深澤 正彰( 数理ファイナンス) | 科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

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◆◆ 科学カフェ京都 第170回定例会 ◆◆




日時: 2020年 2月 8日(日) 2時~4時30分


話題:『 金融工学:大坂堂島帳合米取引から金融危機を経た最前線』


講師:深澤 正彰 先生


大阪大学 基礎工学研究科 教授
専門:数理ファイナンス
http://www-mmds.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/structure/faculty/profile.php?id=42
http://www.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/prob/index.html

会場:京都大学理学研究科セミナーハウス
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm
(上記地図の番号10の建物です)



概要:
世界史上初めて、金融派生商品の市場取引が行われたのは江戸時代、大坂の堂島米市場でした。金融工学は金融派生商品の設計及びリスク管理に関する技術であり、ここ半世紀で高度に発達しました。金融派生商品取引の世界経済に占める重要性は半世紀前とは比較になりません。 活発な市場取引は経済成長に欠かせない一方、金融派生商品の安易な扱いはしばしば金融危機を招いてきました。
金融工学を数学者の立場から研究するのが数理ファイナンスであり、金融工学の様々な技術がいつ上手く働き、いつ上手く行かないかということを「定理」と「証明」によって明らかにします。金融工学は金融資産価格のモデルに基づきますが、このモデルを記述するのが「伊藤解析」と呼ばれる確率論の枠組みです。金融の問題意識に基づき、対応する確率論の問題を研究するのが数理ファイナンスということになります。金融工学が駆使する「伊藤の公式」は、現代社会に最も大きな影響を与えている数学の公式と言えます。
本講演では金融派生商品と金融工学の歴史、そして現在を数学者の立場から解説します。 


参考:
http://www.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/~fukasawa/

https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/feature/2018/ww0vmw

https://www.amazon.co.jp/dp/B00F4BI4FS