大朗報です!!!カフカの『フェリーツェへの手紙』の新版の全訳が新訳で刊行!!! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

大朗報です!!!
カフカの手紙の中でも最も面白い『フェリーツェへの手紙』の新版の全訳が、新訳で刊行されることになりました!!!
まだ、某出版社で、某翻訳家としか言えませんが、とても美しい本になるでしょうし、画期的な素晴らしい飜訳になると思います!
(画像は原書です)





『フェリーツェへの手紙』を読もうと思ったら、これまでは古書を探すしかありませんでした。35年前に刊行された新潮社の『決定版カフカ全集』です。探すのも大変ですし、なにしろ35年前の飜訳です。それから、カフカ研究も進んでいますから、いろいろな新しいこともわかっています。

手紙の配列もかなり変わっています。
たとえば、最初の頃に出されていたと思われていた、かなりストーカーっぽい手紙が、じつはすぐには投函されず、後になって送られていたとか。

フェリーツェと会った後、カフカが二日間、行方不明になっていた謎も解明されています。

フェリーツェの家族についても、これまで書かれていたこととは、ずいぶんちがっていたことがわかっています。

フェリーツェとの1回目の婚約破棄のとき、ホテルの一室に集まったメンバーが、じつはこれまで思われていたのとは、ちがっていたこともわかりました。
(これは個人的には、かなり驚きました。イメージがぜんぜんちがってきます)

そうした真実も、今回は盛り込まれることになりますし、
なんといっても、信頼できる飜訳がありがたいです。
原文に忠実であることと、読みやすさが両立された、素晴らしいものになると思います。
カフカの飜訳史において、画期的な出来事です!

乞うご期待!
また新情報があったらお届けしますね。

カフカの手紙は本当に面白いので、私もこれまで、その一端を伝えるべく努力してきましたが、『フェリーツェへの手紙』の全訳が信頼できる読みやすい飜訳で出るというのは、本当に画期的な素晴らしいことで、個人的にも嬉しくてなりません!
刊行されたら、ぜひみなさんもお読みになってみてくださいね!