楽天ブックスの「新社会人に読んでほしい本」に入っていました! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

今日、気がついたのですが、
楽天ブックス
「新社会人応援フェア」
「新社会人になる皆様に読んでほしい本をご紹介」の中に、
『絶望名人カフカの人生論』が選ばれていました。

http://books.rakuten.co.jp/event/book/business/frshers/

驚きました。
楽天の担当者の方もやりますね。

普通なら、こういうときは、
ポジティブで前向きな本ばかり集めるでしょうに、
こういう本も必要になるかもしれないと、
思ってくださったんですね。

ポジティブ好きの人の中には、
ネガティブというだけで、
「私はこういうものにはふれないことにしています」
と見向きもしない人もいます。

ポジティブが好きなのはいいことですし、
ポジティブな言葉もいいものですが、
そこまで極端に、
首でもねちがえたかのように、
暗いほうは見ないようにするというのは、
それはそれで、
落とし穴から目をそらして歩くような危険な感じがしますし、
ポジティブ症候群的というような感じがしてしまいます。
本来のポジティブとはほど遠いでしょう。

本当に太陽の光が好きな人なら、
月の光もまた愛するように思います。

「人間は昼と同じく、夜を必要としないだろうか」ゲーテ

昨日の読売新聞の「編集手帳」といい、
今回の楽天ブックスといい、
絶望の名言集の必要性を理解してくださる方もいて、
ありがたいことです。