山田太一脚本「それぞれの秋」DVD-BOX届きました!今日からTBSチャンネルで放送も! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

山田太一脚本「それぞれの秋」DVD-BOXが、
うちに届きました!

木下惠介生誕100年 木下恵介・人間の歌シリーズ それぞれの秋 DVD-BOX/TCエンタテインメント

¥28,350
Amazon.co.jp

いや、感無量です。
前も書いたかもしれませんが、
この作品について初めて知ったときには、
DVDもビデオもないし、
シナリオ本も絶版で、
再放送もまったく期待できず、でした。

シナリオ本を古本でようやく手に入れて、
読んでみたら、これがなんとも面白い!
あとがきを読んだら、
山田太一さんが、主人公の俳優さんと偶然出会ったときに、
「この人でなら、できる」
と思ったというようなエピソードが。

ドラマをぜひとも観たくなったけれども、
どうにも観ようがない。
ようやく観ることができたのは、
ずいぶん年数が経ってからでした。

今やこうして、
Amazonでポチッとで入手可能で、
隔世の感があります。

ともかくも、
これがたくさん売れて、
さらに他の山田太一さんのドラマがDVD化されることを願っています。
「緑の夢を見ませんか?」とか、
いまだに一度も観ることかできていません。
観たいなー


「それぞれの秋」に話を戻すと、
今では「北の国」からの純くんで有名な、
主人公の内心の声のナレーションは、
このドラマがもとです。

倉本聰さんは、
この「それぞれの秋」を観て、
「こういうナレーションの使い方があるのか」と思って、
自作の「前略おふくろ様」で最初に用いたそうです。
これは倉本聰さんがテレビでおっしゃってました。
「それぞれの秋」には若い頃の桃井かおりさんが出ていますが、
「前略おふくろ様」にも桃井かおりさんが出てきますね。

で、山田太一さんは、
こういうナレーションの使い方をどうやって思いついたかと言うと、
サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読んで、だそうです。
映画ではナレーションを入れるというのは、
かなり禁じ手であったそうですが、
テレビの場合は、そして『ライ麦』のような感じなら、
いけるのではないかと思われたそうです。

……

「それぞれの秋」は、
本日午後4時から、
CSのTBSチャンネル2で、
毎週土曜日に放送されます。