「宮古島文学賞」というのが新しくできました! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

「宮古島文学賞」というのが新しくできました!

 

 

昨日、記者会見があり、本日、新聞でも発表がありました。

 

宮古島島文学賞についての宮古毎日新聞の記事

 

宮古島の人しか応募できないわけではなく、

どなたでも応募できます!

 

第1回目は「島」をテーマにした短編小説を募集!

「島」は宮古島に限りません。

とにかく、島をテーマにしればいいだけで、

「純文学、児童文学、推理、歴史、SFなどジャンルは問わない」

とのことです。

分量は、400字詰め原稿用紙換算で30〜50枚程度。

 

一席の副賞は50万円です!

なかなかではないでしょうか。

 

募集期間は、

今年10月1日〜31日(当日消印有効)の間。

今から書き始めて、ぜひこの期間中にお送りください!

 

審査員は、なんと、椎名誠さん!

そして、児童文学者のもりおみずきさん。

 

それから、なんともおこがましいことですが、

私も審査員のひとりです。

 

詳しいことは、こちらをご覧ください。

 

宮古島市文化協会ホームページ

 

作品募集要項

 

チラシ

 

……

 

 

以下は余談です。

 

私はかつて、

病院のベッドの上で原稿を書いては、

あちこちの出版社に送っていました。

難病で入退院をくり返していて、

その時点では一生そのままということだったので、

何かベッドの上でできることで、

収入の道を見つけるしかなかったのです。

必死でした。

送った原稿は、

表紙に赤マジックで大きく×が書かれたりして、

戻ってきました……。

 

今回の賞も、

どんな思いで応募される方がおられるか、わかりません。

そういう方を落とすようなことは、

私にはとてもできません。(注1)

 

ですから、審査員のお話をいただいたときには、

最初、お断りするつもりでした。

そもそも、審査員なんて器ではないですし。

 

ただ、とてもお世話になっている方からのご推薦でしたし、

その方から、

「落とすのではなく、拾い上げるつもりでやればいい」

と言われて、

思い直しました。

 

また、私は普段は、

自分の企画を出版社に審査される側なわけですが、

一度、他の人の持ち込みを、

私が審査する側に立ったことがあります。

お世話になった編集さんに協力を求められたからです。

そのとき、とてもびっくりしました。

 

自分が審査されるときには、いろいろ不満があります。

たとえば、企画書をばらばらとしか見てくれないとか。

 

ところが、審査する側に立ってみると、

ぱらぱらでちゃんとわかるんですね。

これには驚きました。

 

逆の立場に立ってみることで、

初めてわかることがたくさんありました。

 

そういう次第で今回も、

審査員の立場に立たせてもらえる機会なんて、

そうそうないので、

この得がたい機会を、

ありがたく体験させていただくことにしました。

 

審査員の立場に立ってみて、

はじめて気づくことなどありましたら、

またこのブログに書いてみたいと思っています。

文学賞を目指しておられる方々の

少しでもご参考になればと思います。

 

(注1)

審査するときには、お名前や経歴などは、すべて審査員にはわからないようにするそうです。

なので、境遇などが考慮されることはありません。