東京都内の散歩レポ、第3回。3話シリーズですので、今回で最終回です。
カバー曲回でごまかすことなく、なんとか一気に仕上げられました。
タイトルは東京都内の散歩となっていますが、今回はおまけ的なのと
補完的なので構成されています。都内は出てきません。なんというタイトル詐称。
まあ、前回までの都内のお話とつながっていますからね。許容範囲としてます。
※今回の内容については2022年の記録をもとに書いています。
●都内の帰りに、地元でちょっとだけ寄り道
全然都内とは無関係なんですけどね。
気になるところがありましたので、帰宅直前に寄ってみました。
たぶん、1年でわずかしかない期間限定、この時期でないと見られないでしょうから。
[おれ] 「横浜市内、つまりはうちの近所になると思うんですが…
ちょうどいい時期なので、リンちゃんと行ってみようかと」
[リン] 「わぁ! なんだここ!?」
※ほとんどの画像は拡大表示可能なサイズにしています
[おれ] 「毎年、畑に菜の花を咲かせているようです
春の訪れより早く、2月頃から開花するようですね」
[リン] 「横浜って、畑とか結構多いよね」
[おれ] 「もっとも、ここは休耕畑に近い状況のようで、近年はもっぱら
菜の花畑にしか利用されていないようなんですけどね」
[リン] 「あの高いとこ通ってるのって、電車でしょ?
都市と自然の共存って、ここにもあったんだね」
[リン] 「地面に敷き詰められた黄色い菜の花と、淡いピンクの桜
こんな春らしい眺めが地元にあるなんて、知らなかったよ」
[おれ] 「喜んでもらえたなら、寄り道した甲斐がありましたね」
[リン] 「桜と菜の花が同時に見れる時期って、短そうだよね」
[おれ] 「菜の花は意外と長くて、2月に開花して4月くらいまで咲くようです
対して桜はご存じの通りですね」
[リン] 「重なる1週間くらいだけってことでしょ? やっぱ貴重なんだ」
[おれ] 「1週間前ならまだ5分咲きだったでしょうし、来週にはもう散っているはず
すでに桜吹雪ですから、2~3日後に見頃は終わりでしょう」
[リン] 「お休み取れなかったら、お出かけしなかったら、見れなかったってことね」
[リン] 「菜の花って、たしか油採るのに利用されてるんでしょ?
"菜種油"って、よく聞くよね」
[おれ] 「勉強してますねぇ 正式には『アブラナ』という植物ですからね
近代で多いのは欧州原産のセイヨウアブラナ ここのもこの品種でしょう」
[リン] 「外来種ってこと? それ、あんまよくないことなんじゃないの?」
[おれ] 「特定外来生物などの有害なものは駆除対象とされますが、有用なものは別です
野菜にしても、ブロッコリーとかトマトとかセロリとか、海外移入の品種が
堂々と売られていますよね これらを悪者にすると収集つかなくなりますよ」
[リン] 「結局は人間の都合で善し悪しが決まるってことだよね、それ」
[おれ] 「菜種油を採る品種としてはセイヨウアブラナが主流ながら、日本在来種の
アブラナも案外多く流通していたりするんですよ」
[リン] 「見分けつかないからピンとこないけど」
[おれ] 「食用に向いているのは在来種のほう つまり八百屋や野菜売り場などで見る
"菜花"と呼ばれる野菜は、在来種のアブラナのほうなんです
野菜として出荷される場合は花が開く前に収穫されてしまうんですよね」
[リン] 「スーパーで見る菜の花って、つぼみの状態で売ってるもんね 納得した!」
[おれ] 「野菜って、調べていくといろいろ奥深いものらしいんですよ 例えば…
白菜・小松菜・カブ…この3つの野菜の共通点って、なんだと思います?」
[リン] 「味も形も全然違うじゃん んー、なんだろ …降参、答え教えてよ」
[おれ] 「じつは、この3つの野菜とアブラナ在来種、学名は同一なんですよ」
[リン] 「えー!? 全部同じ植物ってこと!? 全く違うのに?」
[おれ] 「あくまで生物学上の学名として同種ということですよ」
・菜ばなの辛し和え(写真素材フォトライブラリー・yushitaさまの写真を借用)
[おれ] 「人間は肌の色や体格・性格など多様な民族があるのに、すべて同一種
犬や猫もあれだけいろんな外観がいるのに、これまたそれぞれ同一種
生物学上の種の中で、異なった亜種が生まれてきたんですね」
[リン] 「菜の花と小松菜と白菜とカブは、全部亜種って意味?」
[おれ] 「もともと同一でも、需要に応じて改良されてきたんでしょうね
ちなみにセイヨウアブラナと在来種のアブラナは分類上別種
つまり八百屋の菜の花と白菜・カブは同一種なのに、目の前のこの花は別物で…」
[リン] 「ちょっと待ってよ、なんかよくわかんなくなってきたんだけど」
[おれ] 「専門学というのはよう解らんものってことですよ」
[リン] 「あ、電車来た! なんか不思議な眺めだよね、これ」
[おれ] 「緑を大切にするニュータウン郊外という地区としては、ある意味正統です
高架を通ってるのが地下鉄…というほうが矛盾している気もしますが」
[リン] 「そう言われれば確かにそうじゃん! 何で地下鉄なのに高いとこ走るの?」
[おれ] 「厳密には『都市高速鉄道』というカテゴリゆえ、高所に建設されても
何ら不思議ではないんですが…これまた専門的には解らん分野ということで」
[リン] 「ねえねえ! あたしのこと喜ばせようとして連れてきてくれたんでしょ?」
[おれ] 「そっそれはですねぇ」
[リン] 「ほらー、またごまかそうとするっ! ちゃんと言ってくれたほうがいいんだよ
あたしだってこうやって連れてきてもらうとうれしいんだからさ♪」
[おれ] 「まあ、そういうことにしておきましょうか」
[リン] 「もう、素直じゃないなぁ まあそういう答えでもあたしは解ってるからさ
全然気になんかしてないんだけどね!」
[おれ] 「すみませんねぇシクシク」
[リン] 「なんか寒くなってきたかも まだ3月だもんね」
[おれ] 「風邪ひかないうちに帰りましょうか」
[リン] 「マスターもお家でゆっくりしたほうがいいよ 昨日の夜寝てないじゃん
若くないんだから、もっともっと身体のこと気を付けてさぁ」
[おれ] 「おっさんとはなにかと悲しいお年頃ですよねぇシクシク」
[リン] 「あたし心配して言ってるだけだからね」
[リン] 「あ、そうだ! もう一つやること残ってるんじゃないの?」
[おれ] 「なっなんでしょうかいったい」
[リン] 「夜明けに見に行った、あの不思議な形したマンションのことよ
なんかお話の続きがあるから、またどこか行こうって言ってたじゃん」
[おれ] 「うっ… 確かに言いましたよね」
[リン] 「詳しくなくても、あんな説明されたら気になるよ
だから、それ見に行くまで、宿題として残しといてね
早めに提出したほうがいいと思うぞっ♡」
[おれ] 「疲れてるときにエグイこと言いますねぇリンちゃんシクシク」
●そんなわけで、例のビルについての何かを見に行く
銀座にあった、中銀カプセルタワービルという名の集合住宅。
残念ながら2022年に解体されてしまい現存しませんが、何せ斬新な建物でした。
外観を見てしまった以上、もうちょっと知りたくなるではないですか。
そんな理由で、後日ある場所へと出向くことになりました。
1ヶ月ほど経ってからのお話ですが、同一の話題ゆえ、ここにまとめておきます。
[おれ] 「5月上旬、お休みが取れたので外出することになりました
はい、リンちゃん ちゃんと連れてきましたよ」
[リン] 「あのすごいパズルみたいなマンションの続きでしょ?
てかさ、ここ埼玉県って言ってたじゃん」
[おれ] 「埼玉県さいたま市浦和区 北浦和駅西口から3分ほど歩いた場所です」
[リン] 「北浦和って、なにが東京のビルと関係あるんだろ?」
[おれ] 「あとでわかると思いますから、とりあえず進みましょうか」
[おれ] 「もう目の前が目的地なわけですが」
[リン] 「"埼玉県北浦和公園"?」
[おれ] 「お休みの散策にはよさげなスポットじゃないですか」
[リン] 「ガラにもないこと言うなぁ ちゃんと目的があって来たんでしょ」
[おれ] 「もちろん、わざわざ来る意味があるからこうしてここにいるわけで」
[おれ] 「すぐ近くのようですよ」
[リン] 「近代美術館展っていうのが目玉みたいだけど…
マスターには無縁でしょ、どう考えても」
[おれ] 「心外ですなぁ まずはそこに向かうんですよ」
[おれ] 「はい、入口から1分で着きました」
[リン] 「おふざけかと思ったけど、ガチだったの?」
[おれ] 「半分ネタ、半分ガチってことで
近代美術館に用事はありますが、美術品展示は自分にはたぶん理解不能で」
[リン] 「それ知ってるから言ったの! で、なんの用事なの?」
[おれ] 「斬新で未来的な建物ですね これ素晴らしいと思いませんか?」
[リン] 「近代美術館って名前にピッタリ、カッコいいよね! 建物もアートって感じ!」
[おれ] 「そうなんですよ 建築物自体が芸術なんですよ」
[リン] 「アハハ、銀座のあのすごいマンション見た時と同じ感想じゃん!」
[おれ] 「いい展開に話をもっていってくれますねぇ そうなんですよ
近代美術館にふさわしい芸術的建築物 じつは世界的な有名建築家の作品です」
[リン] 「それってさ、もしかして…」
[おれ] 「その通り、あの黒川紀章氏の設計なんですよ」
[リン] 「やっぱり、そういうことか!」
[おれ] 「昭和57年開館とのことです 40年も前にデザインされたものですよ
住宅街で見かける40年前のマンションはかなり古臭いんですが、これは…」
[リン] 「やっぱ世界で評価される人の作品は全然違うって意味だと思う!」
[おれ] 「いろいろ盛り上がりましたが、そろそろ」
[リン] 「あのブロック積んだみたいなマンション作った巨匠の作品見れたから、
もう満足して帰れるって言うんでしょ?」
[おれ] 「いや、ここからが本題だと思うわけですが」
[リン] 「なにそれ?」
[おれ] 「ここですよここ」
[リン] 「彫刻広場? だから彫刻とか絵画とかわかんないとか言ってたのにさぁ」
[おれ] 「わかる何かがあるかもしれませんからね、散策にはよろしいのでは」
[リン] 「よくわかんないこと言っちゃってるよねー」
[おれ] 「うーん、妄想癖はあるけど空想力に乏しいおれとしては…
申し訳ないんですがアーティストの熱き主張は読み取れないようで」
[リン] 「ほらぁ、やっぱりそうなったじゃん」
[おれ] 「超小物ながらモノを創作することを理想とする自分ゆえ、
何か少しでも共感したいと思って頑張ってみてはいますが、
芸術家の方の頭脳は根本的に異なる次元といいますか」
[リン] 「こういうの作れる人は、あたしたちより何千倍も非凡なの!」
[おれ] 「平凡が最も嫌いなおれでも、芸術家から見たら屁みたいなものですかシクシク」
[リン] 「あ、あっちのならわかりやすいと思うよ! あの白いサイコロみたいの」
[おれ] 「リンちゃん、なんだかわかってて言ってるんですかそれ」
[リン] 「えへへ、さっぱりー たぶん、トイレかなんかじゃないのかなぁ」
[おれ] 「シルエットはそれっぽいですが、でかい窓付きトイレなんかありますかいな」
[リン] 「そういえばそうだよね あんなシースルートイレなんて入れるはずないわ」
[リン] 「さすがにマスターのことバカにしすぎたかぁ 謝らないとね」
[おれ] 「いや、見極めはともかく、観察眼は素晴らしい」
[リン] 「なになに? どういう意味なのそれ」
[おれ] 「あれを見るために埼玉まで来たんですから」
[リン] 「えー? あの白い箱?」
[リン] 「これ彫刻作品じゃないと思うんだよね 何でここにあるんだろ
現代アートとしてはありって気もするけど、なんか不思議な感じ」
[おれ] 「そうそう、その不思議な印象を伝えられれば意味があるってことでしょう
リンちゃん言う通り、これもアートとして展示されているものですからね」
[リン] 「どういう表現なのかなぁ 何も説明が見当たらないんだけど」
[おれ] 「眺めて考えるだけのアートとは違うんですよ しっかり実用性がある」
[リン] 「トイレじゃないって言ってたじゃん なんの役に立つんだろ」
[おれ] 「この形、記憶にありませんか?」
[リン] 「丸い大きな窓がついてる箱でしょ? うーん、見たような気がするけど」
[おれ] 「1ヶ月くらい前に一緒に見に行った、例のアレですよ」
[リン] 「あれれー? これってもしかしてさぁ」
[おれ] 「そう、黒川紀章氏の代表作、カプセルタワービルのカプセルなんです」
[リン] 「これ、ホンモノなの?」
[おれ] 「実際にあのマンションに取り付けられた履歴はないんですが…
これ建築前に作られたプロトタイプ、つまりモデルハウスのような先行試作品
未入居ですが、実物の初期状態で保存されていた、本物同等のカプセルです」
[リン] 「一つ一つのお部屋に分けると、こんな風になってるんだ」
[おれ] 「こちらがシャフト側、つまりタワー中心の幹の部分に接続する取り付け面ですね
マンションとして組み立てられていた時には見られなかったと思いますが」
[リン] 「おっきなネジと留め具で幹につるされてたんでしょ?
こうやって一つ一つの部屋に分解できる構造ってことなのかな」
[おれ] 「そう、ボルト固定ですから、理論的には一部屋ずつ取り外せるんですよ」
[リン] 「普通の建物は壊す時しか分解できないんじゃないの?」
[おれ] 「例外もありまして、特殊なものは分解を想定している場合もあります
そして、カプセルタワービルもその特殊なものに含まれていたわけで」
[おれ] 「展示用として移設された際に、ガラス窓付のドアに交換されたようですね
ほら、ここから室内の様子が見えますよ」
[リン] 「え、中も作られてるの?」
[おれ] 「内装まで含めて本物同等に作られた試作品です 中身も本物ですって」
[リン] 「うわぁ! ほんとに宇宙船の中みたいだよ! こんなになってたんだ」
[おれ] 「最小限の空間である程度文化的かつ快適な生活をするという意味合いですからね
詰めていくと、当時未来予想図に描かれた宇宙コロニー的になるんだと思います」
[おれ] 「反対側に回って、丸窓のほうから覗くとさらに面白い」
[リン] 「こっちのほうがよくわかる! わー、本当にSFの世界って感じ!」
[おれ] 「窓側にベッド、その奥がリビング、さらに奥がユニットバスと玄関
左側のドアがバス・トイレの入り口 収納や設備は右の壁面に集約」
[リン] 「机、畳むと壁に収まる造りになってるみたい いろいろ付いてるなぁ」
[おれ] 「エアコン、テレビ、電話、電卓、オーディオ…
一部オプションだったようですが、すべてパッケージ化されていたんですね」
[リン] 「昭和40年代でしょ? 昔の人が考える近未来を現実化したって感じかな」
[おれ] 「デザインにとどまらず、機能も最先端を目指したんでしょうね
非現実的な空想をリアルに形としたことが、黒川氏の巨匠たる所以でしょうか」
[リン] 「でもさ、残念だと思うのはさ…
最先端のものって、古くなるのも早いじゃん スマホやパソコンなんかも同じ
何年かしたらアップデートとか仕様変更とかで使えなくなっちゃったりして
こんな機械、あたし見たことないもん もう誰も使ってないでしょ
全部壁に埋め込んじゃってるから、交換とかもできない気がするの
結局、部屋ごとダメになっちゃって、長持ちしないんじゃないのかなぁ」
[おれ] 「そう、カプセルとしては短命になるんですよ そういう設計なんです」
[リン] 「芸術のために寿命縮まったら、それは長く残せないと思うんだけど」
[おれ] 「部屋としては短寿命でも、建物としては長寿命とすること…
それが偉人がカプセルタワービルに込めた理想だったんですよ」
[リン] 「どういう意味?」
[おれ] 「"中銀カプセルタワービル"は、『メタボリズム』の象徴とされます
メタボリズムとは新陳代謝という意味の言葉なんですが…
つまり、髪が生え変わったり、皮膚が新しくなったりと同じこと
消耗する部分だけ積極的に更新して、本体は長く使おうという趣旨で」
[リン] 「まさか… 古くなった部屋は捨てて、新しい部屋に付け替えて、
常に部分的に入れ替えながら長生きさせようとしたの?」
[おれ] 「細胞が生まれ変わることで長く姿をとどめる生物に倣って、
時代に応じた姿に変わりながら建築物を生かし続けようという思想、
さらにはそういう建物を集約して常に新しい生活様式に生まれ変われる都市…
黒川紀章氏はそんな壮大な構想を目指して、このカプセルを生み出したんですね」
[リン] 「たった一つのビルだったけど、じつは大きな物語になってたかもしれないのね」
[おれ] 「実現はしませんでしたけど… でも、夢のような未来想像図でしょう」
[リン] 「すごい建築家さんだって話は聞いたけどさ
やっぱアーティストじゃん 芸術品と並べられてて当然だよ、このカプセル
しかもSFの世界まで創造して、それって作家さんでもあるってことじゃないの?」
[おれ] 「フツーに暮らしている人々には思いつかないようなことを、こうして造れる
建築も芸術も文学も、いろいろ生み出せる人っていうのは偉大ですよね
カプセルタワービルは失われてしまいましたが、断片的に残るものはある
形としての遺産も、精神的な遺産も… こうして自分が貴重さに気づいて、
リンちゃんも共有できて、それぞれが他の人に何かを伝えることができたなら…
たぶん、巨匠の遺志を少しだけは受け渡せたのかなと考えるわけです」
[リン] 「あたしは技術的なことは何にもわかんないけど…
この世界には空想を実現したアートがあることはわかった!
こうして実際に自分の目で見て確かめるって、大事なことだよね
学校の成績には役に立たないけど、成績以外の大切なものもあるんだ」
[おれ] 「それに気づいてくれれば、再びお出かけしてきた意味がありましたね」
[おれ] 「世界的に評価された今は亡きカプセル式集合住宅のストーリー
はい、彫刻広場見学をもちまして完結です」
[リン] 「学校の成績無視して旅して写真撮ったりしてたマスターとしては、
こういうの記録できてすっごく満足できたでしょ☆」
[おれ] 「言い方は相変わらずえげつないですが、概ね合ってます」
●世の中建前っていうのがあるらしいんですよ
建前というのは世間体的にもとても大切な一因らしくてですね、
ここも建前というものの上でいろんな余談を拡大して書かせていただいてるわけでしてね。
[リン] 「ねえ、今回も『VOCALOID名物件調査』とかいう名分で来たんじゃないの?」
[おれ] 「わかってますって、もちろん寄りますよ やむなくって感じもしますけど」
[リン] 「もしかして、この辺?」
[おれ] 「目の前のアパートなんですけどね」
[リン] 「リンハイツ! わざわざあたしと同じ名前のとこ見つけてくれてたの?」
[おれ] 「せっかく近隣まで来ましたからね」
[おれ] 「少し足を延ばして、また埼玉県内のアパートです」
[リン] 「これも『Rin』だって! やっぱあたしのとこ寄ってくれてんじゃん♡」
[おれ] 「ここもついでではありますが… リンちゃん自分の名前のところじゃないと
いろいろ不満言い出すじゃないですかシクシク」
[おれ] 「今回のお話はこのアパート『リブリRin』で終わり ご満足いただけましたか?」
[リン] 「なんなのよー、ここ! あたしのことバカにされてるみたいでっ!」
[おれ] 「しゃれた小綺麗なアパートだと思うんですが」
[リン] 「名前が嫌なの! 失礼だわ! 『ブリブリRin』って、なんのつもりなの!」
[おれ] 「『リブリRin』ですからね、ブリブリじゃなしに」
[リン] 「あっそうだったんだ… 聞き違いで恥かいたし」
[リン] 「あー、マスター! あたしがブリブリだとか思ってたんでしょっ!」
[おれ] 「別にそんなこと思ってないし、そもそも言ってもいませんよ
リンちゃんが聞き間違えただけでは…」
[リン] 「マスター、ちょっとウケてるって顔に見えたんだけどっ! 失礼だって!
デリカシーってものがないわ」
[おれ] 「まあ、言われてみればその通りですが…」
[リン] 「あたし、別に『ブリっ子』じゃないからっ! ブリブリなんてしてないからね!」
[おれ] 「なんだ、そっちのブリブリですか? はは、おれも勘違いしてましたよ」
[リン] 「あー!! もしかして、なんか下品なの考えたんでしょっ!?
それこそデリカシーないじゃん! サイテー!!」
[おれ] 「お互いちょっと間違いしただけなのに、なんでこうなるんすかシクシク」
シリーズ完結。わずか3話とはいえ、そつなくまとめたな。しょっぱな休みもらったけど。
次回、新しいの企画してますが、ちょっと手間がかかるやつなんですよ。
どっちみちやらなくちゃいけないネタなので、なるべく努力してみます。
次回はお休みとかカバー曲回になりそうな、そんな予感がしますけどね。
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