えるのは、無許可とかパクリではないはずです」

 

 

[リン] 「ニセモノじゃないのかもしれないけど… でも看板は違うんだよね

     ファミマに似せたいなら、本物のファミマにしちゃえばいいのに」

[おれ] 「現実的にこうなっているのですから、相応の理由があるんでしょう」

 

 

[リン] 「買い物できたからいいけどさ これもファミマでよく見るのだよね

     うーん、お店はインチキっぽいけど、品物は本物と見分けつかないな」

[リン] 「本物のファミマ商材だと思いますよ」

 

 

[リン] 「あたしばっか買っちゃったけど、マスターなんにも買わなかったじゃん」

[おれ] 「このあとどこかで買いますから大丈夫です」

[リン] 「あ、まだ寄るつもりなの?」

[おれ] 「せっかくの外出ですから では、そろそろ行きますか」

 

 

 

●で、もう一ヶ所寄ります

 

仕事明けの徹夜明けなので、疲れてるし眠いんですよ。

数十キロの荷物をひたすら運び続ける、エグいのやってまして…(以下略)。

リンちゃんだけ買い物して自分は買わなかったので、どこかで仕入れようと思います。

 

[リン] 「山もないのにいきなりトンネル!」

[おれ] 「海面ギリギリの埋め立て地でも、トンネルはあるんですよ

     運河や港の下をくぐる、海底トンネルが」

[リン] 「この上って、海なの?」

 

 

[おれ] 「お台場のほうまでやってきたんですが… やはり疲れましたね」

[リン] 「ちゃんと休んだほうがいいって 何か食べないと身体に良くないよ

     ほら、コンビニあるよ マスターも買い物するんでしょ 寄ってこうよ」

[おれ] 「そう言ってもらえるといろいろ好都合です」

[リン] 「わけわかんないこと言ってないでさ ここって車停められるかなぁ」

 

 

[おれ] 「ちゃんと駐車場があってよかったですね」

[リン] 「さっきのは変なコンビニだったけど、ここなら安心」

 

 

[おれ] 「こういう機会ですので、ここに寄らないともったいないわけで」

[リン] 「ローソンなんかいつでも行けるんだけどさ …って、あれぇ!?」

 

 

[リン] 「えー!? ここもなんかおかしいんだけど!」

[おれ] 「これまたビミョーに違う気がしますねぇ」

 

 

[リン] 「さっきのファミマっぽい変なとこと同じ名前

     こっちはマークまでローソンと同じ 字体も真似してる!」

[おれ] 「何か理由があるんでしょう たぶん」

 

 

[リン] 「パクリ度がもっとすごい分、さっきより怪しく見えるんだけど」

[おれ] 「さらに本家に近い外観ということは、なおさら許可とってると思いますよ」

[リン] 「似すぎててよくわかんないから、逆にもっと怖いんだよ」

 

 

[おれ] 「ローソン銀行のATM設置です 安心じゃないですか」

[リン] 「じゃ、なんでお店の名前が違うのよ 日本全国同じはずでしょ?」

[おれ] 「事情があるんでしょう ほら、入ってみますよ」

 

 

[リン] 「ここも手袋たくさん売ってる」

[おれ] 「面白いのは、手前にある箱の数々」

[リン] 「よく靴屋さんで見る箱みたいな感じ」

[おれ] 「そう、靴なんですよ 作業用の"安全靴"らしいですけどね」

 

 

[リン] 「やっぱ商品がいっぱい 見た感じは近所のローソンと全く同じ」

[おれ] 「ちゃんとしたコンビニなんですよね」

 

 

[おれ] 「リンちゃん大好きのお菓子コーナー 100円均一はローソンのPBですね」

[リン] 「なんかイマイチ信用できない気もするけど… でも本物そっくりだよね」

[おれ] 「ここも本物のローソン専用商材だと思いますよ」

 

 

[リン] 「店員さんの服装もローソンだし、"からあげクン"売ってるし

     変なんだけど、でもちゃんとローソンしてるんだよね

     やっぱ、パクリじゃないのか」

[おれ] 「ここまで徹底してやってますから、不信感持つ必要はないと思います」

 

 

[リン] 「マスター買ったの見ても、これローソンの商品だよね

     さっきのファミマっぽいのも、このローソンっぽいのも、

     ホンモノのファミマとローソンと変わんないし… 謎だなー」

[おれ] 「ちょっと面白いでしょう」

[リン] 「わざわざビミョーに違う看板なのと、変なお店の名前なのが引っかかる」

[おれ] 「そっくりにしたりわざわざ違う店名にしたり、そこに意味があるらしいです」

 

 

 

[おれ] 「二つのお店ともに、ファミマとローソンそれぞれの正規加盟店です」

[リン] 「認められてる本物ってことね」

[おれ] 「そういうことです 全国のファミマ・ローソンと同じものを売ってます

     違うのは作業用品など若干の売場作りに差があることくらいでしょうか」

[リン] 「手袋とか売ってるだけで、変な名前にする必要あるのかな」

[おれ] 「品揃えによる区別ではなくて、別な理由でこの店名なんですよ」

 

 

[おれ] 「『ポートストア』は、東京港湾福利厚生協会が運営しているお店

     港湾施設に従事する労働者向けの福利厚生施設という設置理由で、

     昔で言う"購買部"のように売店的な意味合いで置かれているものです」

[リン] 「学校にも購買ってあるけど… あんま儲けを求めないから、

     学食とか安く食べれるって聞いたことあるよ」

[おれ] 「運営は社団法人 これは非営利団体という位置づけで、リンちゃん言う通り

     利益追求してはいけない立場なんですね そういう性質のお店ですから、

     ファミリーマートやローソンの看板を掲げると非営利の趣旨と矛盾してくる

     …ということで、表向き大手企業のブランド名を伏せて営業しているようです」

 

 

[リン] 「儲けちゃいけないって言いながら、別に安くなかったよ

     フツーのファミマとかローソンと同じ値段だった気がする

     売店でいいんじゃないの? コンビニやってる意味あるのかな」

[おれ] 「独自で運営しようとすると、調達も管理も大変ですからね

     既存のチェーンに加盟したほうが、ずっと楽なんだと思います

     利用者も、独自性より利便性を求めているはずですからね」

[リン] 「難しいけど、なんとなくわかった! 儲けちゃいけないとこがやってるから

     宣伝にならないようにファミマやローソンじゃないことにしてるけど、

     本物と同じサービスで普通のコンビニと同じ安心が買えるってことね」

[おれ] 「ちゃんと理解できてるじゃないですか さすが賢いですね」

 

 

[おれ] 「ちなみに『ポートストア』は、横浜港湾福利厚生協会も運営しています

     別法人が設置しているので、横浜のほうは看板が違うんですけどね

     日本でポートストアがあるのは東京と横浜だけ 結構貴重です」

[リン] 「この変なの知ってるの、こっちの人だけなんだ

     …って言っても、あたしも全然知らなかったけどね」

[おれ] 「ちょっとした面白いのって、探せばいろいろ出てくるでしょう」

 

 

[おれ] 「都内のお散歩はここまで そろそろ横浜へと戻りましょうか」

[リン] 「マスター無理しすぎてるもん、お休みだからゆっくりしたほうがいいよ」

[おれ] 「じつは、もうちょっとだけ無理してみようと考えたりしてますけどね」

[リン] 「?」

 

 

[リン] 「そういえばさ、マスターのお仕事してるの見たことないけどさ

     前、ホントにコンビニのお仕事やってたの?

     イアも言ってたよ 力仕事なんてしてそうにないって

     あたしはずっと見てるから疑ってないけどさ

     その辺教えてよ、元コンビニドライバーさん♪」

[おれ] 「優良ドライバーとしてちゃんとやってましたよ すでに過去の話ですけどね」

 

 

[おれ] 「つーか、ちゃっかり食べてたんですかリンちゃん」

[リン] 「あっ、別に我慢できなかったとかそーいうのじゃないんだからね

     ただ、ホントに普通のコンビニのと同じか味見してみただけっていうか」

[おれ] 「文句なんて言いませんから大丈夫ですって」

[リン] 「『さっきラーメン食べただろ』って言いたそうな顔してんじゃん!」

[おれ] 「何も言ってないのに責めてくるのは勘弁してくださいよシクシク」

 

 

 

3回での公開予定ですので、次回の第3回が最終話。

さて、無事に出し切れるのかどうか。ダメならカバー曲回。乞うご期待。

 

 

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