思いがけない連載を始めることになりました!『食べることと出すこと』 | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

思いがけない連載を始めることになりました!
医学書院の「ケアをひらくシリーズ」の編集者、

白石正明さんにお誘いいただいて、

Webマガジン「かんかん!」で、

『食べることと出すこと』という不思議なタイトルの連載をスタートしました。
無料ですから、もしよかったらご覧になってみて下さい。
http://igs-kankan.com/article/2017/06/001053/

 

何が思いがけないかというと、

今でこそ公表してはいるものの、

私にとって病気というのは、隠すものであって、

自分から書くなんてことは、ありえないことだったからです。

病気の話は、これまでもしてきましたが、

肝心なことは言ったことがありません。

それを書くかどうかは、ずいぶん迷いました…。

 

すべては、一昨年の年末の白石さんからの、メールからでした。

「じつは私のずっと変わらぬ興味は『食べて出す』ことです。

 それをテーマに書いてみませんか?」

という、びっくりするメールからでした…。
世の中には、こんな変わったメールをいきなり送ってくる人もいるのです(笑)

 

医学書院での連載ですが、私はただの患者なので、

もちろん医学書ではありません。

闘病記でもありません。

そういうものを書く資格はないし、書くつもりもないので。

「病気をしてこんなに大変だった」ということを書くつもりもありません。

もっと大変な人は山ほどいます。私は書くほどではないです。

じゃあなんなんだというと、説明が難しいのですが、

「食べることと出すことが不自由になったことで気づいたこと」

を書こうと思っています。

 

「家族全員がそろって食事をすれば家庭の問題は解決する」

なんて極論を吐く人がいたり、

外でもらしたりすれば社会的生命を失いかねなかったり、

食べることと出すことは、

心理やコミュニケーションや社会などに、深く関わっています。

たんなる栄養補給と排泄ではなく、

じつはそこに大きな困難があります。

 

その困難は、病人だけでなく、

じつのところ、誰でも感じているものではないかと思うのです。


ちょっとでも思い当たる気のする人は、

これからの連載をお読みになってみてください。

第1回目は、とりあえず、

私自身の病気になった経緯と病気の説明だけですが、

これからだんだん話をひろげるつもりです。

 

トップ画像は、笹の横で背中を見せているパンダ。
いちおう、笹が「食べること」、

パンダのおしりが「出すこと」のつもりです。

で、なんか悩んでいるし、でもなんか笑えるので、

すっかり気に入って、これにしてもらいました。