ここまではなんとか順調に進んでいる、今回のシリーズ。
どこまでこのペースを守って続けられるかわかりませんが、できるだけ頑張ってみます。
※2020年11月の取材をもとに、記事にしています
●某高原で、2日目の夜明け
人気スポットという苦手な場所で、2日目を迎えることとなりました。
仕方ないじゃないですか。昔はそんなに知られていなかったのに、
再訪したらすっかり様子が変わっていたんですから。
夜明けにすべきことがありますから、今日は暗いうちに起きなくてはいけません。
いや、前日までの仕事で疲れてるので、なかなか起きられそうにないんですが。
[おれ] 「でも、やっぱりそろそろ起きないとまずそうなんですよねぇ」
[リン] 「マスター、おはよ」
[おれ] 「うわ! 起きてたんですかリンちゃん」
[リン] 「だってさ、夜明けにイベントがあるとか言ってたでしょ?」
[おれ] 「確かに言いましたけど、ちゃんと起きられるのがすごいと思います」
[リン] 「まだ夜明け前 やっぱこの夜景きれいだよねー
で、たぶんだけどさ これから日の出とか見ようとしてるんでしょ?」
[おれ] 「さすが、勘が鋭い」
[リン] 「夜明けのイベントって言ったら、それしか思いつかないもん」
※風景写真の大部分は拡大表示可能にしています
[リン] 「わぁ、寒い! 長野の山奥だもんね」
[おれ] 「横浜の11月とはわけが違います ちゃんと暖かい服装してくださいよ」
[リン] 「まだ真っ暗なのに、みんな起きて準備始めてるみたい」
[おれ] 「このタイミングのために、車で夜を明かしたんですからね
さて、そろそろ外に出て場所を確保しましょうか」
[おれ] 「15年前に来た時の眺めがこれです ほぼ同じ地点からの撮影のはず」
[リン] 「同じ場所の夜明けの景色が見れるってことね」
[おれ] 「夜明けですよ」
[リン] 「うわぁ!」
[リン] 「やっぱすごいじゃん! 『すごい』なんて平凡な言葉なのが悔しいけどさ
すごい以上の言葉が出てこないよ、すごすぎて」
[おれ] 「それでいいんじゃないかと思いますよ」
[リン] 「夜景が最高なのかと思ってたけど、本当の最高は夜明けの景色だったのね」
[おれ] 「寒い中車に泊まった甲斐があったでしょう」
[リン] 「朝焼けの空に富士山、見上げれば、頭の上にはまだ星空
湖の周りもまだ目覚める前で静かな街灯り なんか幻想的だなー」
[おれ] 「天候に恵まれた日のごく短時間だけ見ることのできる。貴重な瞬間ですね」
[リン] 「だからこんなにたくさん人が集まってるんだ」
[おれ] 「なにもなかったら、晩秋の山の上までわざわざ来る人などいないですからね」
[リン] 「用もないのに雪の季節にここまで来たことあるマスターはかなり珍しいってことでしょ?」
[おれ] 「当人に向かってよくぞえげつないこと言えますねぇシクシク」
[リン] 「あたし褒めてるんだけどっ!」
[リン] 「横浜からも富士山は見えるけど、ここで見るとちょっと違って見える気がする」
[おれ] 「夕日との組み合わせは見えますが、朝日とのセットでは見ることはできませんから」
[リン] 「そっか! この景色は朝の横浜では絶対に見えないってことね」
[リン] 「あれれ、湖に雲みたいのがかかってきちゃった」
[おれ] 「この時期の諏訪湖にはよく見られる光景なんだとか
早朝の冷え込んだ空気が暖かい湖水の上に流れ込むと、霧が発生するようですよ」
[おれ] 「そろそろ日の出ですが… 上空にも雲が出てきて、昇る太陽を拝むのは難しそうですね」
[リン] 「写真撮ってる人、みんな残念がってるのかなぁ」
[おれ] 「お天気は運次第… いえいえ、これだけきれいな光景を記録に残せたら、
きっと満足してるんじゃないですかね 少なくともおれは満足ですよ」
[おれ] 「諏訪湖と富士山ばかりに目が行くのですが… 後ろもなかなかです」
[リン] 「わ、なんか日本じゃないみたい! スイスのアルプスとかって感じ」
[おれ] 「実際に"北アルプス"などと呼ばれていますからね」
[リン] 「なんかこんなのがあるんだけど 『3大標高に愛を誓うビュースポット』」
[おれ] 「よく観光地で見る"恋人の鐘"とかと同類でしょうか」
[おれ] 「日本の山の標高上位3つ 富士山(3776m)・北岳(3193m)・奥穂高岳(3190m)
それらを一望できる展望所ということで名付けられたようですが…
なんで『愛を誓う』と関係あるのか やや無理矢理感もありますねぇ」
[リン] 「こういうのはベタなのがウケるんだよ、特にフツーの人には」
[リン] 「ねえねえ、マスター あたしと愛誓い合ってみる?」
[おれ] 「なっなんてこと言っちゃってるんですかリンちゃん!」
[リン] 「あー! やっぱあたしとじゃ嫌なんじゃん」
[おれ] 「いっ嫌なんて、そんなわけないじゃないですか」
[リン] 「慌ててるー! あはは、冗談だからねー もしかして本気にしちゃってたの!?」
[おれ] 「釣られるのわかってて結局釣られるの、自分でも悲しくなりますねぇシクシク」
[おれ] 「15年ぶりに再訪して、リンちゃんと景色を眺められたこと、とても大きな価値がありました」
[リン] 「マスターの人生にとって役に立てたなら、あたしも嬉しいな」
[おれ] 「ちょっと早起きしすぎました もう少し休んでいきましょうか」
●次の目的地へ
今回は土日の連休を使ってのお出かけです。
巷では3連休の最中なはずなんですが、自分はなぜか今日が連休最終日。
明日は勤労感謝の日のはずなのに勤労しなくてはいけないとは、どんな罰ゲームなのよこれ。
というわけで、ほかの皆様ほどのんびりしていられません。次の予定をこなさなくては。
[おれ] 「2時間ほど休めましたから、そろそろ出発しましょうか」
[リン] 「準備できてるよ!」
[おれ] 「ちなみにここ高ボッチ高原の名の由来ですが…
日本各地の伝承に登場する巨人"ダイダラボッチ"が腰かけて休んだ山という
言い伝えによるものという説があります ほかにも諸説あるそうですけどね」
[リン] 「昔々のお話からつけられた名前ってことか 確かに興味深いな」
[リン] 「でも、昔話だけじゃなくて、マスターの人生のストーリーにとっても大切な場所でしょ?」
[おれ] 「ですから、大人になってからの遊びですからね そんなにたいそうな記憶ではないですよ」
[リン] 「だけど、今でも大事な思い出にしてるんでしょ?」
[おれ] 「それはその通りですが…」
[リン] 「ほらぁ、やっぱり」
[リン] 「マスターの生きてきた道は、あたしの関心事なの あたしにとっても大切なの」
[おれ] 「本当に変わった子ですねぇ、リンちゃんは」
[リン] 「変わってるとこがいいから連れてきてくれてるんじゃん!」
[リン] 「1℃? そんなに寒いかなぁ 車の中あったかいのに」
[おれ] 「外に出てもそこまで寒くないと思うんですよね」
[おれ] 「15年前の冬、雪の中下ったあの道を、久々に走ります
まさか、ここにリンちゃんと再訪することになるとは、考えもしませんでしたよ」
[リン] 「一緒に来れてよかったでしょ?」
[おれ] 「ありがたいことですね」
[おれ] 「ようやく国道まで下りてきました 次の場所に向かいます」
[リン] 「ねえ、もしかしてだけどさぁ、マスターさぁ…
あたしみたいな子と付き合えてたらよかったなーとか、思ってくれてんの?」
[おれ] 「なっなに言ってるんですかリンちゃん!」
[リン] 「ほらぁ! また照れちゃってるんだからぁ♡」
はい、次回に続きますよ。
【「いいね!」代替方法について】
迷惑行為的な「いいね!」が多いため、この機能についてはオフにしています。
もし少しだけでも評価していただける場合、代わりの方法を用意しています。
※「代替いいね!」についての詳細は下記にまとめています。必要な方はご覧ください。
→「いいね!」代替手段について
下記の1行をコピーして、コメントとして送信いただくだけです。
【いいね!】
(この入力だけの場合こちらからお返事はしません。評価としてありがたく頂戴しておきます)