長野のほうへ調査に行ってきた(第4話) | りんりん通信

りんりん通信

なんちゃってVOCALOIDマスターが綴る、リンちゃんとの暮らしが主題の時々日記。
基本的に毎月10日・20日・30日の「0の付く日」18時に更新。
※2022年2月から当分の間、毎月15日・30日の2回更新となります
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ここまでなんとか順調に更新を続けている、当シリーズ。

そろそろヤバい気配になってきたので、次回はわかりませんよ。

 

※2020年11月の取材をもとに、記事にしています

 

 

●2日目午前中、塩尻市内

 

高ボッチ高原という景勝地で夜を明かし、日の出からしばらくのんびりしてきました。

いや、今回の旅はのんびりなんかしてられないんじゃないのかもしかして。

 

[おれ] 「塩尻市内… 昨夜のラーメン店の辺りまで戻ってきたわけですが」

[リン]  「なにか予定があるみたいだけど… あ、何となくわかった あの場所寄るんでしょ」

 

 

[おれ] 「はい、ここですよ」

[リン]  「やっぱりー!」

 

 

[おれ] 「このエリアでは貴重な休息場所です 今回も欠かすわけにはいきません」

[リン]  「あたしのために、考えてくれてるんでしょ?」

[おれ] 「おれのためでもありますからね ちょうどいいんです」

 

 

[リン]  「なんだっけ? こういうの、サービスエリアとか言うんだっけ」

[おれ] 「サービスエリアとかパーキングエリアは、高速や自動車専用道の休憩施設ですね

      一般道にあるのは道の駅か、あるいは民間の経営するドライブインとかですかね」

 

 

[おれ] 「ここはドライブイン的な施設としては、かなり大規模

     飲食店やコンビニ、ゲームコーナーやコインランドリーもあります

     駐車場も広大で、大型トラックのドライバーも大勢が休憩に立ち寄ります」

[リン]  「お仕事で運転してる人にも大切な場所なんだね」

 

 

[リン]  「そういえば、ここにもラーメン屋さんあるんでしょ? ほら、あれ

      確か横浜家系ラーメンだって言ってたよね、前来た時」

[おれ] 「そうなんですよ」

 

 

[リン]  「前に教えてもらったと思うけど、なんか難しい経緯があったんだよね、ここって」

[おれ] 「今は"萬年家"というお店が営業していますが…

      かつては"吉田家"という、名店の血筋を持つお店が入っていたんですよ」

[リン]  「吉田家? どこかで聞いたような名前だけど」

[おれ] 「昨日寄った"信州五十六家"さんに『吉田家姉妹店』と入っていた件ですかね」

[リン]  「そう! それだよそれ」

[おれ] 「吉田家は家系御三家"六角家"直下に位置するお店

      本店は静岡県伊東市にありますが、その2号店がここ長野県塩尻市にあったんです

      吉田家塩尻店は残念ながら閉店したんですが、お弟子さんがその後お店を出店

      市街地寄りに"信州五十六家"を出して、その味を継承しています」

[リン]  「空いた場所に、代わりの家系ラーメン屋さんができたってことね」

[おれ] 「"居抜き"とかいう出店手法ですよね」

 

 

[リン]  「この前はお休みで閉まってたじゃん で、今日もやってないのかぁ」

[おれ] 「まだ開店時間前なんですよね」

[リン]  「せっかく来たんだから、食べたかったんじゃないの? 残念だね」

[おれ] 「まあ、こればかりはですね」

 

 

[おれ] 「ラーメンが目的で来たわけではないですから…

      リンちゃん、ちゃんと用意してきたんでしょう」

[リン]  「ほら、お風呂セット持ってきたよ!」

 

 

[おれ] 「本当なら温泉とかのほうが喜んでもらえると思うのですが」

[リン]  「またぁ、言うだけなんだからー

      どうせあれでしょ、貸切温泉とか行こうとか言ってみてもさ、

      世間体がどうのこうのとか常識とかモラルとか言って避けるくせにー」

[おれ] 「シャクですが、大方合ってますシクシク」

[リン]  「九州とか連れてってくれたら、また温泉入ったげるからさぁ

      あ、ほら! 全部空いてるからすぐに入れるよ!」

[おれ] 「何度も来てますから、使い方はわかりますよね?」

[リン]  「もう覚えたー! あたしのほうが時間かかるから、先に出たら待っててね」

 

 

[おれ] 「シャワーではリンちゃんには気の毒なんですが… でも入らないよりずっといいです

      最近は新規開通した高速道路のサービスエリアにも増えてきましたが、

      コインシャワーって自分のような旅人には本当に助かりますねぇ」

 

 

[リン]  「あっ、やっぱ待たせちゃったねー」

[おれ] 「それほどでも… てか、やっぱ制服持ってきたんですね」

[リン]  「なんか修学旅行っぽくていいかなって マスターもこのほうが嬉しそうだしね」

 

 

 

●何か食べないといけないんだよなぁ

 

日本中の山道を走り回っていた頃、1日一度の粗食で事足りたのですが…

今の旅ではそうもいかないんです。記事の都合上、そしてリンちゃんのことを考えても。

今朝から何も食べてないんですよね。どうしましょうか。

 

[リン]  「もう11時かぁ 今日中に帰らないと、マスター明日はお仕事なんだもんね」

[おれ] 「てか、そろそろ昼食を考えないといけませんねぇ」

 

 

[リン]  「あれ? ラーメン屋さん、始まったんじゃない?」

[おれ] 「確か、11時開店でしたから 今日は営業日なんですよね」

[リン]  「ここもおいしいのかなぁ あたし、このお店では食べたことないんだよね」

[おれ] 「気になるんですか? しかし、昨日の夜ラーメン食べたばかりですので」

[リン]  「あたしラーメン好きだから、全然気にならないんだけど」

[おれ] 「安心しました じつは最初からそれを期待してたんですが」

 

 

[リン]  「ってことは、食べれるっことね!」

[おれ] 「変わった子ですねぇ」

[リン]  「ねえねえ、変わった子でよかったって思ってるでしょ?」

[おれ] 「それはそうなんですが… 変なこと教えてしまった気もします」

[リン]  「前にさ、次来た時には食べようって約束したよ 覚えてる?

      家系ラーメンの元祖にまつわるエピソードの地なんでしょ? ここって

      食べてみないとその辺納得できないじゃん! ほらほら、お店やってるよ!」

 

 

[リン]  「まだ誰も座ってない 今日最初のお客さんになれたってことかな?」

[おれ] 「駐車場に結構トラック停まってましたし、これから混んでくると思いますけどね

      さて、何を注文しますか まあ、おれはすでに決まってるわけですが」

[リン]  「一番オーソドックスなのがいい! 初めて食べるにはそれが大事だと思う」

[おれ] 「ごもっともな意見です おれも基本中の基本のとんこつ醤油にしますよ」

 

 

[おれ] 「久しぶりに来られましたねぇ」

[リン]  「そっか、マスターは前に食べたことあるんだ」

[おれ] 「もう10年以上前、仲間と一緒に ミクさんのイベントやったんですが、その時に」

[リン]  「あー! ずるいんだぁ! ミク姉ばっかライブとかやってさ!」

[おれ] 「昔々のお話ですよ いつの間にかリンちゃんメインになったじゃないですか」

[リン]  「最近何もやってくれないけどね」

[おれ] 「ふてくされないでくださいよーシクシク」

[リン]  「許す代わりに、もっと旅に連れてってくれないといけないなー ね、マスター♪」

[おれ] 「今回だってだいぶ無理してきてるんですよシクシク」

 


 

[リン]  「あ、ラーメン来たぁ! ホントだ、ちゃんと家系ラーメン」

[おれ] 「厳密に分析するといろいろ違う気もするんですが…

      まあ細かいあら捜しすればキリがありませんが、よくできてると思いますよ」

[リン]  「盛り付け、きれいだもんね」

 

 

[リン]  「昨日のと比べると、スープの色がちょっと濃いかなぁ」

[おれ] 「よく見てますねぇ とんこつより醤油を立たせた味という気がします」

[リン]  「キャベツは…これって必ず家系ラーメンに入ってるものなんだっけ?」

[おれ] 「ここに元々あった店… 昨日の信州五十六家の親に当たる"吉田家" が

      始めたオリジナリティですね 立地とともにその辺も受け継いだようで」

 

 

[リン]  「あ、やっぱ昨日のと違う気がする! コクより醤油の味が強いって言うか」

[おれ] 「本来の家系の基本とは違う傾向です この辺五十六家の方針と異なります

      味噌が多用される地方などでは濃い味が好まれたりしますが、そういう影響でしょうか

      横浜市民としての意見は置いておくとして、長野ではどういう評価なんでしょう」

[リン]  「麺もなんとなく違うみたい」

[おれ] 「鋭いなぁ 五十六家は家系御三家と同様、東京都大田区の酒井製麺からの直送

      こちらは横浜市旭区の丸山製麺から仕入れているようですね

      酒井製麺は元祖吉村家とその直系が必須条件とする製麺所

      丸山製麺を使用しているここは、そこまで縛られていない位置づけと言いますか」

[リン]  「へー」

 


[おれ] 「調理法も、六角家やその直系店とはいろいろ違います

      麺の湯切り一つとっても、御三家なら絶対に許されない方式です」

[リン]  「ちょっと知ってる人が見れば、いろいろわかったりするってことか」

[おれ] 「吉田家の居抜きで入った店、店員さんも吉田家経験者かもしれませんが…

      厳密な血統的には吉田家直下というわけではないんですよね」

[リン]  「あたしも伝統とか繋がりとかはとっても大事だと思うの

      でも、最近は"亜流"みたいなのも増えてるんでしょ?」

[おれ] 「免許皆伝方式的な慣習を持つものの、その辺ぼかしているのも家系の特徴

      狭義で見ると亜流は邪道なんでしょうが、広義で見ればこれも一つの発展形

      遠く離れたこの場所でちゃんとお客さんが来てくれるのなら、否定すべきではないのかと」

 

 

[リン]  「マスターは家系ラーメンとして分析するからいろいろ言いたいことあるかもだけど、

      括りとか考えなければ美味しいラーメンだったと思うよ」

[おれ] 「最近は『○〇家』を名乗らない屋号の家系もありますからね

      そういう店名にして風当たりをかわす手もありそうなんですが

      まあ、長野県向けにアレンジした家系亜種と考えることにしましょうか」

[リン]  「ちょっと遅い朝ごはん? ちょっと早いお昼ごはん? とにかく、お腹いっぱい!

      マスターも、やっとこのお店のラーメン食べれてよかったと思ってるんじゃない?」

[おれ] 「はい、気が済みました そろそろ行きましょうか」

 

 

 

・時間がないので、先を急ぎます

 

今回はわずか1泊2日の旅。時間がないんです。

2日目昼前、次の目的地へと向かわないといけません。

 

[おれ] 「先ほど来た道を戻って、塩尻市街方向へ向かいます」

 

 

[リン]  「14℃かぁ 昼間はまだだいぶあったかいんだね」

 

 

[おれ] 「しかし… どういうわけか車外気温計は2℃で、いまだに路面凍結注意表示

      母さん、僕の車は壊れてしまったのでしょうか」

[リン]  「誰に言ってるのよそれ」

[おれ] 「これくらい言ってないと気がかりで仕方ないでしょうシクシク」

[リン]  「わけわかんないよ」

 

 

[リン]  「あれ? 昨日のラーメン屋さんの名前だよね あんな建物だったっけ?」

[おれ] 「別なお店でして… じつは信州五十六家の2号店なんですよ」

[リン]  「なんか人の気配ないけど もうすぐお昼なのに… 土曜だからお休みなのかなぁ」

[おれ] 「ここ、すでに閉店して空き店舗なんですよ」

[リン]  「そんなに前からあったかなぁ 最近できたばっかじゃないの?」

[おれ] 「数年前に開店したものの、1年ちょっとで辞めちゃったんですよね

      理由は全く分からないのですが」

[リン]  「いろいろ事情があるんだろうけど、せっかくお店建てたのにもったいないね」

 

 

[おれ] 「正面が今朝いた高ボッチ山の辺り

      まっすぐ行くと国道20号甲州街道で東京へと繋がっていますが…

      まだお昼ですからね 少し回り道して帰りましょうか」

[リン]  「もうちょっと旅が続けられるのね よかった」

 

 

[おれ] 「塩尻から松本までを結ぶ主要道路 やや狭いですが交通量がとても多い

      お店もたくさん並んで、とても賑わっているところです」

[リン]  「だからラーメン屋さんも多いのかぁ」

 

 

[おれ] 「ラーメンチェーン2店舗に挟まれるようにして、長野で頑張る伝統の家系ラーメン

      横浜市民のおれが時々行きたくなるお店なんですが…いつかまた来られますでしょうか」

[リン]  「本店はまだまだ続くのね また連れてきてよ」

[おれ] 「こっち方面を旅する機会に恵まれたら、そうしますよもちろん」

 

 

[リン]  「で、今度はどこに行こうとしてるの?」

[おれ] 「種明かししてしまったら、面白みが薄れてしまいますよ」

[リン]  「教えてくれてもいいじゃん ケチー!」

[おれ] 「建前上、調べなくてはならないやつがあるじゃないですか」

 

 

 

次回は間に合いそうにないです。

一応頑張ってみますが、たぶん1~2回分お休みをいただくことになるかと思います。

なるべく早く続きをまとめますので、しばしお待ちを。

 

 

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